2007年4月23日月曜日

人事の都合

転職支援サービスで我々がいつも気にかけていること…、それは転職者ご本人の意志を尊重することだ。それは逆に言えば、「転職者の方を誘導して、会社を決めてはならない」ということでもある。
明確な意志・希望があれば、他人が勧めるままに転職するようなことはあり得ないだろう。しかし、職種変更ができる20代前半、進路に迷っている方、あるい は一度転職に失敗するなどの理由で他人のアドバイスに依存しがちな方なら、言葉巧みに気持ちを一方に向かせることも不可能ではない。それは悪魔の誘惑なの である。

飲料メーカーA社の採用担当:Iさん(30歳)は各事業部からの突き上げを受けていた。どの事業部も人手不足、しかし、新卒・転職市場が売り手市場にな り、採用は予定通りに進まない。本来であれば人事こそスタッフを補うべきだったが、A社経営は営業を最優先にしたため、Iさんの仕事は雪だるま式に増えて いくことになった。

ある時、我々はA社の一次面接にいった人から、奇妙な感想をもらった。
「今日は面接というより、次の面接に向けてのガイダンスのような感じでした」
「というと?」
「二次面接に出てくる事業部長はこんな人で、必ずこういう質問をされるので、こういう感じで答えて欲しいとか、そういう話でした」
その転職者は笑っていた。
「選考なのに、ずいぶん親切ですよねえ」

Iさんに確認すると、悲鳴のような返事がかえってきた。
「どの事業部からも矢の催促で『なんとか人を増やせ』と言われているんですよ。毎日毎日くたくたになるまで面接しているんですけど、なかなか思うようにい かなくて…。それで、とにかく可能性がありそうな人は事業部の方で気に入ってもらえるように、アドバイスをしているんです。事業部の方で『×』になってし まうと、それはそれでどうしようもないので」

さらに話を聞くと、「相手(転職者側)がA社を選んでくれないのは、会社・事業部の力不足だが、内定になる人数が少ないのは、人事の募集方法に問題がある」と、Iさんが社内でやり玉に挙がっているという愚痴が出て来た。
「自社で面接攻略法を教える」というカンニングまがいのやり方は、Iさん苦肉の策だったわけだ

そして、Iさんはこの手法を拡大していった。A社の海外事業に応募したNさん(26歳)の一次面接で、Iさんは別部署の勧誘に走った。
「仮に、海外事業部で不採用だった場合、別事業部で働いてみる気はありませんか? 実はバイオ製品の事業部で欠員があって…」
「うーん。海外営業が希望なので、まずはそちらを受けてみてからでないと何とも言えません」
「バイオ事業は今、伸びている事業部で、社内でも注目されているんですよ。悪い話じゃないと思いますよ…」
この面接の直前、入社したばかりの若手が辞めてしまい、バイオ製品の事業部から人事にクレームが入っていた。それを補うためにIさんは、何とか早く採用者を出したかったのだ。
しかし、IさんはNさんに強い不信感を植え付けることになってしまう。

面接後、Nさんは我々に「A社はおかしいですよ」と、首を捻った。
「無理に他の事業部に押し入れようとするんです。これでは海外営業で入社しても、会社の都合ですぐに人事異動されてしまいそう」
実際には人事の力が弱いA社では、そうそう簡単に配置換えは出来ないのだが、一度生じた不信感は、短い選考のなかでは致命的である。当初A社に強い関心を持っていたNさんだったが、結局、海外事業部での二次面接もせず、辞退を決め込んでしまった。

Iさんにとって不運だったのは、この話がNさんの友人を通して、A社に伝わってしまったことだった。
「なんで、海外事業部に来たいって言うヤツに、わざわざ逃げるようなことをしてくれたんだ」
いま、Iさんは社内で、さらなる突き上げに晒されている。

「決めるのは本人」というのは転職の大原則、我々もあらてめて肝に銘じなければならない。そこを曲げてしまっては信頼もなにもなくなってしまうのだから。

消費弱い背景に賃金の伸び悩み、景気動向で最も注視

都内での講演で、日本経済の現状について、最も注目しているのは、賃金の動向だと述べたうえで、消費が強くならない背景には賃金の伸び悩みがあるとの認識を示した。

 大田担当相は、いざなぎ景気を超えて戦後最長を記録している現在の景気回復局面について「5年間、回復を続けていることは評価できる」としながらも、足 元の景気動向に関して「最も注目しているのは賃金だ。消費が伸びない背景には、賃金が増えていないことがある。ここが一番気になる」と述べた。

 その上で、「雇用自体はそれほど悪くない。人手不足感も出てきている。新卒の採用は増え、初任給も上がっている。なぜ賃金が伸びないのか」と繰り返し、景気の先行きを見通す上で賃金動向が大きなポイントになるとの見方を示した。

 また、海外経済では「(注目は)米国経済がどうなるか。米国がしっかりとソフトランディングに向けて回復を続けてくれないと、日本にとっても不安要因が 増える」とし、その米経済について「個人消費は悪くない。一時期心配された住宅も、やや底を打ったような感じもある。代わって、設備投資が弱くなってい る」と分析した。

 ただ、「今年に関しては、米国もそれほど悪くないだろう。中国は強い成長が続く。したがって、この回復基調は、今年も続く。(日本の)景気の先行きも持続すると見ている」と語った。

 大田担当相は、「基本方針2006」(骨太の方針)で示された成長戦略と歳出・歳入一体改革を「車の両輪」と位置づけた上で、政府が目標に掲げている 2011年度の基礎的財政収支(プライマリー・バランス)の黒字化について「足元の税収が伸びており、歳出を最大限やって最大の成長を遂げれば、増税なし で達成できるかも知れない。まずこれを目指す」とし、歳出削減努力を徹底的に行うとともに高成長が実現できれば、増税は不要になるとの考えを示した。

 政府が今秋以降にも本格的に議論を開始する税制改革については、グローバル化、国内での負担方法、財政の論点があるとし、「3つの点を考えながら議論したい」と語った。

看護師不足の実態を調査 県、全国的獲得競争に対応

 昨年四月の診療報酬改定に伴い、全国の大規模病院で今春採用の看護師が前年を大きく上回り、中小病院での看護師不足が懸念されている。これを受け、徳島 県は県内の病院などを対象に、看護職員の需給調査を始めた。六月中に結果をまとめて分析し、今後の施策に反映させる。

 需要については、病院や診療所、介護老人福祉施設、訪問看護ステーションなど計千百四十二カ所を対象に、看護師と准看護師の配置人数、不足数、退職者数 とその理由などを調査。全国で深刻化する産婦人科医不足を受けて需要が高まっている助産師などについても調べる。結果は五月中旬に出そろう見込み。

 供給数は、県立看護専門学校や徳島大学など、看護師養成課程のある八養成所・学校を対象に、新卒者数や内定者数などを調べる。

 同様の調査は、厚生労働省が二〇〇五年七月に初めて全国で実施。この調査では、県内の看護四職種(看護師、准看護師、助産師、保健師)の供給が一万千八百四十一人だったのに対し、需要は一万千七百四十六人で供給が上回っていた。

 診療報酬改定では、看護師一人が入院患者七人を受け持つ、看護の手厚い「七対一入院基本料」を導入。それまで最高だった「十対一」の日額報酬一万二千六 百九十円を上回る一万五千五百五十円が医療保険から支払われることになった。このため、看護師の獲得競争が激化しているという。

 県医療政策課は「看護師不足は県内にも波及しているとみられる。実態を詳細に分析し、需要と供給のバランスが取れるよう必要数の確保に努めたい」としている。

雇用委員会を開催

1.現下の雇用情勢

失業率は改善し、新卒採用は空前の売り手市場となっているが、自然失業率は高止まりするものとみられる。その背景の1つが雇用のミスマッチである。
米国では1960年代後半から産業の構造調整を行い、製造業部門の雇用者シェアを徐々に減少させてきた。一方、日本は産業の高度化といいながら、現在でも製造業部門が相当の雇用者シェアを占めており、今後、産業の構造調整が行われていく可能性がある。
雇用者の人員構成をみると、「バブル世代」が多く、「失われた10年世代」が少ない。こうした状況が各企業や産業全体でみられ、人的資本の蓄積上大きな問題をはらんでいる。
失われた10年世代は、教育訓練の機会が乏しかったことに加え、非正規社員の割合が高く正社員としての教育を受けていないものも多いことから、長期的な企業経営への影響、ひいては今後の経済成長にも大きな問題をもたらすであろう。

一般職は3860人採用-来春、民営郵政グループ

 今年10月の郵政民営化で発足する日本郵政グループの2008年度の新卒採用計画が18日、明らかになった。地域別に採用する一般職は3860人程度 で、既卒者も含む本年度の日本郵政公社の採用実績(約8100人)から半減。一方、総合職は約240人で、本年度の実績(91人)の2・6倍を見込んでい る。

 公社は民営化で持ち株会社の日本郵政と四事業会社に分社する。総合職は各社ごとに、一般職は4事業会社が13地域ごとにそれぞれ採用する。

 一般職については郵便事業会社は九州が約230人、東北が約155人、四国が約65人など全国で約1500人の採用を予定。郵便局(窓口)会社は関東約690人、四国約50人など約2005人を予定している。

 ゆうちょ銀行は近畿、四国がそれぞれ約15人など85人程度だが、北海道、東北、南関東、九州では採用募集をしないとしている。かんぽ生命保険は法人営業コースと一般コースを合わせて計約270人となっている。

新人看護師が多数進出 大学病院、報酬改定で

 昨年の診療報酬改定の影響で、大病院を中心に看護師募集が急増した結果、新卒看護師の就職が始まるこの4月から、国立大学病院などで多数の新人看 護師が働き始めた。中には入院患者をみる看護師の4割程度が「新人バッジ」を着けている病棟もあるほどで、各病院とも研修の強化などの対応に努めている。

 昨年の診療報酬改定では、急性期の入院医療を強化する狙いで、看護師1人当たりの入院患者が7人と手厚い配置をした病院に診療報酬を上乗せした。

 この結果、看護師の増員を計画する大病院が相次ぎ、特に、国立大学病院では、大学の法人化により公務員の定員枠に縛られなくなったことも手伝って増員が目立つ。

 東大付属病院は7対1の届け出と集中治療室(ICU)増設などのため新人看護師180人、退職者の補充分を合わせ計300人を新たに迎え、看護師は従来 より約200人の純増になった。同病院は新人を示す「Fresh」と記したバッジを採用したが、病棟によっては4割近くがバッジ着用というケースもある。

声なき声に、救いの手を。

我が国の景気は、戦後最大の「いざなぎ景気」の57カ月を抜き、戦後最長の景気拡大期間となった。

 しかし、地方では未だ景気回復の実感 が乏しく、雇用環境の激変を伴う今回の景気回復に、「繁栄」という大きな木に絡まる「貧困」というツタが、益々根深く絡み付いていると感じるのは、離島に 在住し、且つ「軟骨無形成症」という近位四肢短縮型の低身長の障害を抱える、「社会的少数者」中の「社会的少数者」筆者だけだろうか。

  働いても働いても生活保護水準以下の暮らししかできない「働く貧困層」、ワーキングプアの方々の厳しい現実を扱うマスコミ等の媒体等に接する機会は多い。 今、新卒者は売り手市場であるという。ところが就職氷河期に卒業を迎えた世代の一部、リストラの憂き目にあった方々にとっては生活するのにギリギリの給料 しか得られない様な、大変厳しい状況が続いているだろう。

 離島在住者にとっては、平均所得、雇用状況は本土に比べると格段の厳しさが加わり、更に加えて離島在住の障害者にとっては、もはや声なき声をあげるしかない、悲惨な状況である。

  構造改革の推進によって地方も激しい競争の渦に巻き込まれ、廃業に追い込まれる企業が続出し、地域が地盤沈下しつつある今、離島が抱える景気回復、情報流 通の円滑化、産業の振興、生活環境の整備、医療、福祉等の充実、観光の開発などは、それぞれの地域が抱える問題と共通する部分も多いのではないか。

  住み慣れた地域社会や家庭で、自立出来る人は自立し、安心して暮らす事は、誰もが望む事だろう。だが、生活保護水準さえも確保されていない方、障害者等、 社会的弱者には多様な選択肢、機会が用意されていない社会で、勝ち組、負け組を固定化しない『再チャレンジの可能な社会』は現実性を帯びているのだろう か。

 性差、障害の有無に関係なく、市民、地方公共団体が一丸となって一人一人に救いの手を差し伸べる事から、まずは始まるのではないか。

初任給を14年ぶり引き上げ 日生、総合職で3万円増

 日本生命保険が、4月に入社する職員の初任給を14年ぶりに引き上げることが31日、分かった。景気回復で新卒採用が売り手市場となっており、優秀な人 材を確保するためには引き上げが必要と判断した。ほかの金融機関などにも影響を与えそうだ。

 大卒総合職の初任給は3万円増の20万5000円、一般職は大卒で2万2500円増の18万5000円、短大卒で2万5000円増の17万5000円に引き上げる。4月2日に総合職約240人、一般職約560人が入社する予定だ。

 金融機関では、三井住友銀行が今年4月入行の大卒総合職の初任給を3万1000円増の20万5000円、第一生命保険も大卒総合職で7800円増の20万円に引き上げるなど、初任給を引き上げる動きが広がっている。

群馬銀行の中期計画、人員増で営業体制強化

 群馬銀行は28日、2010年3月期を最終年度とする3年間の中期経営計画を発表した。新卒、中途採用を積極的に行い、県内や埼玉、東京への営業を強化 するほか、好調な投資信託の販売を3年間で2倍に増やす。これまでの経営計画で不良債権の処理にメドがついたため、攻めの姿勢を鮮明に打ち出す。

 新卒採用は昨年4月が207人だったのに対して、今年4月は217人。来年4月も230人を計画している。中途採用では06年度は10人の実績があるが、07年度は30人以上にする計画だ。県内や埼玉、東京など成長性の高い地域への営業強化に充てる。

 今後、団塊世代の大量退職が見込まれるため、それ以上採用し、3年後の人員は今年3月末に比べて130人多い3150人とする。

 取扱商品では投資信託を強化する。預かり金融資産は1兆円に目標設定し、投信は06年3月期比で2倍となる5400億円程度を見込んでいる。

酸素と入社式

 あっという間に4月になってしまった...4月最初の営業日である今日、当社でも厳粛に入社式が執り行われた。当社の伝統では、新卒で入社する社員に「酸素」を記念贈呈することになっている。

 社長からの「ありがたいお話」は短めに切り上げようと思ったのだが、いつもながら長くなってしまった。

 高校生の頃、現代社会の試験で、社会問題だか民主主義について論じろというような論述問題が出たときに、「私は、その社会問題は、教科書から得た 知識だけで短い試験時間中に論じられるほど軽々しい問題だとは考えていない」というような文章を長々と、しかし真剣に書いたら、先生から、採点済答案に赤 ペンで長々とした「レス」を頂いた。今でも大変感謝しているのだが、その中に書いてあったのが、「社会に出たら、いつも準備万端、万全な状態でシュートを 打てるとは限らない。むしろ無理な姿勢のときにいきなりボールが来て、シュートを打って、ゴールに入れなければならない場面の方が多いんだ。ボールはなか なかゴールに入らないが、その繰り返しで人は成長していくんだ。」というお話。

 高校生ながら納得して、それからはとにかく今ある資源を使ってチャレンジすることも大切なのだと考えを変えた(ちなみにその1問しか無く、0点を覚悟していたのになぜか点数は「65点」だった。今思えば先生も採点に悩んだに違いない)。

 当社には正解を見つけるには、たくさん間違いをしなければいけないんだ、間違いを恐れていては、正解にはたどり着かないんだ、ということをあらわ す「Make mistakes early」という行動理念がある。一昨日まで学生だった新入社員には、いくら「Make mistakes early」と言ってもなかなか腹に落ちないだろうから、と思って、今日の入社式では上記の先生の言葉を勝手に拝借してお話した。先生ありがとう。

 贈呈する記念品である「酸素」は昔社内で流行った、スプレー缶のようなタイプのやつ。かつて、20坪のオフィスに30人以上が詰めていた頃、酸素 不足による頭痛を訴える人が続出した。そのときに、誰からともなく酸素缶を持ち込みはじめ、苦しくなるとしゅーしゅーと吸うのが流行りだしたのだ。今は、 160坪のオフィスに60人だから、当時から比べると人口密度は1/4と快適になったが、いつどこでシュートを打てと言われるかはわからないし、ここはベ ンチャー企業なので、いつ20坪に30人のオフィスに後戻りすることになるかもわからないからな、忘れるなよ、という意味合いで毎年贈呈している。

 当社は原則として毎年新卒の新入社員を採用しているが、新入社員が入ると、こちらの気も随分と引き締まる。なんとなくいい加減にしていたところ も、彼らの良いお手本にならなければいけないと思うと、いい加減にできなくなるものだ。4月といわず、そんな良い緊張感を保っていきたい。

入社後に分かったP社の現状とは

 入社して半年後、Sさんから連絡がありました。

 「P社、次年度の雇用契約の継続はなさそうです……」

 P社の立ち上げる予定の新規事業の内容について、求人のヒアリングをした際には社外秘ということで教えてもらえませんでした。Sさんも社内の現状は入社後に知ったとのことでした。

 もともと印刷系企業だったP社は、ほかの印刷系の企業がIT分野へ進出して成功したことから、遅まきながらIT事業を立ち上げようとしていたとのことでした。とはいえ、実際のところ、社内の体制はまったく整っていない状況でした。

 ネットワークエンジニアとしてキャリアアップしようとしたSさんですが、1年の契約で終了することになりました。

 次の転職では、キャリアに進展はほとんどないにもかかわらず、短期間に転職回数が1回増えてしまい、厳しい転職となってしまったのです。

社名だけで判断せず、面接で確認を

 Sさんの入社を大きく左右したのは、P社のグループ名でした。新卒で入社したときと同じグループ会社だったので、グループ会社の話で盛り上がったことで、何となく分かった気になってしまったことが、転職が失敗する原因の1つとなったのでした。

 同じグループ内といっても、社風や制度などが異なるのがほとんどです。事業部が違うだけでも、社風が異なるというケースはよくあります。

 社名や、自分のネットワークの一部の接点だけ(知り合いのうわさなど)で判断するのではなく、面接の場で一緒に働く方や社内の雰囲気を見、時には質問をすることで、じっくりと転職先を判断するようにしましょう。

 人材紹介会社では、面接の場で聞きにくい質問に対して、代わりに企業に確認したり、企業に悪い印象を与えない質問の方法をアドバイスしたりすることが可能です。納得したうえで、入社を決めるようにしましょう。

グループ会社のP社か、ネットワークベンダか

 内定企業のうち、Sさんがどこに入社すべきか迷ったうちの1社が、最初に入った企業と同じグループ企業に属するP社。システム部門を立ち上げ中の 事業会社で、プロジェクトリーダーとしての活躍を期待されたポジションです。年収は650万円を提示されました。ただし、初めの1年間は契約社員での採用 です。

 もう1社は、成長中のネットワークベンダのB社。営業にかかわりながらもネットワークエンジニアとしてキャリアを積めるというポジションです。当初の提示年収は580万円でした。

 年収が600万円のSさんにとっては、P社が最も高い年収での内定になります。しかもP社はSさんの希望・キャリアにぴったりのポジションです。

 B社が提示したポジションもSさんにはいいものです。ただし問題は年収です。

 S さんからは、年収ダウンになるのであればあまり転職する気になれないと伺っていたので、コンサルタントとしてB社と交渉しました。B社は、Sさんを高く評 価していたので、できる限りの調整をし、当初は契約社員として半年働いてもらうが、その後正社員として採用し、その際の年収として630万円という提示を いただきました。

 しかし、結局SさんはP社に入社を決めました。入社を決めた理由は、B社よりも高い年収と最初に入社した企業と同じグループの企業であったという安心感でした。P社との面接では、グループ会社の件で盛り上がったそうです。

フィールドエンジニアからITエンジニアに転身

 Sさんは、大学卒業後大手メーカーのグループ企業に入社し、機械のフィールドエンジニアとして勤務していました。しかし勤務して3年ほどたったころ、もともと興味のあったネットワークにさらなる興味を持ち、IT業界に転職をすることにしました。

  未経験からの転職ではありますが、持ち前のコミュニケーション能力と前向きな姿勢で、教育系のソリューションを提供する企業に入社が決定し、転職しまし た。当初は、社内SE(システムエンジニア)として、社内のPCサポートからスタートしながらも、最終的には社外向けのネットワーク構築をはじめ、ネット ワークエンジニアとしてキャリアを積むことができました。

 仕事にそれほど不満はなかったものの、あるとき、中途採用 の年齢の上限で多いのが、35歳ぐらいだということにWebサイトを見ているうちに気付いたSさん。そこで、34歳の誕生日を迎えたとき、ネットワークエ ンジニアとしての仕事の幅を広げるため、最後の転職のチャンスとして(奥さまにも了承を取り)、2度目の転職を決意しました。

 Sさんは、先に述べたように当初の3年は機械系のエンジニアとしてのキャリアを積み、その後キャリアチェンジをして、社内SE、ネットワークエンジニアとなったため、ほかのITエンジニアの方と比べると、実績面で多少不利な転職活動となりました。

 とはいえ、リーダー経験やマネジメント経験は積んでいます。最初の転職で評価されたコミュニケーション能力は、今回の転職活動でも高く評価され、それが功を奏したのか、最終的には数社から内定を得ることができました。

企業名が入社の決め手。が、それで失敗

IT系企業、どのくらい知っていますか?

 そもそもIT系の企業、どのくらい知っていますか?

 新卒の就職活動のときに知った企業、いまの仕事で関係がある企業、インターネットや雑誌で記事を読んだことのある企業……。

  私もITエンジニアとして勤務していた経験があるのですが、転職支援の仕事を行うようになって、こんなにたくさんの企業があったのか、こんなレベルの高い 企業があったのかと、驚くことがあります。マーケティングなど市場の調査を担当しているITエンジニアでもない限り、普通に働いている方は、自信を持って 多くの企業を知っているといえる方はいないのではないでしょうか。

 今回は、企業名に引かれて転職したものの、入社して業務を始めてからやっと、求人の全貌を知ることになったSさんの例です。

「売れる人材?」「売れない人材?」独女の転職事情やいかに!?

 バブル期の再来、いやそれ以上と言われる昨今の新卒の売り手市場。「ああ、私たちの時代も引く手あまただったわ」と思いつつ、今の職場に不満を持つ独女 たちも多いのではないだろうか。転職を考えるも「就職氷河期」の悪夢が醒めず、なかなか行動を起こせずにいる人もいるだろう。

  しかし「中途採用計画調査2007」(リクルート ワークス研究所)によると「回答企業の15.8%が、中途採用は前年度と比較して「増える」と回答。従 業員規模別に見ると、300人~999人、1000人以上の規模で「増える」と解答した企業の割合が高い。年齢構成を見ると「25~34歳」がもっとも多 く47.6%。次いで「35~55歳」も28%となっている。30歳を越えても、チャンスは充分ある。今の好景気は独女にとっても、本物の売り手市場と なっているようだ。

 求人サイト「女の転職」を運営している(株)キャリアデザインセンターに、女性の転職事情を伺ってみると、いわゆる 「2007年問題」や「少子化」などによる労働力不足を解決する方法の一つとして、女性を積極的に採用する企業が多くなってきており、新卒・中途採用共に この傾向は今後、益々顕著になるとのことだった。

 以前は企業側が“使い易い”と云う点で「若い(20代前半)独身」女性が好まれており、逆に言うと「若くない(30代)」「既婚」「子持ち」が避けられていたことが現実としてあった。

  しかし昨今では企業側が女性を長期戦力として位置づけするようになってきており、結婚・出産・介護などのライフイベントによって影響を受けやすい女性に対 して、様々な働き方を用意している企業も増えてきているらしい。「働きたいと考える女性にとっては、今は追い風の時代と言えます。特にキャリアを積まれて 30代を迎えた女性の方々には「仕事内容」「働き方」の選択の幅が飛躍的に広がったと言えます」と語ってくださった。

では企業が求めるのはどんな女性なのだろうか。

「男 女関係無く当たり前のことですが、仕事のパフォーマンスを上げられる人が求められます。また住宅関連の営業職や証券のカウンターセールスのような、今まで 男性が当たり前だった仕事に女性の職域が広がっています。企業が「女性の視点」を事業運営上、重要視し始めていることの現れです」とのこと。なるほど、 「女性である」ということは、もはやハンデではなく、「売り」だということかもしれない。しかしながら、実際転職を希望すると、面接などで「結婚」や「親 との同居」など、女性ならではの「面倒な質問」に出会うことを懸念する人もいる。

 派遣大手のテンプスタッフ株式会社の方に話を伺うと 「ハラスメントに抵触することは、面接でもストレートには聞いていない企業が多いと思います。特に、結婚している、自宅かどうかは業務には関係ないことな ので聞いていません。しかし、どのような働き方をしたいのか、仕事をどのように捉えているのかを知るために、今後のキャリアや働き方などの一環として、プ ライベートに関係することも聞いていると思います」とのことだった。

「結婚のことを聞くなんて、セクハラだ!」と憤る前に、自分の働き方に対する姿勢を臆することなく伝える技術が必要ということだろう。

では、派遣する立場から見て「この人は紹介しづらい」というようなタイプはあるものだろうか。

「紹介しづらいという方の具体的なエピソードは、思いあたらないのですが、必要な要件として“コミュニケーション力”を挙げたいと思います。“コミュニケーション力”は対人関係だけでなく、物事を的確に捉え、解決する、成果を出すなどにもつながる能力となります」。

 コミュニケーション力というのは、自分で勘違いしている場合も多い。周囲と仲良くできるからといって、その能力に長けているというわけではない。

 最近はあまり厳しくないからと言って、セクシーな服装が好まれない職場もある。ミュール履きなども印象が悪い。役員秘書などお堅い職場なら、なおさら注意が必要だ。質問に質問で返すような答えも、コミュニケーション能力不足とみなされよう。

 それから絶対やっちゃいけないのが「面接のあと、携帯電話で会社の悪口を言っちゃう」という失態。常識で考えれば「それはダメだろう」とわかることだが、ついやってしまいそうなミスではある。

  その場その場の空気を読み、自分が求められていること、やってはいけないことを把握することも“コミュニケーション力”。いくら「売り手市場」といって も、この能力に欠けている人間は「売れない人材」となる。転職を希望する独女たちには、自分を「売れる」人材にするために、まずこの“コミュニケーション 力”を磨くことをお勧めする。

労働力確保へ動き活発

 県内景気が拡大する中、企業の人手不足感が強まり、人材確保の動きを強めている―。日本銀行那覇支店は、県内の雇用動向について、こんなリポート をまとめた。企業は、新卒採用の増加や、非正規から正規雇用への転換など、さまざまな手段を使って労働力確保に努めており、雇用者の所得も緩やかながら増 加すると見通している。曽我野秀彦支店長は「市場メカニズムの中で活発になる競争に企業が対応している結果」と評価している。

 同支店が2日発表した3月の県内企業短期経済観測調査(短観)では、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)はプラス9と、前回調査より10ポイント改善。観光の好調や民間工事の増加で、企業マインドが大幅に改善、全国でも有数の景気拡大地域という。

 雇用人員判断も2005年3月調査以来、2年ぶりに人手不足感が過剰感を上回った。特にホテル業や民間工事が続く建設業では不足感が強いほか、専門技術・資格保有者の採用が困難と指摘。

 企業は人材確保策として、新卒採用増加の動きを強め、リクルート活動開始時期を早めたり、中途採用を幅広い業種で活発化している。託児所や社宅の設置など福利厚生の充実によって職場の魅力を向上させたり、非正規社員を正社員に登用する動きも見られるとしている。

 賃金は、06年の給与(事業所規模30人以上)は前年比1・1%増。家計調査でも実収入は4・8%増と堅調に伸びた。ただ、賃上げは一部に限られており、給与の増加は人手不足を補っている非正規社員の労働時間の増加が要因と分析している。

 先行きは、労働時間延長や正規雇用への切り替えなどから「雇用者所得は緩やかに増加を続ける」と予測。

 正社員化の動きが広がる一方、外部人材を活用する企業も増え、雇用形態は「二極化が緩やかに進む」と分析。さらに、人件費や人材の有効活用するため、成果主義の導入と徹底で、収益率の向上を図る企業が増えてくると予想している。

総合商社、採用拡大・三菱商事と伊藤忠は14年ぶり高水準

 総合商社が好調な業績を背景に相次ぎ採用拡大に動く。2008年度入社の新卒採用では、三菱商事と伊藤忠商事が総合職で1994年度以来、14年ぶりと なる高水準の計画を設定。伊藤忠は一般職の採用も9年ぶりに再開する。中途採用も活発で、三井物産は多様な人材を獲得しようと07年に約30人と過去最多 の採用を見込む。

 08年度入社の新卒採用は、三菱商事が総合職のみで160―180人程度(07年度入社は148人の見込み)、伊藤忠が総合職の約140人(同125 人)と一般職の約20人を計画しており、両社の積極策が特に目立つ。伊藤忠は嘱託や派遣社員では事務業務のノウハウ伝承に限界があるとみて、一般職の採用 再開に踏み切る。

 住友商事も総合職で140人強、一般職で40人強と、07年度入社を上回る数の新卒採用を計画している。

学情とリンクアンドモチベーション、共同事業展開へ

 2日、学生・第二新卒層に就職情報を発信している学情は、モチベーションを軸にした社員教育・研修の実施等を展開するリンクアンドモチベーションとパートナーシップを結び、採用テスト・内定者教育・初期教育市場において共同事業を展開すると発表した。

 両社は、選考・内定辞退の多発を防ぐために、リンクアンドモチベーションが開発した各企業の応募者のモチベーションタイプを診断する手法を用いて、その タイプに応じて企業と求職者が的確なコミュニケーションを行う手法を提示し、内定者のモチベーションを入社まで高く維持することにより、入社後早期での退 職を防ぐための様々な研修プログラムを企画・提案していくという。

 学情独自でも、求職者に対し、学情の新卒向けサイト「学情ナビ」、第二新卒向けサイト「Re就活」、合同企業説明会「就職博」において、就職活動へのモ チベーションを高める講座コンテンツなどを発信したり、各企業を魅力的に見せ、仕事理解を高める会社説明会の企画・運営を企業に提案することも同時に展開 していくとしている。

南銀、採用を大幅増-来年度・200人以上、14年ぶり

   南都銀行(奈良市橋本町、西口広宗頭取)は6日までに平成20年4月入社の新卒採用方針をまとめた。それによると、大学卒を中心に例年120~130人 の採用規模を200人台に大幅に拡大する。200人以上の大量採用は同6年度以来で、初任給も17万4000円(大学新卒)の水準から20万円台に大幅に 引き上げる。

 これは、同行が県内を中心とした地方銀行である一方、隣接の大阪・京都・和歌山・三重の4府県にも進出し広域的な営業展開 を拡大。初任給相場が上がり、人材確保の面でますますメガバンクや都銀、地銀とも競争が激化しており、若手の優秀な人材確保が経営課題となり、さらに店舗 数を拡大していくのにも対応するもの…

5割 来春採用増へ 県内主要56社 本紙調査

 福井新聞社は、県内主要企業56社を対象に実施した2008年春の新卒採用計画のアンケート結果をまとめた。全体の5割にあたる28社が、採用数を「今 春(07年)より増やす」と回答。「今春並み」と答えた企業は23社あり、9割が今春以上の採用を検討していることが分かった。

  今春より増やすと回答した28社の6割が、2倍以上または10人以上の大幅な採用増を計画している。採用を増やす理由は、業務拡大が最も多く15社。「今 春、予定通りの採用ができなかったため」とする企業が2社あった。今春より減らすとしたのは4社、調査時点で未定は1社だった。

 算定可能な56社の08年春採用数を合算すると、1260人(前年並み、未定、若干とした企業、プラスアルファ分は加算せず、幅のある企業は最少人数で計算)。今春の採用実績を23%も上回る。

 改正男女雇用機会均等法の施行もあり、小売業を中心に女性の採用を重視する傾向がある。中には積極的に採用する方針を打ち出しているところもある。また、第二新卒といわれる就職し2、3年でやめた人の積極採用、中途や通年での採用を進める企業も9社あった。

 新卒採用で重視する項目(複数回答)は、「仕事に対する意気込み」が最多の41社。「面接での応対」35社、「協調性」10社、「学生時代の経験(サークル活動など学業以外)」7社の順となった。

学情、リンクアンドモチベーションと内定者教育分野などで共同事業を開始

学情とリンクアンドモチベーションが共同事業を開始
企業と若手求職者のミスマッチを防ぐトータルサービスを展開


  学生・第二新卒層に就職情報を発信している株式会社学情は、モチベーションを軸にした社員教育・研修の実施等を展開する株式会社リンクアンドモチベーショ ン(代表取締役社長:小笹芳央)とパートナーシップを結び、採用テスト・内定者教育・初期教育市場において共同で事業展開していくこととなりました。
 現在、企業の人材獲得競争が過熱化している一方、若年者の早期退職やフリーター・ニートの増加にみられるように、新卒や第二新卒の就業に対するモチベーションの低下が問題視されています。
  学情とリンクアンドモチベーションは、選考・内定辞退の多発を防ぐために、リンクアンドモチベーションが開発した各企業の応募者のモチベーションタイプを 診断する手法を用いて、そのタイプに応じてその企業と求職者が的確なコミュニケーションを行う手法を提示し、内定者のモチベーションを入社まで高く維持す ることにより、入社後早期での退職を防ぐためのさまざまな研修プログラムを企画・提案していきます。
 学情独自でも、求職者に対し、学情の新卒向 けサイト<学情ナビ>、第二新卒向けサイト<Re就活>、合同企業説明会<就職博>において、就職活動へのモチベーションを高める講座コンテンツ等を発信 したり、各企業を魅力的に見せ、仕事理解を高める会社説明会の企画・運営を企業に提案することも同時に展開していきます。

 これによっ て、求職者と企業を情報でつなぐためのメディアにとどまらず、企業を魅力的にかつ理解を高めるセミナーの実施や、企業と求職者のマッチング精度の診断~ミ スマッチを防ぐ教育・研修プログラムの企画・実施など「効率的な募集告知~入社後の戦力化」をトータルに実現するサービス体制を構築いたします。
 激戦の若手人材獲得競争が続く現在、両社の強みを生かし、告知から入社までのトータル提案領域を構築することで、より市場のニーズを的確に捉えた事業を展開いたします。

来春卒業予定の大学生を対象にした就職志望企業の集計結果を発表

大学生の会社選びの動向を明らかにするため、『就職ブランド調査』を実施しております。このたび、2008年3月卒業予定の大学生を対象にした「大学生の就職志望企業」の集計がまとまりましたので、ご報告いたします。


みずほフィナンシャルグループ、銀行人気で第1位に

 銀行人気を受け、みずほフィナンシャルグループが第1位となった。銀行はメガバンクを中心に、おおむね順位を上げている。

 例)三菱東京UFJ銀行6位⇒3位、三井住友銀行13位⇒12位、三菱UFJ信託銀行94位⇒34位、りそなホールディングス95位⇒65位、日本銀行107位⇒90位

 銀行はバブル崩壊時に採用人数を絞った影響で、特に20代後半~30代の人材不足が深刻。
 不良債権問題に代表される金融不安の時代が終わり、新たな金融ビジネスを展開するなど攻めの姿勢に転じるなか、将来的な活躍を見込んだ人材の確保に積極的。昨年に引き続いて大規模な新卒採用を実施している。
 そのような背景のもと、採用数増加により「門戸が広がった」と感じた学生からの支持を集めたもよう。


 業績好調を受け、電機・電子メーカーが上位にランクイン

 業績の好調が目立つ一部電機・電子メーカーへの人気が高まっている。新卒の採用人数を大幅に増やすなど採用活動に力を入れていることや、新商品の発売や新技術の投入などで、メディアでの注目度が上がっていることなども要因と考えられる。

 例)日立製作所5位、松下電器産業10位、キヤノン18位、シャープ30位


 企業選択では「待遇のよさ」や「雇用の安定」が重視される傾向に

 就職活動における企業選択の視点(23項目)については、過去5年間で学生の重視する項目に変化がみられた。
 「自分がやりたい仕事ができる」という項目は例年と変わらず1位であるものの、年を追うごとに重視する度合いが弱まりつつある。その一方で、「給与・福利厚生など待遇がよい」「雇用が安定している」という2つの項目を重視する度合いは、年々強まる傾向にある。

第二新卒の為の転職ノウハウ

[第二新卒の為の転職ノウハウ]第二新卒だからってナメられちゃいけない!明日のビジネスパーソンを目指すなら、会議や打ち合わせで「おっ」と気を引く発言をしてみよう。
近ごろ流行のビジネスキーワードを、濃縮してお届けします!

会議、打ち合わせでとかく出てくるのが「市場」とか「マーケット」というテーマ。
要は「お客さんはどのくらいいるの?」っていうことだ。
そこで最近出てくるのが以下のような聞きなれないコトバたちだ。初めて参加した会議で「えあ?」なんてことにならないよう、しっかり学習しておこう。

[例題]------------------------------------
ロングテールのほうが市場としては大きいですからね。
ニッチですけどユーザーオリエンテッドな志向が高いですし、
結果的にバジェットもウハウハな感じで、ね。
ふふふっ。(意味あり気に微笑む)

怖い先輩

団塊世代の定年により、新卒の採用熱が高まっているのはみなさんご存じだろう。
商社A社は、いま、まさにその状態にある。しかし、熱心な採用活動にもかかわらず、A社の得意分野が非鉄金属・材料という一般になじみの薄い分野であることや、少しばかり古めかしい社名、とかく先入観をもたれがちな同族経営のためか、就活学生から敬遠されてしまっていた。
昨期(今春入社予定)は数十名規模の採用を計画していながら、確保できたのは五割以下(A社人事は、さらなる直前の辞退者出現に怯えている)。現在進行中の新卒採用には、人事のみならず、全社員が積極的に協力するように通知がなされていた。

A社の海外営業のEさん(27歳)は、新卒の採用セミナーにしばしばかり出されていた。Eさんは決してトップの業績を出しているわけではなかったが、声が よく通り、マスクも悪くない。新卒にとって「3~5年後の自分の姿」としてイメージしやすい年齢であり、いいモデル社員だったのだ。
こうした場に呼ばれることは、Eさんとしても本来は光栄なことであるはずだったが、彼はこの役割を任されるようになってから、転職を考えるようになってしまった。

「やってられません」Eさんは額に手をあてて、目を伏せた。「まるで動物園ですよ」
A社が採用しようとしている新人たちの様子を、彼はそう表現してなげいた。
「まあ、そう言わずに。若い頃はみんなそんなものじゃないですか?」
我々はなんとか励まそうとしたが、「まさか」とEさんはクビを振った。
「ボクらの時は氷河期でしたから、危機感が全く違いますよ」

違っているのは、就職に対する意識だけではないはずだ。採用枠が絞られている中、大手ではないにせよ、希望していた商社に就職したEさんは、一般常識・頭の回転・コミュニケーション能力も十分にあったのだろう。大学も有名どころである。
売り手市場になった今、A社が採用している新卒のレベルがグッと落ちていると感じてしまうのもムリはない。
「後輩があのレベルだっていうなら、自分はもっと上に行けそうな気がするんです」
こうして彼の転職活動は始まった。

転職動機を聞かれるとEさんは
「去年から新卒採用のサポートを頼まれるようになり、そこで若い人たちと接していろいろと触発されました。今の自分にどこまで出来るのだろうと考え、転職に取り組む決心をしました」
と、当たり障りのない上手な言い回しを披露していたが、ある企業の二次面接で、かなり打ち解けた雰囲気になり、相手企業の人事部長はEさんに愚痴を漏らしはじめた。

「いやあ、Eさんみたいな採用に関わったことのある営業が入ってくれると助かるよ。なにせ新卒は売り手市場でしょ。新人の教育でみんな手一杯。現場には手伝ってもらえない。人事はてんてこまいだ」 どこも同じなんだなあと苦笑したEさんに、部長はこんなセリフを付け加えた。
「しかし、最初のうちはともかく、今の新人はどこまで伸びていくかねえ。人数が多いから、何人か這い上がってくると思うけど、ヘタをすると、少し上の世代がずっと頭を抑えているということにもなりかねないよ」

何事も表があれば裏がある。言われてみれば、下のレベルが低くくて抜かれる心配がないというのはメリットかもしれない。いや、それだけではない。育てるのが大変というマイナス面も、ウラをかえせば自分のマネージメントスキルを磨くには絶好のチャンスとも言える。
もともと、EさんはA社の仕事は気に入っていた。それをここで辞めるのは本当にプラスなのか…。

考え抜いた末、EさんはA社に留まることにした。ただ、新卒に対するイライラは消えていない。転職活動休止の連絡で、Eさんは「鬼軍曹となってビシビシやっていくつもりです。でないと、やってられませんから。連中、いい気になりすぎですよ」と、声を低くしていた

人材不足は多くの企業で起きていること。おそらく、Eさんのように思っている人は少なくないはずだ。
「就職活動が楽で良かった」と思っている学生諸君、そんなに世の中あまくない。入社後、飛びきり優秀でコワい先輩が、手ぐすね引いて待っているかもしれないのだ。

ヤフー、KDDIなどIT、通信業の従業員急増

“労働力確保”に向け、企業の動きが急だ。「正社員」、「臨時従業員」など主要企業の「従業員数」の動きをデータにより検証する


 わが国の「雇用」に大きな変化のうねりが出てきた。このうねりは日を追うごとに大きく、本格的なものになりつつある。なかでも企業からみて最も切実なのは、経営に待ったなしの影響を与える「労働力不足」への対応である。
  「小売業などでパートの正社員化」、「製造業でも非正社員1000人規模の正社員化」、「過去最高の転職者数」、「生保・銀行などで子育て主婦の正社員化」、「新卒学生の争奪戦激化」等々、2006年あたりから労働力確保を目的にした企業の対応が急だ。
  そこで今回では、「東洋経済・第2回CSR企業調査」で回答のあった主要900社のデータを用いて、各社の従業員増減状況をみる。なお従業員数データは有 価証券報告書ベースで、表中04年は05年3月末時点、05年は06年3月末時点(年度ベース)の数値である。比較期間は1年間と短期だが、それでも企業 の雇用逼迫感は顕著に読み取れる。次ページの増加数上位ランキングからも分かるように、上位を中心に従業員を大きく増やしている企業が目立つ。(※)

増加数、増加率ともに急伸

 まず「女子の従業員増加数上位50社」からみよう。トップのユニー(768人増)と2位のリンガーハット(650人増)の2社の増加数が目立っている。 これは両社が、「従業員中にパートを含む」(ユニー)、「正社員以外の社員を含む」(リンガーハット)ベースで「従業員数」を公表しているためだ。4位以 下では、増加数400人を超えるのは全日本空輸、同200人台が日本医療事務センター、日本興亜損害保険(非正社員含む)、KDDI、三井物産、同100 人台ではトヨタ自動車、ヤフー、マツダ、オムロン、積水ハウス、住友信託銀行等となった。
  この間の「増加率」ではどうか。突出しているのはヤフーで46.3%と著増。04年に400人だった女子従業員は05年には585人に拡大した(男子も 49.0%増)。IT業界の人手不足がいかに深刻な状況かを物語る数字だ。他にはオムロン17.4%増、三井物産15.1%増、マツダ13.1%増、 KDDIの12.9%増などが目立つ。
  つぎに「男子の増加数」をみよう。KDDIとトヨタ自動車の2社は、1年間の増加数が1000人の大台を大きく超えている。特に、携帯電話「au」のシェ アが2位で新規契約が好調のKDDIは、1年間に男子だけで1598人も増加、「増加率」も23.9%と高い。ここにもIT・通信業界の人材獲得への意欲 と活発な取り組みが如実に出ている。
  増加数500人以上の企業には、マツダ762人、ダイハツ712人、東芝709人、オムロン629人、住生活グループ624人、セイコーエプソン596 人、日本精工581人、三菱電機567人などがある。また、「増加率」ではヤフー、KDDIのほか、上位ではエイブル21.6%増、オムロン19.3% 増、日本精工16.7%増、住友電装15.8%増などが目立つ。

スーパー、外食、自動車で「臨時」増大

 現在、パートや派遣などいわゆる「非正規雇用者」の数は、全雇用者の33.0%にまで達している(06年、総務省「労働力調査」)。それでは企業ごとの 実態はどうなっているのか。「CSR調査」で回答のあった企業について、有価証券報告者ベースの「臨時雇用者数(男女合計)」のデータからその現状をみよ う。
  「臨時雇用者数」の多い企業トップ3は、イオン(5万8127人)、イトーヨーカ堂(3万4667人)、ダイエー(2万7073人)の大手総合スーパー3 社。これに三井不動産(1万3826人)、オリエンタルランド(1万2668人)、モンテローザ(1万1873人)、トヨタ自動車(1万1100人)、日 本医療事務センター(9869人)、ワタミ(9795人)などが続く。スーパー、外食、サービス、自動車・電機関連メーカー、保険などの大手が中心だ。
  1年間の増加数でみると、増加数が2000人を超えるのはイオン(3263人)とワタミ(2704人)の2社、以下、コカ・コーラ セントラルジャパン(1678人)、デンソー(1501人)、豊田自動織機(1261人)、キヤノン(1177人)、トヨタ車体(1138人)、セブンイ レブン・ジャパン(1051人)、キーコーヒー(956人)、スズキ(862人)などが上位にある。増加数で上位にあり、さらに増加率の伸びも著しいの は、キーコーヒー(3.5倍)、住友ゴム工業(75%)、スズキ(64%)、豊田自動織機(46%)、トヨタ車体(41%)などで、トヨタ関連各社の拡大 ぶりが目立つ。

三井物産は女子200人増加

 3~4ページには主要203社の男女従業員の増減状況を掲載した。業種別、男女別に見た増減とその規模にはかなりバラツキがみられ、減少企業も多い。同 一業種内でも顕著に出ている業績格差、これまで実施してきたリストラ進捗度、男女別の雇用戦略およびその変化などによって、各社の動きは一様ではない。
  たとえば積水ハウスでは、女子が147人増加したのに対し、男子は逆に238人減少した。またJTは女子が400人、男子は869人とそれぞれ減少(臨時 従業員は05年1285人で前年比28人増とほぼ変わらず)、新日本製鐵は男子145人増に対して女子は14人減、神戸製綱所も男子266人増だが女子は 18人減。一方、大手商社では三井物産の女子200人増がひときわ目立っている(男子は68名減)。

米調査報告、男女賃金格差明らかに

  全米大学協会(AAU)女性教育基金の調査報告によると、米社会で働く女性の平均給料は男性の80%でしかないという。また新卒後10年経過した時点では賃金格差がさらに拡大し、女性の平均給料は同年代男性給料の69%にしか満たなくなるという。

 労働時間や職種の分類、配偶者手当てその他男女収入格差に影響する要因を分類して取り除いたとしても、調査結果で判明した男女賃金格差には理論上説明できない部分があるという。女性教育基金によると、賃金格差要因の一部は「女性差別」にある可能性が高いという。

 今回調査を行ったAAU女性教育基金ディレクターのキャサリン・ヒル氏によると、「男女賃金格差の要因の一部は雇用者が女性に対し、子どもを産んだら退 職してしまうことを初めから考慮に入れた上で賃金を支払っていることにある」という。そのため、あえて雇用者が女性を昇進させようとしないのだという。

 また同調査結果では女性の学歴が就職後の賃金にあまりよく反映されていない事も明らかになった。米大学では科学、数学分野含め、女子学生の成績平均の方 が男子学生の成績平均よりもわずかに上回っていることが調査結果により示されている。しかしながら今回の調査結果では、名門大学を卒業した女性の収入は、 地方のマイナーな大学を卒業した男性の収入と同程度であることが示された。ヒル氏は調査結果から「女性が高学歴を得たということだけでは、男女の賃金格差 問題は解決されない」と述べた。

情報を活用しよう

 いま、雑誌・折り込みチラシ・Webサイト・人材紹介会社・公的機関に、求人情報はあふれんばかりです。ぜひ、この情報を十分に活用してください。

・ハローワークの活用

 ハローワークの求人情報はネットで検索することもできますが、企業名がすべてオープンになってはいません。また検索画面の設定が地域に限定されていますので、隣接地域の情報は検索しづらいという欠点があります。

  例えば埼玉在住で東京も視野に入れている人などは、それぞれの自治体が提供する「就職サポートセンター」というハローワークの大規模版の就職関連施設を利 用する方が幅広く情報を集めることが可能です。ハローワークの機関である人材銀行や、若年者対象の施設と隣接していることも多いので、一度足を運んでみる のもよいでしょう。もちろん就業中の利用も可能です。

 ハローワークの求人検索は設定が細かいため、自分の年齢や希望 を詳細に入力するとマッチする情報が極端に少なくなります。逆に条件を少し広くすると急に件数が膨大になります。最初は広く(年齢の幅を広げるなど)、そ の後一覧を見ながら絞るというのが、関連情報も含めて見ることができる方法です。

・こだわり検索

 自分のこれからのキャリアプランが明確である人には、検索エンジンでの「こだわり検索」をお勧めします。例えば経験したい仕事のカテゴリーが決まっているときなどは、そのキーワードや業務内容から検索してみましょう。

 具体的にどんな企業がどんな仕事をしているかについては、業界新聞や雑誌・各企業のニュースリリースなどからも情報を得られます。

 企業のページからはリンクをたどり、関連会社を調べてみましょう。またライバル企業・同業の上位企業・その子会社なども調べていきます。求人媒体には出していなくても、自社のWebサイトに採用情報を載せている企業もたくさんあります。

  また、これは裏技的なところがあるのですが、人材紹介会社のWebサイトで社名を伏せている求人情報でも、同業界の人が見ると本社所在地や業務内容でどこ の求人か分かってしまうことがあります。その会社には求人があるということです。人材紹介会社を通して応募するのが通常ですが、社名が分かるなら直接連絡 をしてみてもいいのではないかと思います。

・人材紹介会社を活用する

  人材紹介会社は多くの情報を持っています。1社だけでなく、数社に登録をして情報を集めるのがよいでしょう。経験とスキルのマッチングを具体的に行ってく れますし、カウンセラーもいます。自分に合った案件を紹介してくれる会社を選び、信頼できるアドバイザーを得ることも活用方法の1つです。

求人がないところに応募できるか

 転職を考えて、ハローワークに行ったりいろいろな雑誌・Webサイトを見たりしているのに、「なかなかこれという求人がない」「自分に合っているものがない」。これも多く目にする心配ごとです。

 ポジティブな転職では自分の目指すものがあるわけですから、かえってその希望と求人を一致させることは難しくなるはず。自分のイメージが先行することもあるでしょう。

 もし気になる企業や扱いたい案件を持っている企業があるのなら、ぜひそこには自分からアプローチをしましょう。メールを送る、応募以前に会ってもらうなどで興味を伝え、機会をつくり出すことが大切です。潜在求人を意欲で掘り起こしましょう。

 納得のいく転職ができたという人のお話を聞くと、そのきっかけは本当にさまざま。転職の自分スタイルをつくることこそが、成功への近道といえるようです。

第二新卒? 経験者?

 Webサイトの募集広告を見ていると、最近第二新卒という募集が多くなっています。新入社員の3割以上が3年以内に退職するといわれる昨今ですか ら、増えているのも当然ですが、そもそも第二新卒を決定するものとは何でしょう。新入社員研修を受けているかということ? 社会人経験があるかということ?

 「第二新卒募集」の場合、求められているのは、一から手を掛けなくても仕事に取り掛 かってくれる人。学生という意識から離れて社会人として仕事をしたことがあるかどうかが決め手となります。具体的な経験やスキルがあるかどうかや、正社員 経験があるかどうかではなく、短い期間でも社会人としてきちんと仕事に向き合っていたということが伝わればいいということですね。

  また、就業経験のある人でも新卒への応募ができる場合があります。企業の求人をよく見ると、新卒の募集でも、その年度に卒業見込みの人に限定していないこ とがあります。募集対象が生年月日で示されたり、卒業後2年以内なら新卒だったりすることがあるのです。一度働いたからといって新卒に応募できないと決 まったわけではないのです。

 中途採用は経験者採用ばかりと思っている人も多いのですが、Webサイトの中途採用案件を見てみると、未経験歓迎としている案件がたくさんあります。特定の企業の色に染まっていない人材をポテンシャル採用したい企業も多く存在するのです。

  団塊の世代の退職時期を迎える昨今、経験者募集として細かく応募条件を挙げている募集をよく見るようになりました。ここでのポイントは経験の内容が「細か く」書かれているということです。細かく何行にもわたって書かれているということは、マストな条件もあるけれど、それ以外でも転用できるスキルを持ってい る人なら会いたいという気持ちの表れでもあります。じっくり読み込まれることをお勧めします。

転職に決まったやり方はない

 キャリア相談においでになる20代前半の、特にIT関連を志向する人から、こんなお話をよく聞きます。「経験者採用ばかりで自分は応募できない」 「自分は第二新卒で応募しなければいけないのか」「(求人サイトには)会社も仕事もいっぱいありそうだけれど、自分は募集対象者か」。

 それぞれ状況が違うので、自分が応募できるのか、募集企業の条件に当てはまるのかは気になるところだと思います。

 しかし中途採用の場合、応募できる・できないという制限はかなりあいまいです。「経験者採用」とされている場合も、実際に問い合わせると意外と「大丈夫です!」とか「まずはお話を伺って」となることが多いのです。

 とすると、求人を見て迷いすぎてしまう人は、実は自分で応募条件や経験のレベルを設定してしまっていることになるのではないでしょうか。自らチャンスを限定してしまっているともいえます。

 転職には本来「決まったやり方はない!」のです。自ら道を切り開いてチャンスを引き寄せるものだと思って、果敢にチャレンジすることをお勧めします。何をもって経験といっているのか、まずは聞いてみる。そしてそれを応募の過程ですり合わせていくこともできるのです。

現地化を加速させる日系企業-人材獲得市場でいま何が起きているのか?

中国市場における競争力向上の課題のトップに「人材育成・スタッフの強化」を挙げる企業が8割を超えてい る。進出企業が内販に軸足を移すなか、激変する市場ニーズに適合したいち早い製品開発を推進し、厳しさ増す市場開拓競争の要に現地の人材・スタッフの育成 が緊急の課題とする企業側の危機感が見て取れる。様々な要因から現地化が進まない日系企業。今、人材を獲得・育成あるいは企業研修の場で一体何が起きてい るのか-?

主要企業百九社を対象にした二〇〇八年春の新卒採用計画のアンケート結果

 共同通信社は二十四日、主要企業百九社を対象にした二〇〇八年春の新卒採用計画のアンケート結果をまとめた。〇七年春よりも採用を増やす企業は五 十社と約46%を占めた。〇七年春と同水準と回答した企業も四十二社あり、全体の約84%が前年並み以上の採用を計画している。

 厳しい競争を続ける電機、自動車など製造業では、技術系の採用に意欲的な会社が多く、先端分野の人材確保を重視する姿勢が一段と鮮明になった。業績好調に加え、退職する団塊世代の補充を迫られていることも採用規模が膨らむ要因であり、学生優位の就職戦線になりそうだ。

 各企業は採用拡大について「団塊世代の後継者を育てるため」(機械)、「将来に備えた優秀な若手層の確保」(電機)、「国際的な事業拡大への対応」(自動車)などと説明している。

は、東芝が九百五十人(〇七年春は千七十人)と高水準を維持。三菱重工業は六百三十人(四百九十二人)、ホン ダはトヨタ自動車の六百八十人を上回る七百人(六百十人)を計画。液晶テレビが好調なシャープも四百人(二百五十人)に拡大する。増産が続くトヨタ、キヤ ノンは高卒採用も増やす。事務系の採用は旭化成、シャープなどが拡大する考えを示した。

 金融では、三井住友銀行が〇七年春より百七十五人多い千六百人を採用。このうち幹部行員を目指す総合職は六百人とした。日本生命保険は一般職の採用を五百六十人から七百人に増やし営業を強化する。

 採用を減らすと答えたのは六社、未定や無回答は十一社だった。

 アンケートは二月末から三月中旬にかけて実施。具体的な採用数が固まっていない企業にも「増やす」「減らす」などの方針を聞いた。

静岡県西部の企業、新卒採用を拡大・生産現場を中心に不足感

 スズキ、ヤマハなど静岡県西部の大手メーカーが来春の新卒採用を大幅に増やす。研究開発にたずさわる技術職や生産現場で働く技能職を中心に高水準の採用 を計画。工場建設や生産拡大で人手不足のうえ、団塊の世代の退職者が増えて戦力の低下が見込まれているためだ。当面、人材争奪戦が続きそうだ。

 ヤマハは今春に比べて16人多い147人に増やす。主に生産現場で働く人材として高卒を確保する。今春は35人だった高卒採用を来春は50人以上採用するとみられる。河合楽器製作所も技術系や生産現場で働く社員を中心に今春の50人よりも増やす。

 08年に静岡県牧之原市で自動車組み立て工場を稼働させるスズキは来春、1989年以来19年ぶりに1000人超を目指す。技術職を約 1.5倍の460人に引き上げる。生産現場で働く技能職も05年春に160人にとどまっていたが、来春は3年連続で400人以上の高水準を維持するとみら れる。ヤマハ発動機は技術・生産系を27人増の135人に引き上げて、全体でも285人まで拡大する。

新卒500万人!中国で就活向け300円ホテル繁盛

中国の新卒大生が史上最高の500万人近くに達し、就職難がさらに悪化するため就職活動向け簡易ベッドホテル が上海などで相次いで開業して大繁盛している。ビルの一室にカイコ棚式ベッドを並べただけのホテルは1泊150~300円ほど。学生らは繁栄する都市での 生活に固執して昼は企業説明会、夜はインターネットで職探しを続け、1カ月以上の滞在者も出ている。

  「職達求職旅行社」は昨年8月、急増する地方大学生による就職活動に目をつけ、上海南駅前の古いビルを買い取り部屋に2段ベッドを並べただけの簡易ホテル を開業した。20平方メートルほどの一室に8つのベッドが詰め込まれ、まさに寝るだけ。1泊20元(約300円)で200人収容のベッドは連日満杯状態、 1カ月前でも予約が難しくなっている。

 昨年秋には、取りつぶし寸前の古いホテルも買い取って同様の学生ホテルを開業、こちらも収容可能な150人以上の学生で連日満室となり、4月にはさらに2カ所を臨時開業する。同社はこのほか北京、西安などでも同様のホテルを開く。

  就職活動の地方大学生を相手にした安宿商売は2年前ぐらいから広州や上海で散見されるようになり、小規模の学生宿だと今も1泊10元(約150円)で泊ま れる。しかし、ベッドの衛生状態が悪く、長期滞在する学生は1日1食3元で過ごし、しかも就職先が見つからないため精神的に参ってしまう学生も見られると いう。

 中国経済は過去4年連続で2けたの成長率を誇っているが、急増する大卒生の就職率が悪化して いる。生産現場で作業に携わる単純労働は多数あるが、大卒生を対象とした事務職の仕事は数少ない。田成平・労働社会保障相は全国人民代表大会(全人代、国 会に相当)開会中に記者会見を開き、「昨年からの失業大卒生と今年の新卒生合わせて600万人が厳しい就職競争に挑む。できるだけ地方での就職を目指して ほしい」と、異例の呼びかけを行った。

 中国の高等(大学)教育の卒業生は2001年(114万人)以降一気に増加、昨年が413万人で今年は495万人以上が卒業する。

新卒採用は「できる人」より「気が合う人」

4月を目前にして、大学生の就職活動も活発になってきました。我が社も先々月から積極的に新卒向けセミナーを開催しています。それで感じるのは、中 小企業にとって、昨年とは打って変わって、新卒の採用が難しくなっていることです。これまで新卒採用を手控えていた大企業が、今年は大きく門戸を開いてい る。学生の多くは「寄らば大樹の陰」と大企業に流れる。当然、われわれ中小企業はそのおこぼれを拾わざるを得ない。

もう一つ感じるのは、学生の意識の温度差です。去年の学生にはあった危機感やハングリーさが今年の学生には少ない。格段に就職しやすくなっている状況がある以上、ある程度は仕方のないことかもしれません。

我が社は、この3年間で28人の新卒社員を採用しました。そのうち、辞めた社員はたった1人です。今や中小企業でも、一人当たりの採用コストは数十 万円、時には100万円を超すことだって珍しくないご時世です。我が社は、採用には苦労するが、内定者のフォローは充分にできている。どうしてそんなこと が可能なのか? それは我が社が「社長のわたしと価値観が共有できる人」をポリシーに採用しているからです。

新卒の能力や資質を軽視するわけではないが、それは二の次です。とにかく価値観が合うことを最重要項目にして採用するから辞めない。人間にとって、どんなに高級で安定した企業であっても、自分の価値観と合わない職場で働くことほど苦痛なことはありません。

「3年で辞める新卒」コンサルが歯止め 採用時に適正探る

 大半の大企業で4月中に内定者が固まるとみられる2008年度の新卒者採用戦線は、大卒者求人総数がピークだったバブル期を超えると見込まれ、07年度 以上に「売り手市場」の展開が強まっている。半面、「入社3年で3割が辞める」とされる早期退職の傾向は一向に衰えず、採用人員の確保と合わせ、企業の人 事担当者が頭を痛めている。こうした悩みの解消を狙いに、若手社員の定着率を高めるビジネスが相次いできた。

 組織変革・コンサルティングのリンクアンドモチベーション(東京都中央区)は今年1月、就職希望の新卒者を対象にビジネスパーソンとしての基礎 能力が適正かを診断する商品を発売した。企業が採用時に実施するテストは、学生の学力や知識に偏った内容がほとんどだった。ただ、企業側に入社後、実際に 業務面で活躍できる人材かを判断できるツールの要求が強く、新商品の開発に踏み切った。

 提供する「ビジネスポテンシャル(基礎能力)測定テスト『WRINKLE(リンクル)』」は、業務遂行上求められる「数字の持つ意味」などを読み取る『合理力』と、取引相手や商談の状況などを「空気を読む」ように把握できる『情理力』という二つの切り口で測定する。

 同社はすでに、個人が働くうえの目的や考え方といったモチベーション(動機付け)と、異なった業種、企業でもビジネスパーソンとして共通して備 えるべき能力を測定する「BRIDGE(ブリッジ)」を商品化しており、リンクルとセットしたビジネス適性検査「Business Aptitude  Test(BAT)」を、初年度の07年度で2万5000人に実施する計画だ。

 中小企業向けの経営コンサルティング事業を展開するワイキューブ(東京都新宿区)は、社員の定着率を高める目的で、上司と部下の相性度を判断し、潜在的な退職理由を把握できるツールを開発し、今月から企業向けに提供を始めた。

 企業の組織風土を把握し、採用時の応募者をひきつけるツールとして開発した「Group Capacity Survey(グループ キャパシティ サーベイ)」をリニューアルし、離職の“芽”を早い段階から摘み取り、適材適所の人材配置につなげることを狙った。

 若手社員の早期退職の増加は、若年層の就職に対する価値観の変化もあるものの、多くは実際の業務と期待感のギャップが大きい、いわゆるミスマッチが原因となるケースが多い。同時に、職場の人間関係も大きな要因となっている。

 とりわけ、団塊の世代が大量に退職する「07年問題」と景気拡大を背景に、大企業を中心に、企業側がやみくもに新卒者争奪戦に走る傾向が強まる状況で、就業のミスマッチがバブル当時の大量離脱を再び引き起こす可能性も残る。

 この点、リンクアンドモチベーションの榊原清孝取締役は学生側の「入社前の理解不足」を指摘する。その意味で、「就職氷河期」から完全な「売り 手市場」に180度転換し、企業側にこれまでの「学生を選ぶ」姿勢が通用しなくなったいま、人材の確保とミスマッチによる早期離職を防ぐには「企業と学生 の“相互理解”、“相思相愛”の関係が一段と必要になる」(榊原氏)。

 採用時に学力、知識の水準で判断する従来型のツールだけに人材の診断を頼っていてはミスマッチは避けられない。しかも、企業は入社後の成果を期待する流れを一段と強めており、新卒者の仕事への適性度と、若年層をつなぎ止める診断ビジネスが一躍脚光を浴びてきた。

新卒採用「増やす」は48%・新潟県内主要企業採用計画

 日本経済新聞社がまとめた新潟県内主要企業の採用計画によると、2008年春の新卒採用人数を今春実績より「増やす」と答えた企業が全体の48%に達し た。退職者の増加やベテランに偏った人員構成の見直しを理由に挙げる企業が目立つ。県内は景気回復の動きに一服感が出ているものの生産活動は高水準を維持 しており、食品を中心とした製造業や金融機関で積極姿勢が目立つ。

 調査は3月中旬から4月初頭に実施し、94社から回答を得た。採用傾向では「増やす」と答えた企業が45社で最多。41社が「変わらない」方針で、今春実績より減らすと答えた企業は7社にとどまった。傾向も含め未定としたのは1社だった。

 増やす理由を複数回答で尋ねたところ「退職者の増加」(23社)、「人員構成のゆがみを正す」(18社)といった年齢構成の見直しが上位に並んだ。

建設会社への新入社員、今春は30人余

県建設業協会に加入する313社に今春入社した新入社員は、高卒、大卒合わせて30数人にとどまったことが同協会の調べで分かった。

公共工事の減少などによる建設不況で、各社とも新卒の採用を控えているとみられる。

協会によると、県内の建設業界の新卒採用は平成7年がピークで、約300人の採用があった。

それ以降、新卒の採用は年々減少傾向をたどり、ここ4、5年は県内全体で毎年40人以下となっている。

採用を控えている背景には、各社とも公共工事の受注減などで経営が悪化している事情がある。

人件費を抑えるため、新卒者の代わりに定年退職した社員を再雇用する会社も増えているという。

新卒者の内定率上昇 景気回復波及か

 長崎労働局は二十日、県内の高校、大学新卒者の就職内定状況を発表した。三月末現在で高卒者は93・7%(前年同期比1・2ポイント増)、大卒者は 91・6%(同0・4ポイント増)といずれも前年を上回った。同局職業安定課は「二〇〇七年は団塊世代が大量退職するため高卒者は製造業で求人が増えた。 県内求人も増加し、景気回復が波及してきたようだ」としている。

 新規高卒者の就職内定率は四年連続で上昇し、一九九八年三月(94・2%)以来の高水準。県内希望者の就職内定率は87・7%(前年同期比1・3ポイン ト増)、県外希望者は99・1%(同0・6ポイント増)と改善。県内企業の求人数も二千七百二人(同9・8%増)だった。

 新規大卒者の就職内定率も七年連続上昇し、九三年五月(93・6%)以来の高水準。就職内定率を県内外別でみると、県内希望者は93・0%(前年同期比 3・5ポイント増)、県外希望者は90・8%(同1・5ポイント減)。県内企業の求人数は三千百七十一人(同15・4%増)。

 業種別求人状況は、新規高卒者では製造業が最多で、次いでサービス業、卸・小売業-など。新規大卒者では医療福祉が最多で、金融業が続く。

 同課は「内定率はピーク時の水準には届かないが、上がってきた。特に高卒求人は造船業が目立ち、熟練工が大量退職する二〇〇七年問題の影響が大きい。今後も、さらに企業、団体に対する求人要請や求人開拓の強化を図りたい」としている。

3割の企業が初任給アップ 新卒採用の活発化を反映

 財団法人・労務行政研究所(東京)が20日まとめた2007年度の新入社員の初任給調査によると、大学や高校などすべての学卒者を対象に引き上げ た企業は前年度比9・3ポイント増え、29・5%となった。同研究所は「業績好調や団塊の世代の退職を背景にした新卒採用の活発化を反映した」と分析して いる。

 全学歴で初任給を据え置いた企業は前年度比8・9ポイント減の、63・6%。一部据え置きは6・9%だった。全学歴で据え置いた企業は、02年度から4年間、91-96%台で高止まりしていたが、大きく低下した。

 初任給の平均額は、大卒で前年度比0・5%増の20万2410円、短大卒が0・4%増の17万1383円、高校卒は0・4%増の16万1139円。いずれの上昇率も、1990年代後半とほぼ同じ水準まで回復している。

 調査は東証1部上場企業と、生命保険や出版など未上場の大手企業を対象に実施

来春の新卒採用、「内々定出した」7割・日経調査

 来春入社の新卒採用で主要企業の約7割が事実上の「内定」となる「内々定」をすでに出していることが、日本経済新聞社の「採用活動に関する緊急アンケー ト」で分かった。調査に応じた43社のうち28社が「内々定を一部出した」、2社が「ほとんど出した」と回答。4割の企業が5月末までに内々定を出し終え る予定だ。人材不足を背景に採用活動が短期決戦になっている様子が浮き彫りになった。

37年間イエ男くんが一人暮らしに踏み切った!

「単純に親離れ出来てなかったと思ったんですよね。実家にいる時は毎月8万円入れてたし、収入もあるから生活的な部分では独立してたんですけど、家事全般はやってもらってた訳だから、気持ち的に親離れ出来てないなって」

37歳という、一般的に見ればかなり遅いタイミングで一人暮らしデビューを果たしたH氏。彼はなぜ、37年間暮らした実家を離れ、一人暮らしという道を選んだのだろうか。

「何 かキッカケがあった訳じゃないし、このタイミングじゃなくても良かったんですけど、同世代の人間は結婚したり、子供がいたりする訳じゃないですか。同世代 と自分を比較したら「“もう(家を出て)いいだろ! このままじゃまずいだろ!”って自分的にしびれを切らしたというか」」

原因となった事件があったのではなく、極私的な「思い」が彼の一人暮らしの道を拓いた。

「単 純に自由になった気がありますね。・・・まあ色々あるじゃないですか、親と一緒だと気を遣う部分が(笑)。女の子を自宅に引っ張り込むわけにも行かない し。それに、干渉されているわけじゃないけど、風呂に入る時間に気を使ったり、家事の手伝いの参加だったり、家族と共有しなければいけないタイム・スケ ジュールがあるし、生活のサイクルもある程度合わせなければいけないところもある。だけど、今は自分のペースで時間をコントロール出来る自由を謳歌してい ます」

自分の思い通りに時間を過ごせるとなると、特に男の一人暮らしの場合、生活がかなりグダグダになってしまいそうなのだが。特に彼はフリーランスの文筆家なので、その危険性はかなり高かったはずだ。しかし、意外にも規律正しい生活をしているそうだ。

「生活時間がグダグダになるのは嫌なんですよね。無理矢理でも起きて自分を律してないと。極力生活サイクルは守ろうとしてますね。特に家事を苦痛に思う事もないし、家事全般それなりにやってますよ」

ではなぜ、自由な環境に置かれたのにもかかわらず、彼は自分を律するのだろうか。そこには自分に対する挑戦の意味合いもあるようだ。

「家 を出る前から『俺はなんか歪んでるな……』って思ってた。その要因の一つは自分で自分の生活全てをコントロールしなくて良い、実家暮らしをしているからな のかなと、何となく思ってたんです。家を出たことは、経験の一つとしてすごく重要な経験をしてると思ってますよ。家を出ようと思ったのは、自分の人間力を 高めたいからという気持ちもあったんですよね。人間力を高める為には一人暮らしの一つでもしておかないと、自分の歪みに気が付けないっていうか」

口調は切実ではなかったが、自活という経験を通して、彼は新たなステージを模索しているのだろう。そこには、ある意味ロマンさえ感じる。では、男の一人暮らし最大のロマン(と思いたい)女性関係はどうだろう。実家暮らしよりも好調なのだろうか。

「悲 しい事にあんまり無い・・・。ただ、人を家に呼ぶのも楽だから、人間関係は濃くなった気がしますね。それはメリットだと思う。ただ、お金はそれなりにある けど、安定した仕事じゃないから結婚も色々考えると現実的に出来ないと思うし、相手も居ないし・・・希望無いなあ、こうなると後はズルズル朽ち果てるのみ でしょ。それか世の中ひっくり返すか!」ムム、訊かなきゃ良かった!

家業手伝い 印刷屋のボンクラジュニア ゴルフ三昧の週末

浅草寺のお膝元、生粋の江戸っ子が住む下町に、「趣味はゴルフ。週末はゴルフ三昧」のイエ男くんが住んでいるという噂を聞きつけ、早速訪ねてみた。築50 年はゆうに越えている自宅兼印刷工場の中から出てきた田中誠二(仮名)さん(46)。生まれたときから実家に住んでいる。弟が二人いるが、両方ともとうの 昔に結婚してそれぞれ独立。本人曰く「母が高齢ということもあるが、今後、家を出る気はまったくない」という。

「仕 事を終えて階段を登ればすぐ自宅。朝起きて、階段を下りればすぐ職場。子どもの頃から一階の工場で仕事をするオヤジの後姿を見て育ったから、家を出て外に 住むなんていう発想が最初からなかった」と田中さん。工場内では各種印刷機が勢いよく回転し、さまざまな注文に応じて、印刷物を仕上げている。完成品を梱 包しているお母様の横で、インクの調整や紙の交換するのが主な仕事。数年前にお父様が亡くなるまでは昼間は営業に出でいることが多かったとのこと。

「今は生活費を15万円ほど母に渡していますが、オヤジが生きていた頃は特にお金は家に入れていなかった。これと言って生活費もかからないし家賃を払う必要もないから、給料のほとんどが小遣いでした。同年代の妻帯者と飲みに行くと、うらやましがられましたよ」

そんな田中さんの貯金額は「1000万円前後を行ったり来たり」らしい。ここ数年はゴルフ用品、車を買い替えるときの資金に使っていたが、今年は、最近自宅の中の段差が辛いと母が言うので、家のリフォームに貯金を使う予定なのだそうだ。

田 中さんの趣味は高校生の頃から始めたゴルフ。接待や残業がない限り、毎日、仕事終了と同時に練習場に愛車でダッシュ。200~400発打ち込んだ後、サウ ナで休憩。自宅近くに戻った後、近所で一杯ひっかけて帰宅という日々。その甲斐あってか、腕前はプロ一歩手前だそう。実は、練習場では女性ファンに囲まれ てモテモテらしい。また、車も趣味で、若い頃からHONDA一直線。プライベートではレジェントを所有。仕事ではオデッセイで営業・配達に出かけている。

「女 性に興味がないわけじゃないんです。むしろ、好きなほうですよ。30代半ばまでは結婚して家を出ようと思った時期もありましたが、儲かっていた頃にフーゾ ク三昧の毎日を送っていたからか、タイミングを逸してしまった感じがします。また、長男で家業を継いでいるということがネックなのか、ちょっと仲良くなっ たガールフレンドを自宅に連れて来ようものなら、親がすぐに結婚を意識しすぎてしまい、うまくいかなかった。結婚して家を出ていった弟が正直うらやましい ですね。ただ、若くして結婚・独立した弟夫婦に子どもが恵まれず、自分も結婚していないので孫の顔を見せることができない。そのあたりでは、母には申し訳 ないという気持ちもあります。」

「町内会のゴルフ仲間は、ほとんどが長男・家業を継いでいる・独身で親と同居」だそう。飲み会や青年会でも、話しが合うのかイエ男くん同士で固まる傾向が あるそうだ。田中さんは、「ぼくらは典型的なボンクラジュニア世代。お金には不自由しないものの、投資や株には興味無し。意外に現実的な割には大それた夢 もない。ある意味、時代に取り残されたイエ男くんなのかもしれませんね」と分析してくれた。

これぞ息子の鏡!? 一家の大黒柱の立派なイエ男くん

 部屋に広がるのは、ヒーローからアニメ、アイドルグッズの山…。まさに“イエ男クン=マニア”というイメージ通りのユウジさんのお部屋。

ヒーローに目覚めた3歳から収集を集めたというお宝の数々に投資した金額は「だいたい500万円ぐらいかな」という。しかし現在はプレミアがついた希少性のあるグッズも多いため「価値的には総額2000万円ぐらいすると思う」。

 そんなマニアぶりを生かして、現在はライターとして活躍するユウジさん。「アイドルは趣味でなく仕事の吸収なので趣味には入れていません。現在の職業はプロアイドルオタクという感じ(笑)」。趣味を仕事にしただけに、普通のオタクとは一線を画す。

“マ ニア=趣味に没頭する余り、仲間以外と接するのが苦手”というイメージを持つ人も多いかもしれないが、ユウジさんは数年前、父の他界が理由で実家に戻され て、実家住まいになったという。現在は母親に代わって買い物や食事の準備、お金の管理までを請け負っているほか、町会の代表を務めるなど地域の人との交流 も積極的に行っている。その上、家に入れるお金が毎月15万円と一人暮らしができそうな金額を入れており、貯金も7桁あるという。

「これ を読んでいる人は、イエ男とニートや引きこもりと混同しているのかもしれないけど、全然違う。確かにマニア系の友人に比較的イエ男が多いのは事実。でもマ ニアってお金がないとできないから、意外と会社では課長など役職についている人が多かったりと、普通にコミュニケーションを取れますよ」

 ユウジさんは実家住まいながら、家族が住む家の隣に作った離れで住んでいる…という変わった構造もあり、1人暮らし時代と何ら変わりはないという。

「オ レの部屋は特に連れ込みやすいけど、学生時代の頃に彼女がいた人は、みんな実家でも連れ込んでいたでしょ? それに相手が1人暮らしなら彼女の家に行けば いいだけだし、お互い実家住まいでも最悪ホテルって手もある。だからイエ男でもモテる人はモテるし、1人暮らしでもモテない人はモテない」と、イエ男君の イメージを片っ端から否定する。しかし本音を言うと、1人暮らしをしたいという。

「だって1人暮らしをしたら、この部屋を倉庫代わりにで きるから(笑)。それに母親の面倒を見なくていいから、今まで以上に趣味に没頭できるし。でも姉と母親が仲悪いからその間にオレがいるのがお互い助かって いるみたい。オレがいないと女系家族になって物騒だからというのもあるよ。 後は料理や掃除を全部やっているから、いなくなられるとマジで困るらしいです ね。」

風俗なしには生きられない でも母親を想う気持ちは世界一

都内の出版社でエロ本の編集に携わる高田友明さん(30)の実家は新宿区にある都営マンション。高校生のときに父親が他界し、3年前に姉が結婚。そのため現在では64歳の母親と2人で生活している。

そんな高田さんは人一倍強い性欲を持っていて、趣味はセックス。

「といってもアレですよ。相手は全員風俗とかお見合いパブで知り合ったプロ、もしくはセミプロの女のコたちです。ボクは昔から風俗が大好きなんですよ」

そう。夜な夜な風俗店に出向いては、出会った女のコを口説いてセックスに持ち込んでいるというのだ。

「いや実際、彼女がいた時期もあったんですよ。でも結局は風俗通いがやめられなくて別れちゃった。だってセックスは彼女とするより風俗嬢とした方が断然イイですからね」

も はや抜け出すことが不可能なほど風俗の虜になっている高田さん。いくら家に4万円入れているとはいえ、給料の半分以上を毎月風俗に費やしているというのだ から開いた口が塞がらない。しかも「母親がいないスキに、担当しているエロ雑誌の若妻ヌード撮影を実家で行ったこともありますよ。生活感のあるバッチリな 絵が撮れました」とくれば、エロ本編集者という職業はまさしく天職であろう。

このように、実家暮らしをいいことに好きなことに熱中している高田さんであるが、その一方で、

「将来的にも考えるべきことは考えていますよ」

と、殊勝な(?)一面をもしっかりと持ち合わせている。

「一緒に暮らしてて、日々老いていく母親の姿を目の当たりにしているワケじゃないですか。なので将来のことはどうしたって考えざるを得ない・・・というか、そういう覚悟はもうできているんです」

高田さんがいう覚悟とは、これから待ち受けるであろう母親の介護問題だ。

「父親が死ぬ前の3カ月間、ボクも介護をやったんですよ。それこそ食事の補助から汚物の世話まで。なので、もし母親がそういう状態になったとしても、何の抵抗もなくやれる自信はあるんです。とはいえ母親はまだまだ現役で働いていますので、大分先の話だと思いますけどね」

そんな息子の気持ちを知ってか、母親も高田さんには「いつまで親に甘えているんだ」「早く結婚しろ」などとは一切言ってこないという。

「母親のことはもちろんですが、実家の立地条件や今のボクの経済状況、趣味の面から考えると、実家を離れるメリットはいまのところないんです。例え一人暮らしをするにしても、母親のことが心配なので実家の近くに住むと思います」

実家だけでなく俗世間からも「出家した実家だけでなく俗世間からも「出家したい」い」

 今回お話を伺わせてもらったイエオくんは、Y・Iさん(32)。滋賀県出身、滋賀県育ちで、家を出たことは一度もない。大学も自宅から通い、社会人となった今は地元の会社で経理の仕事にたずさわっている。勤続年数8年。

「実家住まいを続けることで、パラサイト感はあるが楽。親戚などは、“仲良くていいね~”なんて心ないことを言ってきます(笑)。まあ近所の人には案外親思いでいいと思われてるかも。まだ学生?なんていう人もいますが(笑)」とのんきに笑った。

 そんなYさんの将来の夢は「出家」。「趣味は神社仏閣巡りで、休日には日本全国、まぁ関西が中心ですが、いろんな神社仏閣に足を伸ばしています。そのうちに出家願望が出てきて、最近はちょっと本気で考え始めているんです」。

 話す物腰も穏やかで、早くも生き仏のようなオーラを発しているYさんだが、かつては現世の執着に振り回されたこともあった。

「昔からそのケはあったんですが、3年ほど前に雑誌で見た女王様に一目惚れしたのがきっかけで、東京のSMクラブに月1ペースで通ってました。交通費も含め、1回のプレイで8万円は軽く飛んでましたね」

 だが、やがてその女王様も引退。滋賀県から毎月通った熱意を認められ、引退後もプライベートで会う仲にはなれたものの、やはり顔を合わせる回数は減った。

「心にぽっかり穴が空いた・・・というには中途半端な状況で。でも、何かしら満たされない思いがあったのは事実です。そんなときに昔から興味があった神社仏閣巡りを何気なく再開してみたら、一気にハマった感じですね」

 そんなYさんの好きなSMプレイを尋ねてみると(笑)、「ソフトプレイですよ」とは言うものの、実際にされたことを聞くと「吊られてナイフで足を切られたり、腫れ上がって青アザになるまで鞭で打たれたりしましたね」って、全然ソフトプレイじゃない!

「基本的に相手がしたいことをしてもらうのが好きなんです。それがソフトだったらいいなぁと思うんですが、ハードでも受け入れてしまう(笑)」

 どうやらYさんは、自我を捨て、忘我の境地に至ることのできる状況に身を置くのが好きらしい。そう考えるとSMから神社仏閣巡りにスムーズに移行したことも、そう不思議なことではない。

「長 男ですから親の介護や結婚のことも考えてはいます。まあ、ある程度ですが。貯金はないことはないですがあるとは言えない程度。1回貯金ゼロで病気になって 親に頼ったことあるので、ある程度ないと不安なので。でも少ないから公表できません(笑)それに、今いちばん頭を占めていることは出家ですねぇ」

女に始まり、女で終わった一人暮らし

C君(27)は千葉県は市川市出身。現在は新宿の居酒屋でアルバイトをしている彼は、両親に妹というごくごく平凡な家庭環境で育ったのだが、あるキッカケで実家を飛び出した。

「好きになった女の子が東京に住んでたんですよ。だから、近くに住んだほうが仲良くなれるかなと思って、それまでやってた福祉関係のバイトも辞め、収入のアテも無いけど一人暮らしを始めたんですよ。それが24歳の時でした」

しかし、そんな無計画な男に女性がなびく訳もなく、当然のようにふられてしまう。しかも、仕事のアテもなく一人暮らしを始めたので、必然的にお金が無くなっていく。そんな時に彼の目に飛び込んだのがエロ本に掲載されていた「逆援交」出会い系サイトの広告だった。

「熟 女系のエロ本を読んでたら、本の最後に『セレブ系の人妻が援助してくれる』って広告が載ってたんですね。当時、毎食ハンバーガーを一つ食べるのがやっとな 位、相当お金に困ってたんで、すぐに会員登録したら、すぐに『東京都をあげる』とか『資産何千億をあなたに』ってメールがジャンジャン届いて!」

・・・・・・ そう嬉々として喋る彼だが、結果はお分かりの通り、そんな旨い話が当然ある訳もなく。しかも、ポイントを購入してメールの受け渡しをするタイプの出会い系 サイトに登録したため、日に数千円、多い日には1万円以上をポイント購入のために突っ込んでしまい、彼は遂に消費者金融に手を出してしまう。

「一社に借りて、返せなくなったら別の会社に借りて返済して、それが滞ったらまた別の会社に借りて……」

雪だるま式に増えていった借金は総額120万にまで達し、にっちもさっちも動けなくなった彼は親に泣きつき、その借金を肩代わりしてもらう事になった。生活も立ちゆかなくなり、そして『もう一人暮らしはさせられない』との親の言葉で、実家に戻る事になったC君。

「今 は肩代わりしてもらった分を親に返済しながら、実家暮らしです。毎月親には3万円ずつ返してるんですが、それは本当に返済なので、実質現在実家にはお金は 一銭も入れてません。その返済もあるので、現在のバイト先への電車賃を節約するため自転車で2時間かけて通ってます」

この結果に至ってしまった彼なりの分析を訊いてみよう。

「責任を追う能力というか、自己管理能力が著しく欠落してるんだと思います。今まで就職だったりっていう社会的な経験が全然無いんですよ。本当は一人暮らしでそれが磨かれれば良かったんですけどね……」

では、彼なりに将来の事はどう考えているのだろうか?

「結婚はいつでもしたいですね。だけど、貯金もなんにもないから、食べさせてくれる人だと嬉しいですね~。」

そんな彼の現在の趣味はパチンコ。
「最近ハマッてるんですよ! 全然勝てないんですよね……、スポーツ新聞の占い見てからいくんだけどな」

母と二人暮らし・アキラさんの夢はズバリ!「独立」

「独身で実家暮らし」と聞くと、家賃や生活の面倒などのお金がかからず、家事も手伝わず、何かと優雅な生活を送っていると思いがちじゃないですか?しか し、今どき珍しく「6畳一間で母と二人で暮らしている」イエ男くん・アキラさん(32)に出会った。いい年をした男性が母親と密な空間で生活するなんて、 ストレスがたまりそうだが・・・。

「ウチは家庭事情が色々複雑で・・・」とアキラさん。「昔、男親も一緒に住んでいたこともありますが、本当の親じゃなかったので、これと言って思い出はありません」

物心ついた頃から母親と二人で暮らしてきたらしい。

アキラさんは、昨年9月から、データ入力を中心としたOA事務員として自宅からほど近い職場で働いているそうだ。「契約社員なのでボーナスはなし。給料は月収17万円くらい」という。

「自 宅は、6畳一間にキッチンと風呂・トイレ別の1Kのアパートです。家賃と光熱費の大よその合計金額を母と折半しています。残りは小遣い・・・といってもほ とんど食費に消えてしまいます。母は一日おきに夜勤をしているため、生活パターンは真逆。自分が仕事に行っている間に母は寝ているし、自分が自宅に戻ると 母は仕事に出かけるといった具合なので、一間と言っても常に顔をつき合わせている訳でもないんですよ」(アキラさん)

「彼女を家に連れて 来れないのが、実家暮らしのデメリット」というイエ男くんは多いが、アキラさんの場合はちょっと違う。「夜になると母はいませんから、誰が家に泊まっても お咎めなし。ある意味女の子は連れ込み放題でした。といっても昔遊んでいた頃の話です(笑)。今は、特定の彼女といえる人はいませんが、家にお泊りはでき ますよ」

アキラさんは、お母様が休みのときは家で「二人でドラマやDVDを見ることが多い」という。「話題の『24』や『冬ソナ』、『美 しき日々』など、いろいろ見ましたよ」趣味はゴスペルを歌うことと電車で旅行をすること。「子どもの頃は、鉄道員以外に夢はありませんでした。高校も鉄道 高校に行くつもりでしたが、目が悪くて進路を断念せざるを得ませんでした。今でもNゲージにも凝っていますが、収納場所が限られているので、あまり増やせ ないのが悩みです。」

そんなアキラさんの夢は、やはり「独立」。「母とは仲が良いほうだと思います。でも、そうは言っても自分の部屋が欲しいのが本音かな」。

「貯金はしているんですが、この前赤字補填に使ってしまったので、今の残高は2万円ほどです。何かにかけられるお金があったら貯金したいです。外食と自炊と半々ぐらいですが、大食いなので食費がかかるのが悩みですね。」

派 遣や契約社員だと給料が安く、社会的にも身分が安定していないので、将来は資格が生かせる仕事に就きたいと思っているとのこと。「外国人のゴスペル友達が 多く、英語が少し話せるので、手始めにTOEICにチャレンジするつもりです。850~900点が目標かな。後は、大型自動車免許と医療事務にも興味があ るので、勉強したいですね」と熱心に語ってくれた。

結婚については「自分がまだまだこんな感じですから、共働きでも大丈夫!という女性が理想」とのこと。独立した暁には「母は飛行機に乗ったことがないので、ドラマの舞台(韓国)に連れていってあげたい」という親孝行なイエ男くんだ。

イエ男くんが結婚できない理由は"親"にあり?

一流商社の役職である父親と、ブランド雑貨の個人輸入販売業の母親。この両親のもとに生まれてきた吉井さん(仮名・29歳)はエスカレーター式の有名ブラ ンド校に通い、高校卒業まで何ひとつ不自由することなく暮らしてきた。ところが有名大学へと進学する同級生を尻目に、吉井さんは大学受験に失敗。2浪した 末になんとか首都圏にある理系の大学に合格するものの、今度は就職に失敗。不憫に思った教授が地方で就職口を見つけてくれたそうだが、それも「東京を離れ るのがイヤだから」という子供じみた理由で断り、
「結局、大学時代からやっていた病院の夜間医療受付のアルバイトを続けることになったんです」これが吉井さんのイエ男人生のスタートだ。

「でもこのバイトが結構オイシくて、週5で入っても月30万くらい稼げるんですよ。ってことは新卒で会社入ったヤツラよりも全然貰ってることになるじゃないですか。なら就職なんかしなくていいかなぁ~って考えちゃって(笑)」
こうして稼いだお金は家にまったく入れず、すべてスロットとキャバクラに遣ったという吉井さん。

「特に上野のKというキャバクラはお気に入りでしたね。ここにMという女のコがいたんですけど、母親が扱ってたブランドバッグをプレゼントしたら喜んじゃって。『吉井さんに会いたいなぁ』なぁんてメールがしょっちゅう来てました。あのコ、絶対オレに気があったな(笑)」

それは営業メールだろっ!――というツッコミはさておき、息子の放蕩ぶりに父親も遂に見兼ねて、いろいろと口を出すようになったという。その結果、

「バイトの傍ら、オヤジが副業でやっていた家庭用品の販売営業を3年くらい前から手伝うことになったんですよ。でもオレは社会人経験もなければ営業経験だってないワケじゃないですか。思うように商品が売れなくて」

しかしその反面、父親とは仕事を通じて友情のようなものが芽生えたそうで、

「一緒に飲むたびに『彼女はいないのか』なんてしつこく聞いてきたモンだから、小学校時代からず~っっっっっっっっっと好きだったSちゃんていうコをオヤジに紹介したんですよ。そしたら涙を流さんばかりに喜んで……。だけどそれからが問題だった」
この話を聞きつけた母親が「私にも会わせろ」と言い出し、お食事会をセッティング。その場所というのが、なんと明治記念館だったのだ。

「そりゃひくでしょ! 『ウチの息子と今すぐ結婚してください』って言ってるようなモンだから。お袋のせいでSさんとは一切連絡がと取れなくなっちゃったんですよ(涙)」
母親に恋路を邪魔された吉井さんは、その後しばらくは失意のうちにイエ男生活を続けていたそうだが、捨てる神あれば拾う神あり。1年ほど前にとうとう彼女ができ、それを機に実家を出て行くことを考え始めたという。

「彼 女は医療事務のバイトで知り合った年上のコなんですけど、オレと同棲をしたがってるんですよ。それにオヤジももうすぐ定年だしね、ここらが転機かなって。 バイトを辞めてオヤジの手伝いに本腰を入れて、金が貯まったらすぐにでも実家を出て行こうって思ってます。ただあの一件があるからね……彼女ができたこと は、お袋にはギリギリまで隠してしておくつもりです」

合理性に乏しい夏のボーナス予想

みずほ証券は、今年の夏のボーナスの予想を発表し、パートを含めた従業員5人以上の民間企業の平均支給額が、前の年から0.1%減った41.6万円と、3年ぶりに前年を下回るとの見通しを示しました。
企業の増益ペースが鈍るため、企業は賃金を抑制する動きを強めるとみているためです。

たしかに最近の日本企業の業績は、以前に比べて改善ペースが鈍っているかもしれません。日本企業の景況感(企業マインド)を示す日銀短観(3月調査)の業況判断DIは、製造業が全ての規模で悪化し、
非製造業も大企業を除いて悪化しています。2月末に世界同時株安が発生し、米国や中国の景気の先行きの不透明感が増したことや、これまで輸出企業を牽引してきた円安の進行に一服感が出てきたことが、DI悪化の理由として考えられています。

も ともと日本企業の業績は、ここ数年急ピッチで拡大を続けてきました。財務省の法人企業統計によると、日本企業全体の経常利益は、2002年度から2005 年度まで4年連続で10から20%以上のプラスを続けており、昨年(2006年)度も10%近くの増益を達成する見込みです。いつまでも企業利益が大幅に 拡大し続けることは難しいと思われるので、今年度の企業業績の拡大ペースが鈍っても不思議なことではありません。

ただ仮に、今年度の日本企業の増益ペースが鈍ったとしても、それを理由に企業が賃金を抑制し、結果として、今年の夏のボーナス(平均支給額)が減少するとは思えません。

日本企業における人手不足感は、解消されるどころか強まっています。企業の人手不足感を示す日銀短観の雇用人員判断DIをみると、ほぼ全ての業種で人手が不足している結果となっているほか、人手不足感は時と共に強まっている状況です。

こうした中、これまでパートタイマーを活用することで業績を伸ばしていた企業も、人手確保を目的にパートタイマーや契約社員を正社員化する動きを強 めています。一般的には、正社員のボーナス支給額は、パートタイマーや契約社員より高い傾向といえますので、人手不足を背景とした正社員化の動きは、ボー ナス支給額の押し上げ要因となります。

新卒社員の初任給を引き上げる動きも見逃せません。日本生命保険と第一生命保険は、4月に入社する新卒社員の初任給を、1993年以来14年ぶりに 引き上げる見通しです。また、トヨタ自動車は、2年連続で今年4月に入社する新入社員の初任給を引き上げる方針を決めています。基本的には、ボーナスは給 与をベースに支給されますので、初任給の引き上げは、ボーナス支給額の押し上げ要因といえます。

ここ数年、日本企業は、企業利益の増加分を基本給ではなくボーナスで還元する動きを強めています。昨年度の企業利益の伸びが、以前に比べて鈍る可能 性はあるものの、全体で見て利益が減少する可能性は非常に少ないと思われます。利益が増えている以上、従業員へは(少ないとはいえ)ボーナスを通じて還元 される可能性は高く、夏のボーナスが増えることはあっても減るとは考えにくいです。

そもそも、現在の日本経済の状況を素直に考えれば、難しい理論やデータを駆使しなくても、夏のボーナス支給額が「増えそうだ」という感覚は、それな りに説得力があるように思えます。「どのような予想を出すかは証券会社の勝手だ」というロジックは、理解できなくもないですが、企業業績の伸びが鈍化する から、という理由だけで、夏のボーナス支給額の減少を予想する姿勢に対して、合理性は見出せない気がします。

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