2007年4月6日金曜日

心の時代

転職市場は世相を映す。人気業界は時と共に推移し、人々が会社に求めるものも猫の目のように変わっていく。ベンチャーブーム、自由な社風、実力主義、安定志向、モノ作り等々…。
転職者と日々向き合っている我々でも、彼らの判断基準のなかに、今という時代の影を感じ取ることがある。

Kさん(30歳)は、ごく普通の悩みを抱えたシステムエンジニアだった。
「会社が二次請けなので、主体性をもって取り組める開発の仕事がないのです。やらされ感が強くて…。もっと上流の工程から仕事に関わりたいと思っ ています。同僚が何人か転職しているのですが、みな今の環境よりは良いと言うので、自分もと考えるようになりました。それから、出来れば仕事量を減らした いですね。今年夏に結婚する予定なので…」
派手ではないが7年間の実務経験を持つKさんは、今の売り手市場のなかでは優位な立場にいる。残念ながら彼が第一希望にあげていた会社とは縁がなかったのだが、2か月間の転職活動でシステム開発4社から内定をもらうことが出来た。
4社はKさんのなかの志望順位でヨコ一線。どこに行こうか悩む彼に、各社はそれぞれ熱心にアピールを行った。

「技術力が当社の特徴です。エンジニア向けの技術研修は頻繁に行っていますよ。当社を指名しての開発依頼は非常に多く、その点では同じ規模の会社には決して負けません」
「社員に利益還元することを約束しているので、給与は平均よりかなり上でしょう。オフィスも一等地にありますし、転職してくるスタッフが多いのもうちの特色です」
「大手金融の系列なので安定しています。Kさんは結婚されるそうですから、落ち着いた雰囲気のなかで仕事が出来るのは良いのではありませんか?」
それぞれ、魅力的な誘い文句だと思うのだが、残念ながら上の3社はKさんの選に漏れた。残るひとつの企業:A社にそれ以上のなにかがあったのだ。

一見地味なA社。我々もよく知らなかったA社のアピールポイントとは、社員の「メンタルケア」に熱心な会社であるということだった。

プライバシーの観点からこのコラムで紹介していないが、心に問題を抱えて悩んでおられる転職者の方は数多い。Kさんは「自分自身はまったく健康な状態ですが、同僚が鬱状態になり、苦しんでいる姿を見てきました」と、A社を選んだ理由を述べた。

「会社に常駐の心理カウンセラーがいるそうなんです。社外にも相談を持ちかけることができる提携先があって…。会社として配慮をしているってことがよくわかりました。」
Kさん曰く、心の問題に陥った友人は悲観的なわけでもなく、よく言われるような生真面目な性格でもなかった。ごくごく普通の20代の男性。それが些細なミスから仕事を難しくしてしまい会社を辞め帰郷。今も通院を続けているという。
「他人事じゃないですよ。A社は、長く働ける会社としては一番だと思いました」
結婚を控えて安心・安定を求めたKさんが選んだのは、自分のスキルを磨くことでも、人気企業でも、大手系列でもなく、心の健康維持だった。

「会社は心の問題に無頓着すぎた。まさにそれこそ今の日本企業の課題だ」と言われれば、その通りなのかもしれない。これからこの手の企業選択が増えてくるのではないか、と予感する我々なのであった

SEOってなあに?

google、yahoo等の検索エンジンの順位を上位にするための技術なんですって。 なんだか難しそうですね(・ω・;)

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