- 経済的な自立をとおして (7)
- 親子間の葛藤を経て (4)
- 子どものころから徐々に (4)
- 1人暮らしを体験して (3)
- 結婚を機に (3)
- 人間関係の変化のなかで (3)
それぞれのタイプごとに見ると、具体的なきっかけは一人ひとり異なります。ここでは代表的なエピソードをご紹介します。
【経済的な自立をとおして】
- 親子関係が変わったタイミングは、会社に入社し経済的に自立したとき。自己管理できるようになったのも、就職してからだと思う。就職してからは自分で責任をもって生活できるようになった。(35歳男性 税理士)
- 親 子関係が変わったのは、就職して経済的に自立してから。学生時代は親のお金で学校に通っていたので、海外旅行は禁止されていた。その時は、アルバイトのお 金で国内旅行だけだったが、就職してからは自分のお金を自由に使えるようになり、海外旅行に行けるようになった。英会話スクールにも通えるようになった。 (29歳女性 Webデザイナー)
【親子間の葛藤を経て】
- 大学2年の 時、オートバイの免許を取ることに対して父親から反対されたが、押し切って免許を取得した。父親は流通の仕事をしており、若者がバイクで事故を起こすのを よく見ていたため、反対していた。目に見える形で父親に反抗したのは、この時が初めてだった。最終的には父親も認めてくれて、免許を取った数年後には「お れに合うバイクはないか?」ということも聞かれるようになった。父親も納得してくれたのだと思う。(33歳男性 高校教師)
【子どものころから徐々に】
- 両 親は共働きだったので、姉2人と一緒に家事をやっていた。家事をやることは、自然と子どもたちだけでやるルーチンワークになっていた。仕事をしている母親 に負担がかかっているとわかっていたので、子どもたちが家事をやるのは当然なことだと思っていた。(30歳男性 ITコンサルタント)
【1人暮らしを体験して】
- 大学時代も実家から通学していたため、会社に入社して1人暮らしを始めてから親離れしたという実感がある。また、自己管理も社会人になってからできるようになった。食事は会社の寮で出るが、掃除・洗濯は自分でやらないといけない。(26歳男性 メーカー系経理職員)
【結婚を機に】
- 親 離れについては、今もできていないかもしれない。それほど頼っている意識はないが、近所に住んでいることもあり、精神的には頼っている部分もある。ただ、 自分のなかで、頼っていい部分と頼らない部分を分けてはいるつもり。結婚を機に、少し親との関係が変わった。結婚前は親に何でもやってもらう関係から、親 の立場を考えて線引きして物事を頼むという関係に変わった面があると思う。(32歳女性 図書館職員)
【人間関係の変化のなかで】
- 高校時代、部活動を一生懸命やるようになって親よりも友達との関係が大切に思えるようになった。親との人間関係が変わったのは、ちょうどそのころ。(33歳男性 アスレチックトレーナー)
こ れらはインタビュー調査で得たエピソードの一部ですが、親離れのきっかけやタイミングはさまざまであることがわかります。「就職」や「1人暮らし」「結 婚」など、明らかな転機や環境の変化で親離れしたケースもあれば、発達・成長のなかに親離れのきっかけが組み込まれているケースもあります。個人の差はあ りますが、子どもが「親離れした」という実感を得るのは、「親子関係が組み替わった」と子ども自身が認識したときではないかと思われます。
ご家庭で「親離れ」を感じさせる瞬間はありますか?