2007年5月30日水曜日

ネットカフェ難民 名古屋で考える

嫌がらせに耐えかねて……職場から離れざるを得ない状況

 今回の「主人公」は、北海道から仕事を求めて愛知へやって来た43才の方で、会社からも信頼されていたが、「工場のラインの仲間」に「いじめ」に会い、 今月末で退職、寮からも追い出され「終夜営業難民」になった。幸い、「貯金」のある彼は、「寮付きの職場を探す」……と語っていた。

埋まらない「正社員と派遣との溝」

 彼は4つあるラインの中の1つで働いていた。工場の中で話してくれる正社員もいたが、彼が入っていたラインの正社員は質問をしても答えてくれない。彼は、次第に工場に居づらくなった。

派遣は『使い捨ての人材?』

 そして彼は「派遣労働者が会社の都合でクビになった」現場を見る事になる。表上は「契約期間満了」とのことだか「あとから聞いた話」だと、「会社が前からクビにしよう……」と狙っていた人だったとの事である。

「好況名古屋」の影で……

 「究極の利益」を上げるトヨタ自動車、そして「波及する好景気」……と言われている名古屋。しかし、この街には多くの「終夜営業難民」が存在し、その中には「外人」も存在する。

 一度「自動車系の派遣」を経験した人は、また「再度派遣」されるのが「難しい」らしいのだ。そして彼らは仕事を求めて寄せ場である「笹島」へ行く事にな る。肉体労働に慣れていない彼らが仕事について行けない問題や、「笹島の寄せ場に蔓延る悪徳手配師と業者」についても、おいおい書いて行きたいと思う。

ネットカフェ規制を睨みセキュリティ対策

 面倒なログイン認証などがなく、無料で使える公衆無線LANスポット、FREESPOTのお世話になったことのある読者は少なくないだろう。無料で手軽な反面、セキュリティ対策について不安視する向きもあるが、実際のところをFREESPOT協議会に聞いてみた。

 本サイトRBB TODAYの【スピード速報】でも、近年ADSLの平均速度より公衆無線LANの速度のほうが速くなる傾向を報告しているが、無線LAN内蔵のPDAやモ バイルコンピューティングなどの動向から、今後のビジネスでも公衆無線LANスポットは重要なインフラとして機能するだろう。しかし、ビジネスユースを考 えた場合、無料だからとはいえセキュリティをないがしろにはできない。協議会としてどのような取り組みをしているのだろうか。


 インタビューしたのは、株式会社バッファローのフリースポットプロジェクトチームリーダである山下誠氏だ。バッファローは、FREESPOT協議会の幹 事企業であり、事務局の運営にあたっている会社だ。山下氏によれば、FREESPOTは、無料で運営されているとはいえ、設置店舗や企業はすべて登録さ れ、設置場所の責任者が明確に存在し、アクセスのログファイル(syslog)を保存しているので、いわゆる「野良スポット」とは明らかに異なるものだ。 しかし、その上で、セキュリティについては法令遵守の立場からも協議会の中で「セキュリティ分科会」を設置して検討中だそうだ。

熾烈さ増す価格競争 上場取り下げの企業も

 マンボーの“価格破壊”が業界に変革をもたらしたことは確かだ。

 深夜の売り上げが大きいことに気づいた各社は、「ナイトパック」などの割安価格を打ち出した。東京・蒲田にある「まんが ネット 喫茶いちご」は1時間100円、8時間寝泊りしても800円という超低価格を打ち出した。

  しかし、このような低価格を疑問視する向きもある。業界最大手、ランシステムの奥村国央取締役は「採算に合わないだろう」と見る。平均的な150坪程度の 店舗の場合、1時間400~500円の料金で、1日200人もの利用客をこなして、ようやく月々のランニングコストが賄える収益構造だという。

 価格競争だけではない。業界を取り巻く環境は厳しさを増している。

  日本複合カフェ協会によると、現在の市場規模は1971億円。10年後には2倍の4000億円になると予測する。だが、ここに来て新規事業者が続々と参 入。紳士服大手「AOKIホールディングス」から分社独立したヴァリックが展開する「快活CLUB」、居酒屋「白木屋」を経営するモンテローザの「wip (ワイプ)」など異業種からの参戦もあり、競争は激化する一方だ。

 出店先の確保も容易ではない。外食産業などに活気が出始めたことを背景に、首都圏では好立地の駅前商業ビルが取り合いになっている。

  この影響をまともに受けたのが、「コミックバスター」を展開するアクロス(大阪府吹田市)である。今年1月に名証セントレックス上場を承認されたが、直後 に上場を取り下げた。原田健一社長は「昨年12月の時点で、60店舗のオープン契約残があったが、都内で開店用物件の入手が困難だった」と事情を打ち明け る。業績を下方修正する可能性が出たため、上場を断念したという。

 ネットカフェ各社は、生き残りに懸命だ。ランシステムはメーカーとのタイアップによるパソコンのメンテナンス徹底や、ゲームコンテンツの充実で、利用客の囲い込みを図る。大手のアプレシオは清潔感が漂う店舗を展開、女性客の獲得を狙う。

  コミック卸最大手「春うららかな書房」の道下昌亮社長は、業界の現状について「ビデオレンタルやカラオケ業界と同じ道を歩んでいる」と見ている。これらの 業界は、サバイバルゲームを繰り広げた後に誕生したガリバー企業が、健康的なイメージを世間に浸透させた。ネットカフェ業界にも「TSUTAYA」や「シ ダックス」のようなチェーンが誕生するのか。まずは業界を覆うもやを払わなければならない。

一目置かれる存在

 マンボーの大株主とみられる森下景一氏は、海千山千の強者がそろう歌舞伎町でも一目置かれる存在だ。質問状に対し、マンボーは「森下氏とは関係がない」 と回答する。法人登記簿によれば、森下氏は04年3月まで代表取締役を務めていた。その後、05年1月までは森下氏の親族とみられる女性が代表だった。

graph2  現在56歳の森下氏はグループの新宿ソフトを通じて、テレホンクラブ「リンリンハウス」やビデオボックス「金太郎」「花太郎」なども経営、「風俗王」とも 呼ばれる。昨年3月24日には、もぐりのファッションヘルスの経営に関与していたとして、懲役6月の実刑判決が東京地裁で下されている。

 ホストクラブ勤務などを経て独立した森下氏の転機は1980年代後半。「リンリンハウス」を立ち上げ、当時流行の兆しがあったテレホンクラブ市場に参入した。他店の半額以下の低料金という価格破壊で市場を席巻。瞬く間に、全国チェーンに発展させた手腕の持ち主だ。

  森下氏はリンリンハウスの手法を、漫画喫茶でも応用した。97年に立ち上げたマンボーでは、深夜パック(5時間)で約1200円などの低料金を打ち出す。 この低価格を武器に、関東を中心にチェーン店を張り巡らせた。06年6月期の売上高は、前期に比べ7割近い伸びで68億円を突破した(調査会社調べ)。

 マンボーには、意外な企業との接点もある。

  中古不動産の改装・販売を主力とするクレディセゾンの子会社、アトリウム(東証1部上場)。同社は森下景一氏の自宅(親族とみられる明子氏名義)に、1億 8000万円の抵当権を設定している(債務者はマンボー)。アトリウムは「金融機関の融資保証事業を展開しており、本件はその案件の一つ。直接の融資は 行っていない」としている。

 もう一つ興味深いのはマンボーの統括事務所が入居する新宿区のビル。底地の一部を所有するのは資産管理会社「川崎定徳」だ。同社は旧住友銀行が旧平和相互銀行を吸収合併する際に、重要な役割を果たした。当時の佐藤茂社長は「最後のフィクサー」として知られる人物だ。

 一方でマンボーは店舗運営において、問題点が少なくない。業界関係者が指摘する問題は大きく二つ。

 一つ目は、設置された個室が密室に近い状態であることだ。 
 風営法(風俗営業等の規制及び業務の最適化等に関する法律)第2条には次のような規定がある。「喫茶店、バー、その他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、他から見通すことが困難であり、かつ、その広さが5平方メートル以下である客席を設けて営むもの」。

 マンボーは店内で、ジュースなどの飲料を無料で提供。レーズンパンなどの食べ物も販売している。警察関係者は個人的見解と前置きしたうえで、「店舗の構造は(風営法上)問題がある」と指摘する。

 二つ目の問題点は「匿名性」だ。受け付け時に本人確認はない。記者が入店した都内の2店舗でも、身分証明書の提示は求められなかった。

 これらについてマンボーに質問書を送ったが、明確な回答はなかった。

「難民」の避難場所か それとも犯罪の温床か

 「契約更新のおカネを貯金することができず、アパートを出ざるをえなかった」(24歳男性)――。

  労働組合や首都圏青年ユニオンなどは今春、ネットカフェに寝泊りをする、いわゆる「ネットカフェ難民」の実態調査を行った。首都圏を中心に大阪、福岡など 19地域、34店舗で調査を実施した結果、26もの店舗で、長期にわたって寝泊りする利用客がいることが判明した。驚くことに3年もの間、各地を渡り歩く 例もあったという。

 「ネットカフェ難民」が生まれた背景には、やはり格差問題が横たわっているようだ。

 彼らの多く は、賃金の安い日雇い労働者。路上で寝泊りするホームレスではないが、定住場所を持てない「半ホームレス」だ。アパートなどに入れないのは、家賃が払えな いためではない。敷金・礼金など入居時のまとまった資金が用意できないからだ。ネットカフェなら、一晩1500円程度を払えば夜露を避けることができる。 シャワー設備もある。

 厚生労働省はこの問題を重視し、今年度中にも実態調査に乗り出すという。ただ、自立生活サポートセンター「もやい」の湯浅誠・事務局長は「政治に対する不信感は根強い。抜本的な対策を打つ姿勢を打ち出さなければ、十分な協力を得るのは難しいのではないか」と指摘する。

 ネットカフェに注目するのは、厚労省だけではない。

 福島県で17歳の男子高校生が母親を殺害し、頭部などを切断した凄惨な事件。高校生は犯行後、ネットカフェに立ち寄っていた。未明に未成年が利用しても怪しまれないのが、ネットカフェの特徴でもある。

 大阪府警は府内のネットカフェ全店に対し、一斉立ち入り検査を行うことを決めた。青少年の育成面で深刻な影響を与える悪質店の一掃を狙っていると見てよい。

  警察はネットカフェを「犯罪の温床」として注視している。2003年、ネットカフェのパソコンを悪用してインターネットに不正アクセスし、他人の銀行口座 から多額のカネを詐取する事件が発生した。警察が05年中に認知した不正アクセス行為のうち未検挙のものは277件(06年5月時点)。実にその半分に当 たる139件はネットカフェのパソコンを操作して行われたものだった。

 誰もが「匿名」でインターネットを利用できるネットカフェのずさんな管理が犯罪の背景と考える警察は、業界に対して受け付け時の本人確認の徹底を要請している。

  これに対し、有力チェーンで組織される日本複合カフェ協会は、「原則として、全店にユーザーの会員制を採用することを指導している」(若松修顧問)と、業 界を覆う不透明感の払拭に懸命だ。とはいえ、零細企業が群雄割拠する業界で、協会加盟は全店の約4割程度。非加盟店は協会の指導に平然とソッポを向く。

 「アウトサイダー」――。警察や業界の関係者は、非加盟店を苦々しくそう呼ぶ。冒頭のマンボーは、その代表的存在である。

安息の地か、魔窟か ネットカフェの危うい最新事情

東京・歌舞伎町。ネオンが妖しくともる繁華街に、ひときわ異彩を放つ店がある。魚のマンボーをキャラクター化した看板が、いやが応でも行き交う人の目を引く。「まんが喫茶MANBOO!(マンボー)」。ネットカフェの大手である。

 5月中旬の夜9時ごろ。店内には、じゃれ合いながら入店の手続きをする若いカップルの姿が複数あった。「どのタイプにしますか」。20代とおぼしき店員に尋ねられ、3時間パックで900円のコースを選んだ。

 客室のある2階フロアはほの暗く、細い通路を挟んだ両側には10以上の個室が並ぶ。内部は2畳ほどの広さ。リクライニングチェアとパソコンが置かれていた。フラットベッドタイプの部屋もあるそうだ。

 各個室の上部は吹き抜けになっているが、扉を閉めてロックしてしまえば、密室に近い状態になる。利用客はここで、“自由空間”を手にする。隣の個室から若い男性の声がかすかに聞こえてきた。どうやら“出会い系”に電話をしているようだ。

「小さな仕事人」高須のチーム初安打&決勝打で楽天逆転勝ち!

高須がバットを握る。八回二死三塁。楽天の選手の脳裏に、必殺のテーマが流れていく。ベンチのムードが変わる。マウンドの寺原には六回まで無安打に抑えられていた。七回に初安打を放ったのもこの男。同点に追いついた場面、野村監督には確信に近いものがあった。

 「必殺仕事人やな。あれが彼の持ち味。打ちそうな気がする。ベンチのみんなが予感しとる。大変な信頼度だ」

  左前で跳ねる決勝タイムリー。打率.257は、パの規定打席到達37人で、下から5番目だが「ランナーがいないと打てない、ダメなヤツなんだよ」という言 葉通り、まるで中村主水のように、チャンスになると別人になる。得点圏打率は12球団トップの.462。表情を変えない1メートル70の選手会長は、まさ にだ。

 「同点になったところで勢いを感じた。ビジターで接戦で勝つのは大きい。重みが違う」

 1点差ゲーム8勝1敗と抜群の強さを誇るチームに、野村監督は胸を張った。今月13勝8敗で、昨年6月と並ぶ月間最多タイ。月間最高勝率も確定した。30日の中日戦(浜松)は田中の先発が濃厚。開幕3戦目以降では球団初となる5割復帰を託す。

緑資源談合 丸投げの『森公』  “実績”主張し受注拡大

 独立行政法人「緑資源機構」の林道測量コンサルタントをめぐる官製談合事件で、大部分の業務を丸投げしていたことが発覚した財団法人「森公弘済 会」(森公、東京都千代田区)。仕事をしていないにもかかわらず、過去の“受注実績”を理由に、機構からの有利な受注配分を業界内で正当化していた。機構 全体の発注量が減る中、林野庁や機構OBの給与維持のため、仕事量を維持しようとする森公。天下り法人に対する民間業者の反発は次第に膨らんでいった。  (荒井六貴)

 受話器からいつもの丁寧な声が聞こえてきた。「入札案内は届きましたか。継続だから協力をお願いします」

 声の主は、森公の業務第二部長金子賢治容疑者(64)=独占禁止法違反容疑で逮捕。ある民間コンサルタント会社の幹部に談合への参加を求めた。

 金子容疑者が強調した「継続」とは、過去に測量や環境調査を行った場所の延長線上にある案件は、地盤や地形に詳しいとの理由で、受注調整で有利に なることを示す。実際には、森公は業務を丸投げしており、実際の仕事の経験がない。それにもかかわらず、継続案件であることを理由に受注を重ねた。

 機構OBが多数天下る森公に、機構元理事高木宗男容疑者(59)=同=らが前年度並みの仕事を割り振っていたからだ。森公は機構最大の天下り先で、昨年四月時点で役員二人を含む十七人の機構OBが天下っていた。

 機構の測量調査の発注量は予算などの関係で減少傾向にある。そのため森公の業界内での受注割合は年々大きくなっていた。金子容疑者から電話を受けた民間コンサル幹部は怒気を込めて話す。

 「森公は仕事を確保しないと、天下りの人件費で立ち行かない。談合で機構に受注をまとめてもらわないと困るんだ」

 仕事が減る中、談合に協力しても見返りはほとんどなかったという。

 「一昨年あたりから、金子さんは他社から談合の承諾をもらうのに苦労していたようだ。民間は仕事をろくに取れないのに、協力しないといけないからだ。金子さんには『このままいくと、危ないですよ』と言ったことがあった」

 別の業者は「業界全体に談合体質があったことは認める。しかし、森公以外は技術者を長い間かけて養成してきた。森公と一緒にされては困る」と不満をぶちまけた。

 官に抑えつけられた民間業者。昨年十月、公正取引委員会の立ち入り検査の際、「事件は内部告発ではないか」とささやかれた。談合のうまみが少なくなったとき、官業の利権構造にひび割れが生じ、事件摘発へと結びついた可能性は十分ある。

小菅から出たけれど

 銀行口座開設に職探し…。あちこちで差別や偏見にさらされた私たちはキレそうな毎日を過ごす。

2006年
5月16日(火)

 社会保険事務所に行く。国民年金の口座引き落としの手続きと失業保険をもらうためだ。ところが、失業保険はこちらの管轄ではないので三鷹の公共職業安定所に行ってほしいと受付の人に言われた。

 とりあえず国民年金保険料の口座引き落としの手続きを済ませてから三鷹の職安に向かう。職安に言ったが、有効期限がすぎていたので失業保険はもらえな かった。正確に言えば、有効期限はまだ過ぎていないのだが、認定に要する期間を加算すると期限が切れる。しかし、どうにもならないという話だった。

 窓口の職員はこれまでのアサちゃんのいきさつを聞いてくれた。そして、東京外国人雇用サービスセンターに求人を出していた人材派遣会社とは関わらないほ うが賢明だと言った。求人をしている会社の仕事があると思って行ってみたら、その会社の仕事はもうないというのはおかしいからだ。

 差し支えなければ前働いていた千葉の鉄鋼会社に事情を話してまたその会社で働かせてもらってはどうかと言われたが、私たちはそれには抵抗を感じた。三鷹 の職安を出て吉祥寺に向かう。5月20・21日に日比谷公園でアフリカンフェスタ2006が開かれるので、そこでいろいろな人に顔を売って仕事を見つける 目的で名刺を作ることにした。本当のことを話せばほとんどの会社は引いてしまうだろうから、人づてに仕事を探すしかなさそうだ。

5月21日(日)
 午前11時。アフリカン・フェスタ2006の会場、日比谷公園に到着。天気は快晴、猛烈に暑いが人出は予想以上だった。お昼近くで少しおなかがすいてい たが、営業活動を優先する。さまざまな国のさまざまな人たちに仕事を探していると言っては名刺を配り歩く。B国出身の男性はうちの方に住んでいて、自宅近 くのメッキ工場で働いている。心当たりがあったら連絡するよと彼は言う。おとなしくてまじめそうな人だった。

 3人で一緒に来ていたN国出身の人たちにアサちゃんが仕事を探してると言うと、「俺たちだって失業中だよ」と言って笑っていた。失業中の割に3人ともの んびりしていた。アサちゃんが以前会った黒人にも何人か会った。千葉にいたとき、近くの酒場で知り合った人、やはり千葉時代の友達で、S国出身のマイクに もばったり会った。アサちゃんが仕事を探していると言ったら、ある日本人の名刺を見せてくれた。その人が仕事を紹介してくれるかもしれないので、連絡先を メモ帳に書き写した。

 そして、以前アサちゃんが埼玉で知り合ったガーナ人、フィルにも会った。3時ごろ、アサちゃんがトイレに入ると、隣で小さな息子さんの用足しを手伝って いたフィルが「どこかで会ったよね」と言ってアサちゃんに話しかけてきた。フィルはジャックのことは知っているが、とっくに絶交したと言う。アサちゃんは ジャックが送ってきた小包のせいで警察に拘束されたいきさつをフィルに話すと、

 「こういう所で名刺を配ったりするのは危険だからやめたほうがいい。みんな一見いい奴みたいだけど、裏でどんな悪いことをしているかわからない。もし君 の名刺を受け取った人間が麻薬の問題で捕まったら、君もまた捕まるかもしれない。僕は自分のガーナの家族に住所や電話番号は教えない。ましてやよく知らな い奴に自分の連絡先は絶対に教えない。何が起こっても不思議じゃないんだ。だから君もせいぜい気をつけたまえ」

 それを聞いて私たちは愕然とした。しかし、渡してしまった名刺を今さら返してもらうわけにはいかない。悪用されないよう祈るしかない。もしだれかが自分 の代わりに小包を受け取ってくれないかなどと連絡してきたら、断ってすぐに小林先生に連絡することにした。とりあえずフィルの連絡先を聞いた。仕事探しの 方法も人づてだけに限定せずいろいろな方法で探してみようという結論に達した。

時間外労働の制限、フレックス制なども

 厚生労働省によると、育児休業取得率は、二〇〇四年度に出産した女性で72・3%、同年度に配偶者が出産した男性では0・5%。一九九五年度にはそれぞれ49・1%と0・1%だった。「女性は伸びているが不十分。男性は低空飛行状態」(同省雇用均等政策課)。

 氷上さんは昨年十月、「制度について気軽に相談できる場が必要」と、制度を解説するブログを開設。同時にメールによる無料相談も始めた。

 相談で目立つのは、休業以外の支援制度を知らないケースという。「育児休業は労働者の当然の権利。しかし、現実にはみんなが十分に休みを取れる環境にあるわけではない。相談に対しては、さまざまな支援策があることをアドバイスすることも多い」と氷上さん。

 例えば、労働者が請求すれば、企業は子どもが小学校に入学するまで、一カ月に二十四時間、一年に百五十時間を超える時間外労働をさせることができない(ただし、勤続一年未満や一週間の労働日数が二日以下、配偶者などが子どもを養育できる場合を除く)。

 また、三歳未満の子どもを養育する労働者には原則的に、勤務時間の短縮やフレックスタイム制の導入、託児施設の設置、始業・終業時間の繰り上げ・繰り下げなどの中からいずれかの措置を講じる必要がある。

 制度の詳細や個別の事情などについては、勤務先の本社がある都道府県の労働局雇用均等室などでも相談できる。

 氷上さんは「たとえ企業が規定していなくても、育児休業制度は利用でき、これを理由とした解雇や減給、不利益な配置替えなども禁止されている。事情に応じてうまく活用してほしい」と話している。

まずはどのようなシーンで英語が必要なのか

 海外と関わる仕事ともなれば、気になるのは語学力。特に英語力だろう。まずはどのようなシーンで英語が必要なのかを調べたところ、興味深い傾向が見え た。海外と関わる仕事をするITエンジニアの80%以上から回答があったのは、文章読解とメール交換。つまり英語による読み・書きの仕事である。聞く・話 すが主となるプレゼンテーションや交渉といった実務は、それぞれ30%前後とそれほど高くない。コミュニケーションの多くは読み・書きによって行われてい るのである。

 では、その英語力はどれほどのものなのだろうか。TOIECの点数分布を見てみる と、900点台から200点台まで広範囲に広がっている。平均点の652点は日常会話に困らないレベル。200点台でも仕事になるのだろうかという疑問が 起る一方、900点を超える準ネイティブとも言えるエンジニアも少なくない。ただ、ここで見逃せないのは、900点台のエンジニアであっても国民性や商習 慣の違いに頭を悩ませているという回答が複数あったことだ。多くのエンジニアは、言葉の壁と文化の壁に苦労しているのである。

 その反面、海外と関わる仕事はやりがいも大きいようだ。言葉や文化の壁を乗り越え て得た仕事上の達成感を、多くのITエンジニアが挙げている。ワールドワイドなスケール感にやりがいを見つけているITエンジニアも少なくない。総じて高 いハードルではあるが、それを乗り越えた時の満足度が高い仕事と言えるだろう。

海外と関わる仕事をしていると応えてくれたITエンジニア

次に、海外と関わる仕事をしていると応えてくれたITエンジニアの中から200名を ピックアップしてその仕事内容を調べたところ、依然として海外の開発スタッフとのやりとりをしているという例の多いようだ。また、オフショア開発に関連す る業務を担っているエンジニアも多く、ソフトウェアの海外委託開発が一過性のブームではなく、定着したスタイルとなったことを示している。

 その一方で、海外拠点を含む社内システム統合といった新しいスタイルもいくつか見 られた。オフショアに関してもプログラム製造だけではなく、サーバの保守・運用といった案件に加え、さらに下請けというイメージを覆す、グローバルなソ リューション・プロジェクトの一環としてオフショア開発を活用しているという例もあった。少なくとも海外と関わるITエンジニアの仕事は量も内容も拡大し ているようだ。

 海外出張や海外赴任をしなくても、国内企業で日本にいながらにして海外と関わっていると答えてくれたITエンジニアが一定数いたことも、新しい傾向と言えるのかも知れない。

外資系だけじゃない! 海外と関わるIT技術者の仕事

 かつて海外と関わるITエンジニアの仕事と言えば、外資系ベンダーなどで働くエンジニアが、本国のエンジニアと関わることぐらいだった。輸出や海外生産 などをいち早く展開してきた自動車や家電など他の製造業に比べ、エンジニアが海外と日常で関わる機会が少ない業界だったと言えるかも知れない。だが、現在 ではどうだろうか。約1600人のエンジニアから回答が寄せられたアンケートによれば、海外と関わる仕事をしていると応えたITエンジニアの比率は24% にもおよんでいる。実に4人に1人弱が、海外と関わっているのだ。

母親の仕事探し支援拠点オープン

 子育てしながら仕事を探す人を支援する「まつやまマザーズサロン」が29日、松山市湊町3丁目のハローワークプラザ松山内にオープンした。
 厚労省は2006年度から、大都市圏など12カ所にマザーズハローワークを設置しているが、地方でも就労意欲が高まっていることから、本年度、同ハローワーク未設置県に、同じ機能を備えたマザーズサロンの設置を進めている。
 まつやまマザーズサロンには、キャリアコンサルタントの資格を持つ子育て支援連携推進員1人と、子育て経験のある職業相談員2人が常駐。予約・ 担当者制で職業相談や就職支援に当たるほか、利用者のニーズに応じ就職実現プランを策定、関係機関とも連携し、保育所や子育て支援サービス情報などを提供 する。

仕事中に居眠り?・・・いえいえ、考え中です!

「SEはPCに向かって仕事するだけ」。そんな印象が強いせいか、手も動かさずに考え事をしていると、周囲にはサボってると思われがち。でも実は、バグやら、システム構築のことやらで、頭の中はフル回転中なのに!

やっつけ仕事?!タカアンドトシ声優初挑戦で汗だく

お笑いコンビ、タカアンドトシが29日、都内で行われた仏映画「アーサーとミニモイの不思議な国」(リュック・ベッソン監督、今秋公開)の日本語吹き替え収録に参加した=写真。 ミクロの世界の住人を演じたが、声優初挑戦とあって大苦戦。台本を持参するのを忘れたことを暴露されたトシ(30)は、「初めてなのに、やっつけ(仕事) ですか?」と報道陣に突っ込まれて「とんでもない」と冷や汗。タカ(31)は「緊張して声が小さかった」と反省しきりだった。

■好条件で社会に貢献

 技術流出が始まったのは5年ほど前からで、正確な数字は明確ではないが、東京のある就職斡旋会社では海外に仕事を求める中年社員からの問い合わせが増えている。パソナ・グローバルでは、アジアで働きたいという日本人の登録者数が昨年は4930人と5年前から倍増した。

 退職後に自分の技術が求められる発展途上国に行き、第2の人生を始めたいと望むエンジニアも増えている。 台湾で日立の現地人社員を教育する予定という元日立のエンジニア、ナカムラ・カズミツさん(64)は「日本にいても年金をもらうだけだが、アジアでは社会 に貢献できる」と意気込みを見せている。

 台湾は最初に日本人エンジニアを誘致した国の1つで、同国政府によると、近年では2500人超が転入していると話した。

 電子機器業界などの台湾企業は、業界の先端を行く日本企業に遅れず中国に追い抜かれないために、日本の最 新技術を学びたいと望んでいる。台湾政府は03年以降、外国人エンジニアの雇用に2000万ドルを投じ、東京や大阪などで毎年就職説明会を開催して、日本 人に対して高い給料や引っ越し費用を提供する台湾企業を援助している。中には年収100万ドル以上を提供する企業もある。最近では、中国や、シンガポール など東南アジアの国々も日本人を多く雇用し始めている。

加速する日本の技術流出~エンジニアの目はアジアに

 日本では近年、台湾、韓国、中国など急成長するアジア企業で自分の技術を生かしたいと考えるエンジニアが増えている。

■社員の考え方に変化
 ニューヨーク・タイムズによると、日本の技術職を中心とする労働者が海外に目を向け始めている背景には、 過去10年間に進行した競合の激化、企業のリストラ、終身雇用制度の崩壊という日本社会の変化がある。かつて保守的だった日本の会社員も、リスクが高くて も積極的に自分の仕事を選択するようになり、自分のキャリアは会社のためではなく自分のためにあると考え始めている。また、今や米国を抜いて中国が日本の 最大貿易相手国となる中、日本人の多くは日本や自分の将来がアジア経済と結びついていると考え、日本より高い報酬や満足感を得られるアジアで働きたいと 願って海外に移住する人が増えている。

 一方、日本政府にとって頭脳流出は、アジアの競合に技術を奪われかねないという懸念につながっているほか、国内で有能な人材が見つけにくくなったとこぼす日本企業も増えている。

「おじさん」じゃなくて「DD族」と呼んでくれ

自営業者キム・ギルドンさん(43)はネクタイをしめたスーツの代わりにジーパンとシャツで働く。レーザーで 肌を整える手術も3週間に1回ずつ受けている。毎晩洗顔とクレンジングも欠かさない。男性雑誌を読んではスタイルを研究することも日課の1つ。キムさんは 3年前に会社をやめて昨年、自分の事業の基盤を築いた。彼は「自分のために投資することに決めた。妻も積極的に支持してくれている」と話す。

40~50代の中壮年層の男性たちにはスタイルに気を使って若々しく生きようとするDD(DandyDaddy=おしゃれなパパ)族が増えている。家長として父としての役割はきちんと果たしながら、自分作りをするのにお金と時間を惜しまない新世代の男性たちのことだ。

DD族はファッションからまず火がついた。2~3年前から派手なシャツにジーパン、ベルベットのジャケットなど破格的なスタイルの人 気が中年男性に広がり始めたのだ。代わりに衣類売場では何の変哲もない無難な「おじさんジャンパー」を買い求める中年男性が減った。現代百貨店貿易セン ター店の関係者は「高価の高級ジーパンを買い求める中年男性が1日にも4、5人ほどいるが、この中には60代の顧客もいる」と教えてくれた。

売場では自分のために高級化粧品を買おうとする中年男性もよく訪れる。基礎化粧品のローションからアイクリーム、エッセンス、マスクパックなどを一括購買するタイプが多いという。

運動のスタイルも変わった。ただひたすらランニングマシンのうえを走りながらお腹のぜい肉を落とすなどということはしない。ヨーク ウッド・ホテルのフィットネスクラブのトレーナー、キム・ヨンサムさんは「服をかっこよく着こなせるように肩や背中、腕を集中的にトレーニングする会員が 増えた」と話す。

◆「中年男性の個人意識の成長」=DD族を構成する40、50代の中年男性は、韓国戦争後に生まれた「ベビーブーム」の世代だ。経済力もあり、最大消費層として浮上している。これらの財布を狙った企業のマーケティング熱も高い。

中央大学チュ・ウンジュ(社会学)教授は「DD族は通貨危機以後、職場だけではなく家庭でもいじめられる“親父の危機”を脱出し、現 れた姿」だと説明する。「儒教中心の序列主義と集団主義が弱まり“自分”という主体を見つけた」(延世大学社会学科キム・グァンベ教授)という評価もあ る。就職ポータルキャリアのキム・ギテ代表は「企業でリストラの主要ターゲットでもある中年男性が生き残りをかけて少しでも若く見せようと変化を模索して いる現象」だと分析した。

◆肯定的な見方が多い=これらに対する評価はどうか。本紙の就職ポータルキャリアに依頼し、会社員1897人を対象にアンケート調 査をしてみたところ絶対多数が肯定的に評価していた。「情熱が感じられていい」(37%)、「格好いい」(17%)、「親しみを感じる」(14%)などの 意見(74%)が多かった。一方「負担になる」(10%)など否定的な見方は25%だった。

40代以上の男性会社員のうち「自分はDD族」だと答えた人は26.3%だった。DD族ではない理由に対しては「費用が負担になるから」(31.9%)、「他の人々の視線がいやだから」(29.7%)、「ファッション感覚がないから」(25.2%)などが挙がった。

OBの「口利き」を規制、地方公務員法改正案を閣議決定

 現在審議中の国家公務員法改正案の成立を前提として、今国会成立を目指す。

 再就職規制に関しては、<1>OBによる現職職員への「口利き」などの働きかけを国家公務員と同様に規制する<2>自治体による再就職あっせん、 現職職員による求職活動について、各自治体は国家公務員法改正案の趣旨を踏まえ、実態に応じて規制するための必要な措置を講じる――としている。これらに 関して不正な行為を行った場合、刑罰を科すことを定めた。

 再就職あっせんについては、自治体には国のような早期退職慣行がないことから、国の「官民人材交流センター」(新・人材バンク)と同様の組織創設を求めることはせず、自治体の主体的な取り組みに委ねた。

職員の再就職 退職後2年間報告 県へ営業活動なし 法令順守委知事に提言

 岡山県職員の倫理向上や法令順守の徹底を図るため、専門家の立場から意見や助言をする「岡山県コンプライアンス(法令順守)委員会」(会長・吉野夏己岡山大大学院准教授)は29日、同委員会でまとめた提言を石井正弘知事に報告した。  提言書では、職員に対するいわゆる「働きかけ」への対応と、職員の再就職の2点に言及。一定の公職にある人からの提案などが職員にあった場合、書面に記録して公文書として管理、開示請求があれば県行政情報公開条例に基づいて対応することを求めた。  再就職については、課長級以上の職員は、退職後2年間は就職先の報告と、県への営業活動をしないとする誓約書を提出させることなどを盛り込んだ。  吉野准教授は「透明性確保が提言のポイント」と述べ、石井知事は「国会での地方公務員法改正の審議の行方も見守りながら、内容に沿ってそれぞれに取扱要綱を定め、できるだけ速やかに施行したい」と話した。  同委員会は、全国で相次いだ官製談合の摘発を受けて岡山県が進めている入札制度改革の柱の一つとして発足。吉野准教授と奥田哲也、清野幸代両弁護士の3人で構成されている。

早期の離職回避に重点-県高校就職検討会議

 香川県内の教育機関や経済団体が高校生の就職支援策を話し合う「高校就職問題検討会議」が28日、香川県高松市の高松サンポート合同庁舎であった。就職 しても仕事が合わなかったり、人間関係がうまくいかず早期に離職する人が増加しているため、職場への定着促進を図るなどの2007年度事業計画を決めた。

 検討会議には香川労働局、県教委、県経営者協会などの17人が出席。県教委が1月に香川県内5校で職場への定着率を調べたところ、04年3月に卒業、就職した221人のうち同じ事業所で働いているのは60%にとどまり、06年3月卒の場合でも79%だった。

 香川労働局と県教委は新たに有識者や商工会議所関係者などとの研究組織を設置。離職理由やインターンシップの有効性などを調査し、進路指導に役立てる。内定者へのマナー研修や就職後の早い時期に在校時の担任が就職先を訪問するなどの離職対策にも取り組む。

就職氷河期を過ごした若者たちに

デュアリスは日産からの新しい提案型商品として開発された。日本投入の目的として、「新しいユーザーの獲得」「日産のブランドイメージ向上」「国内市場の活性化」があげられた。

ターゲットユーザー像としては、上昇志向とバイタリティに溢れた20代後半から30代前半の男性があげられていた。

日産マーケティング本部の島田哲夫マーケティングダイレクターは、ターゲットとする若者たちのイメージとして、就職氷河期を過ごし、そんな逆境の中でもたくましくなんでもやってのける存在、と語た。

実際に購入する年代はさまざまだろうが、「なんでもやってのける存在」である若者たちをターゲットにすることで、デュアリスのイメージをわかりやすくしている。

「力をまとえ。野心をまとえ。」というCMのキャッチコピーは、そんな若者たちを勇気付けるの日産からのメッセージなのだろう。

再就職支援、年金充実も 自衛官確保へ自民提言

 自民党国防部会は「このまま少子化が進めば、将来は自衛官の確保が困難になる」として、退職後の再就職支援や年金の充実などを盛り込んだ提言を来月6日にまとめる。政府に提出し、2008年度予算の概算要求や参院選公約に反映させるよう求める方針だ。

 防衛省によると、自衛官募集対象のモデルとなる18歳男子の人口は、1991年度の106万人をピークに、2011年度には61万人まで落ち込む見通し。

 提言は、若者の人口が減る中で自衛官志願者数を維持するため、在職中の待遇改善策として(1)階級間の給与格差を広げて昇任意欲を向上させる(2)専門性が高い業務や危険な業務に就く場合の給与・手当を拡充する-などを打ち出す。

 また自衛隊のイメージを高めるため、ビデオやポスターを活用した広報活動を展開。就職のあっせんに関し、大学や高校との連携強化を提案する。

近畿は踊り場? 中高年就職 依然厳しく

 近畿2府4県の4月の完全失業率と有効求人倍率は、前月比でいずれも改善した。ただ、年齢や雇用形態によっては求職者の希望が通りにくい状況は変わっていない。近畿の労働市場は、本格的な回復というよりもむしろ、踊り場にあるとの見方が強い。

 大阪労働局によると、大阪府では20歳から44歳までの有効求人倍率(季節調整前の原数値)は1・12~1・50倍と“売り手市場”なのに対し、45歳以上は0・73~0・95倍で、就職が困難な状況だ。

 正社員を希望する人に対する求人倍率も0・66倍と依然低調で、パートや派遣社員など非正規社員の採用を増やし、人件費を抑えようとする企業の姿勢は依然として強いようだ。

 近畿全体の求人件数のうち、サービス業は前年同月比で3・8%増えた一方で、建設業は8・8%、製造業は3・3%減少した。業界間の業績格差が求人活動にも表れている。

■株式会社ライトワークスについて

株式会社ライトワークスは、コンサルタントによるアドバイザリーや幅広い分野のeラーニング教材など、お客様の業務内容に特化したソリューションを提供す ることで、企業内の人材開発支援を行っています。ITを活用した人材育成による組織全体のパフォーマンスや付加価値の向上を実現し、これまで多くの企業や 官公庁、地方自治体から高い評価を頂いております。

■調査概要

「売り手市場」にあって、企業が優秀な学生を採用することはますます難しくなっている。また、内定期間の長期化を背景に、複数の内定を得た学生から辞退を突きつけられるという事態も増加し、人事採用担当者は内定辞退の防止策の考案を求められている。
そこで、学生たちは就職先を決める上で何を指針にしているのか。そして、内定辞退防止の有効な対策はないのか。そのためのソリューションの考察を目的に今回の調査を行った。

■『デイトレ型』になるかどうかは会社のサポート次第?

「会社にどのようなサポート体制をして欲しいですか」という質問でも、「先輩からアドバイスを受けられる仕組み(メンター制度)」や「希望の職務に就くた めのスキルがわかる仕組み」がいずれも95%と高い関心を示しており、「会社に自分を育ててもらいたい」という気持ちは強いと考えられます。社会経済生産 性本部が今年の新入社員タイプに命名した『デイトレ型』が象徴するように、好条件を求めて早期転職してしまう新入社員への研修を疑問視する声もあります が、会社が正しく育成することができれば、長期的な戦力となる可能性は高いと考えられます。

■最も身につけたいスキルは「ビジネスの基本」

「どのようなスキルを身につけてみたいか」という趣旨の問いに対して、「とても身につけたい」「どちらかといえば身につけたい」の合計が最も多かったのは 「基本スキル(ビジネス文書の書き方・挨拶の仕方など)」で、98%とほぼ全員が必要だと感じています。さらに「業界知識」(91%)や「パソコンスキル (ビジネスにおけるワード・エクセルの使い方)」(90%)などの基礎的なビジネススキルへのニーズも高い結果となりました。一方で「マネジメントスキ ル」や「語学」などは7割台と関心は高いながらも、今回の調査項目の中では下位を占めていることから、今後は「基礎から教えてもらえるかどうか」も会社選 びの重要な要素となりそうです。

2008年卒(予定)大学生対象「就職活動に関する意識調査」を実施

■7割が研修制度を確認、9割超が資格取得支援に興味
今回の調査で「企業を選ぶ際に、社員に対する研修制度を確認しましたか」という問いに対し、約7割が「はい」と回答。学生たちが企業の研修制度に高い関心 を示していることがわかりました。また、「どのような研修制度に興味を持ちましたか」という問いで「興味を持った」「どちらかといえば興味を持った」の合 計が最も多かったのは「資格取得の支援」の96%で、「自発的学習の支援」や「内定者研修」も9割以上の学生が興味を示しています。就職先を決める際に は、会社が社員の成長を支援しているかどうかが重要な指針のひとつとなっているようです。

高卒の就職内定率96・8%  県内

 就職を希望していた今春の県内高卒者のうち、四月末までに就職先が決まったのは96・8%と五年連続

ニート支援 本格化-奈良の相談拠点開所

 県中小企業団体中央会(出口武男会長)が厚生労働省から委託され運営するニート支援の総合相談窓口「なら若者サポートステーション」の開所式が28日、奈良市登大路町の県中小企業会館で開かれ、出口会長や奥田善則・県商工労働部長らが出席した。

 同ステーションは、就学や就業、職業訓練もしていない若者層の無業者、いわゆるニートの職業的自立を支援するため、対象者本人やその保護者に対してキャリアコンサルタントや産業カウンセラー、臨床心理士による個人相談やセミナーなどを実施する…

「働く貧困層」対策を

 福井新聞政経懇話会の第328回5月例会は29日、福井新聞社・風の森ホールで開かれ、エコノミストの門倉貴史氏が「急増するワーキングプア―その実態 と背景」と題し講演した。年収200万円以下のワーキングプア層の拡大は将来的に国力の衰退を招くとした上で、解決策として最低賃金の引き上げや正社員化 への法・制度対応など進めるべきとの考えを示した。

 講演要旨は次の通り。

 一、小泉政権時の規制緩和、グローバル化の進展により、資本主義が徹底され、雇用の流動化を背景にワーキングプアが生まれた。

 一、ワーキングプアの男性が5年で急増。特に家族を支える男性に増えているのは大きな問題。教育費を負担できず子供もそうなる可能性があり階層の固定化を招く。

 一、年齢層別では中高年層と若年層で増加している。中高年層は終身雇用のもと万能型のゼネラリストが求められた。リストラされ再雇用の場を求めても今はスペシャリストが必要で、低賃金を余儀なくされている。若年層での増加は雇用ミスマッチが原因。

 一、製造業を中心に非正社員化の流れがあるが、少子高齢化の進展でいずれ人材難が深刻化する。企業は中長期の視点に立ち、有能な人材確保に向け正社員化を進めないと労働者側の企業選別も起こりうる。

 一、ワーキングプア層には、一律の消費税は不公平。税負担軽減へは所得に合わせた「支出税」が理想。

 一、このまま放置すれば国内の消費や生産の縮小、税収減をはじめ、非婚化で人口減を招き国力が衰退する。対岸の火事とせず社会全体で解決すべきだ。

フリーターやニート逸失利益の算定基礎

 フリーターとかニートの存在が話題となっている。産業構造の変化は雇用関係にも影響して、正規採用を抑えながら非正社員の相対的増員で賄おうとする傾向が強い。固定化し、年々負担増となる人件費を減らそうとする企業論理が、そこにある。

 フリーターやニートといえども交通事故に遭わないとの保証はない。いつ、どこで、どんな事故に遭うか分からない。もし事故に遭った場合、その逸失 利益はどのように算定されるか。フリーターやニートといっても、勤労意欲はあっても働く職場に恵まれない人、勤労意欲に欠けて働こうとしない人など、その 中身は様々だ。

 一般に、不法行為(交通事故など)による人の死亡について、損害賠償額の算定は逸失利益(生存していたら得たであろう利益)を中心として考えられ る。死亡した人の平均的稼働期間、収入額や生活費を算出要素として計算されるので、年齢や職種、勤続年数などで差が生じて算定額は様々である。

 フリーターやニートの場合、死亡当時の収入が平均的生活費を下回っているケースもあり、逸失利益の算式が一定の定型にはまらず、算定が難しい側面 がある。だからといって逸失利益がないとは即断できない。彼らの逸失利益を否定すれば、個人として存在する尊厳性を否定することにもなりかねない。その点 を配慮して何らかの形で認めようとする社会的機運が高まっている。

 死亡当時、たまたま収入が必要とされる生活費を下回っていたかも知れないが、それは一時的な事情かも知れない。現在、フリーターやニートについて の詳細な公的データはなく、ましてや稼働能力回復の可能性などについては未知数といえる状況にある。だからといって、現に収入がないというだけで逸失利益 の算定ができないのは、整合性を欠くことになる。

 人的損害を算出する際に、人格を経済的存在として評価し、賠償する建前を採用しているが、1つの生命体としての絶対価値的存在である点に注目しなければならない。最近は、すべての賠償を定型化しようとする傾向にあるが、定型外だからと賠償が無視されてはならない。

 Y会社の従業員Zは会社所有のトラックを運転して帰る途中、酒に酔って歩いていたAを跳ねて死亡させた。Aは身体的理由から不規則な就労しかでき ず、これを苦にして酒に溺れ、事故当日も酒酔い状態だった。この事故でAを失った両親はY会社とZに対し、損害賠償と慰謝料の支払いを求めて提訴した。

 1審、2審とも、Aの両親が主張する「働く能力を絶対的に喪失していない」点を認めず、両親の逸失利益請求を退ける判決を下した。

 最高裁の第3小法廷も、原審で示された事実関係に理解を見せながらも、「得べかりし利益の存在ないし金額は認定できない、とした原審の判断は是認できる」として上告を棄却した。

 この判決に、世間の論議が沸騰した。「働く能力を喪失していた」という偶然の理由で、加害者の賠償責任が軽減されることは納得できない、とする意 見が高まったからだ。無収入の幼児や主婦らの逸失利益を認めながら、一時的に「働いていなかった」だけで、損害自体を否定するのは社会正義に反し、整合性 がない、と排除するのは理不尽だというのが大方の意見である。

 救済措置として、慰謝料に逸失利益分を補完して算出する考えもあったが、最高裁の判断には法理論の忠実な解釈に固執する余り、社会常識に反する結論が出された感じがする。それが世論を沸騰させた原因といえる。

失業率改善 弱者対策も忘れずに

 四月の完全失業率が九年一カ月ぶりに4%を下回った。景気拡大と好調な業績を反映して企業の新規採用が活発化したことなどが理由だが、フリーターや障害者など弱者の雇用拡大にもつなげたい。

 好景気がようやく雇用にも反映された。四月の完全失業率(季節調整値)は3・8%。4%を下回ったのは一九九八年三月(3・8%)以来だ。総務省は「雇用情勢の改善は続いている」とし、厚生労働省も「新卒採用に加えパート採用が増えた」と分析し歓迎している。

 最悪期三百五十九万人もいた失業者は、二百六十八万人と九十万人以上も減った。企業の倒産など「勤め先都合」による失業者は五十八万人で十一万人の減少だ。

 失業率低下をもたらしたのは正社員やパートなどの採用が活発に行われたことが主因だ。新規採用は今年から本格化した団塊世代の大量退職への対応策 でもある。厚労省と文部科学省の調査によると今春の大学生の就職率は96・3%と七年連続で上昇し過去最高だった。また厚労省の調べによる高校生の就職内 定率も96・7%で五年連続で上昇した。

 失業率改善は歓迎すべきだが中身をみるとまだ手放しでは喜べない。十五-二十四歳の失業率は男性8・0%、女性6・9%と格段に高い。二十五-三十四歳でも男性4・6%、女性5・4%と平均値を超えている。若者対策はますます重要だ。

 めでたく就職しても三年程度で退職する若者は依然多い。九〇年代後半の就職氷河期に直面した若者の中には、希望する職業・企業が見つからずフリーターを続ける人もいる。

 政府のフリーター対策では昨年四月から始めた「フリーター二十五万人常用雇用化計画」がある。厚労省によると現在までに三十五万人以上の常用雇用 を実現したという。学校にも行かず仕事を探さず職業訓練も受けない無業者(ニート)対策と合わせて、引き続き若者の雇用拡大に取り組んでもらいたい。

 好景気が続いている今こそ障害者や母子家庭、高齢者など弱者の雇用を拡大すべきだ。社会的安全網の一つである公共職業安定所(ハローワーク)の出番だ。政府の再チャレンジ支援でも障害者たちの就職目標値がある。地域振興とともにしっかりと取り組んでもらいたい。

 企業は人材確保にもっと真剣に取り組むべきだ。フリーター経験をマイナスに評価するのではなく社会経験を積んだ人とみる。国家公務員も本格的に中途採用に踏み切った。若者や弱者たちの積極的な採用は、企業の社会的責任の一つである。

「フリーター向け共済制度創設へ」高木連合会長が表明

 連合の高木剛会長は29日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見し、フリーターがけがや病気になった際に利用できる共済制度を創設する考えを明らかにした。

 会見で高木会長は「1人500円程度を負担してもらい、交通事故の際などに(金銭面で)フォローするような共済制度を設け、インターネットを通じてフリーターに呼びかけていきたい。現在、法的に詰めている」として、近く正式に公表するとした。

 このほか、フリーターを正規雇用に切り替えるよう企業に働きかけるなど、連合としてフリーター支援を強化する姿勢を示した。

 また高木会長は、「最近1年間でパート労働者など20万人が新たに組合員となり、現在は約50万人になった。数年のうちに100万人に達する」と述べ、引き続き非正規雇用者の組織化を進めていく考えを改めて示した。

新入社員、5年後の転職を狙う

 野口さん(仮名)は大学時代、メーカーを中心に就職活動を行いました。大学の研究室の推薦枠もあったのですが、入社後のしがらみのことを考えると何となく嫌で、自力で就職活動を行うことにしたのです。

  野口さんが就職活動を行った時期は、就職氷河期といわれた時代です。そもそも新卒を募集していなかったり、募集していても若干名の募集だったりと、就職活 動は大変厳しいものでした。野口さんは当初有名な大手メーカーを中心に応募していましたが結果は振るわず、最終的に1社だけ内定をもらえたI社に入社を決 めました。

 それなりにI社は気に入っていましたが、心の中ではこう決めていました。「この会社でスキルを身に付け、5年後にはS社に転職する」と。

毎日終電の業務量。しかも残業代に上限があって申請不可という実態が!

この質問で逆面接!
『1人あたりの顧客担当数は?スケジュールの進め方や納期はどうなっていますか?』

一番まずいのが「残業はあ るんですか?」という聞き方だと岡本さん。 「業種や仕事内容によって聞き方はそれぞれですが、大切なのは業務の実態をヒアリングして類推するという方 法。担当顧客数やスケジューリング、納期などを具体的に引き出すことで、コントロール可能な業務量かどうかの判断ができるはず」 また、残業代について 「申請の上限はあるのですか?」と聞くことは問題ないとのこと。

まだある転職失敗談!アナタもつい同じ質問してませんか??

「経験者優遇」のはずが、入社してみたら未経験者と同じ給与

この質問で逆面接!
『これくらいの経験がある人は御社ではどのポジションでどのような仕事を任されていますか?』

どんなに求人広 告に「経験者優遇」と書いてあっても、その中身は確認しなければわからないもの。自分と同じレベルの人は、実際にどういう働き方をしているのかを確認し、 そこから類推することが必須だ。 また、内定後に待遇などを確認するオファー面談の際、あまりに低い年収額を提示されたら、「御社には魅力を感じているも のの、この給与では正直ちょっと厳しいです…」と素直に話してみるのも戦術の一つ。

【女の転職】給与・待遇・離職率。。。聞きづらい質問の尋ね方

面接は聞かれたことを答えるだけでなく、しっかりと面接官から”会社の実情”を聞き出し、本当に入社していい会社を判断する「逆面接」の場でもある。
知りたい情報をうまく引き出す質問の仕方を学ぼう!

入社後に後悔しないために「逆面接」の仕方をレクチャー!

面 接を受けたものの、緊張のあまり聞かれたことに答えるのが精一杯だったーーなんてことでは、せっかく受かっても入社後のイメージギャップを招きかねない。 そんな失敗転職を防ぐために、面接の場では応募者側からも積極的に質問をして、必要な情報をしっかり入手することが必要。絶対にこれだけは外せない、面接 官への「逆面接質問」を覚えておこう!

■よくある転職失敗談
契約社員から正社員になっても給与はまったく変わらなかった!
  ↓
この質問で逆面接!
『少し聞きづらいのですが入社3年目の方の給与はどのくらいなのでしょうか?』

「給与に関する質問は企業にとってデリケートな内容となる場合も多いので『いくらもらえるんですか?』といったストレートな聞き方は避けるべき。『少し聞きづらいのですが』という一言を添えて、実例を聞く程度に留めましょう(データ・ブリッジ/岡本哲男さん)
ただし契約社員から正社員へのキャリアパス等は、通常事前に具体的な内容を応募者に伝えるべきもの。話してくれない企業はちょっと心配かも。

ワークポート、動画でサービス内容を説明する「無料IT業界転職支援サービス 紹介MOVIE」を公開

IT業界に専門特化した人材紹介会社である株式会社ワークポート(東京都品川区、代表取締役社長 CEO 田村高広)は、サービス内容を動画で説明する「無料IT業界転職支援サービス 紹介MOVIE」を公開致しました。

バイリンガルに特化した転職情報サイトを開設しました

プレスリリース
株式会社 ジェイ エイ シー ジャパン  [商品サービス]
バイリンガルに特化した転職情報サイトを開設しました

人材紹介の株式会社 ジェイ エイ シー ジャパン(本社 東京都千代田区 代表取締役社長 神村昌志 以下 JACジャパン)は、日本語と英語のバイリンガルに特化した転職情報サイトを開設します。 

 新ウェブサイトはすべて英語のみで構成。語学力を必要とする外資系企業の最新求人や転職セミナー情報を閲覧できるほか、無料転職支援サービスへの申し込みが可能です。
 さらに、企業紹介コーナーやキャリアコンサルタントによるコラムで、外資系企業への転職動向や国際的な視点から見た求人企業の魅力、外資系ならではの人材活用の考え方などを紹介していきます。

 JACジャパンは、今年1月に外資系企業への人材紹介を専門とする国際事業部を新設。日本をはじめ、中国・台湾や欧米など12カ国・30名のコンサルタントやスタッフを配置しています。
 語学に堪能な人材の獲得を強化することで、日本での事業拡大を狙う外資系企業の人材ニーズに対応してまいります。


<新ウェブサイト概要>
○URL http://bilingualcareer.jacjapan.co.jp/
○公開日 2007年5月24日(木)
○主な掲載内容
Latest Jobs・・・・・・・・・・・・バイリンガル向け求人を掲載。毎日更新 
Spotlight Company・・・・・・求人情報だけでは得られない経営者の考え方や企業の文化、日本ではまだ認知が低い国際企業も紹介

Counselors' Columns・・・・コンサルタントによるコラム。業界別の転職動向などを紹介
Seminars・・・・・・・・・・・・・・外資系企業への転職に役立つセミナーや転職フェア情報を掲載

配信日 2007-05-24
カテゴリ 教育・資格・人材
記事ネタTAG 転職
参考URLhttp://bilingualcareer.jacjapan.co.jp/
リリースURLhttp://www.jacjapan.co.jp/news/2007/05/post_34.html

肩書一つで残業代ゼロ 社員は全員役職付き:されど管理職

4月27日、東京地裁。全国展開する外食チェーンのフランチャイズ店の元店長(42)は、生まれて初めて法廷に立った。昨年7月に退職し、未払い残業代や慰謝料を求めて経営者を訴えたのだ。「管理職とは名ばかり。安く使うための方便だったのでは」。元店長はつぶやく。

 大手ホテルから00年に転職した。いずれは郷里で祖母の面倒をみたい。地方は仕事が少ないが、全国チェーンなら地元に店を出せるかもしれない。そんな夢を抱いていた。

 同じフランチャイズは都内に2店舗あり、03年にその一つの店長になった。店長なのに、店員の採用は経営者の許可が必要。会計報告も毎夜、経営者にファ クスやメールで送って指示を受ける。2~5人のパートやアルバイトに指示し、自身も接客、調理、食材の仕入れ、会計をこなす。05年からは弁当の宅配サー ビスも引き受けさせられた。

 朝は9時半に店に出て午前2時半まで働く。代わりがいず、店長になって3年間休みはゼロ。労働時間は月500時間に達したが「管理職だ から」と残業代はない。1万円の店長手当を入れても月収は約33万円、時給換算では600円台。東京都の最低賃金719円を下回った。「おれは機械じゃな い」と思った。

 過労と睡眠不足で不安が強まり、不眠とうつ病になった。経営者の40代の男性は、気に入らないと店の裏で頭突きをしたり、カウンターの陰で足をけったりした。怖くて逆らえない。

 06年4月、祖母が脳梗塞(こうそく)で倒れた。看病のため休みをとったら、「やる気がない」と店員に降格された。祖母の葬儀で帰郷すると経営者は追いかけてきて「2、3日で戻れ」と胸ぐらをつかんで脅した。「もう我慢できない」と退職した。

 労働基準法は「管理・監督者は労働時間の規制から除く」としている。判例によると、「管理・監督者」とは自分の裁量で労働時間を決められる人だ。だが、店長、課長といった肩書の人には残業代の支払いは必要ないという誤解を利用した「管理職活用法」が広がっている。

 ある40代管理職が働く関西のサービス関係の会社では、入社4、5年で全員が「責任者」や「リーダー」になる。

 肩書がつくと、年俸制になり残業代が出ない。役員以外は役職給もない。なのに労働時間は長く、非管理職のほうが時間あたりの賃金が高くなる。「人件費減らしとわかっているが、社長はワンマンで労組もない。苦情は出ない」


 都内のしにせの外資系企業で管理職だった男性(39)は05年、新興の外資系IT企業のマネジャーに転職した。「年収は2、3割アップ。会社が大きくなれば部門を率いる地位に」と誘われたのだ。

 入社したら、社員は全員マネジャーなどの肩書付きだった。厳しい納期でプロジェクトを任され、午前1時、2時まで働いたが、「管理職だから」と残業代は出ない。終電を気にせず働けるようにと、遠くに住む社員は会社が引っ越し代を負担して、職場の近くに転居させられた。

 取引先の日本企業に、「組織図をください」と言われた。「この図で権限を持っているのはだれですか?」

 「役職が多すぎて権限の所在がはっきりしないことを、彼らも知っていたんですね」

 解雇も頻繁で、ある日突然同僚が消える。「管理職に」と誘われれば悪い気はしないので募集しやすい。「管理職が労働争議なんてみっともない」と泣き寝入 りする人が多いので、解雇も簡単。「管理職」は、身軽に進出・撤退を繰り返すIT企業にとって、打ち出の小づちだと思った。

 会社との関係がこじれ、男性も昨年暮れ解雇された。地域労組をたずね、そこで「肩書がつけば残業代はいらない」は誤解だと知った。

 昨年、一定以上の年収の働き手を労働時間規制から外して残業代を払わない米国流の「ホワイトカラー・エグゼンプション」が、日本でも導入 されそうだと聞いた。「肩書をつけただけでは残業代は節約できないことが知られ始めた。別の打ち出の小づちが必要になったのかも」。男性は苦く笑う。

【労働基準法41条】

 労基法の労働時間、休憩、休日についての規定は、管理・監督者、及び機密の事務を取り扱う者には適用されない。

【通達などによる「管理・監督者」とは】

 経営方針の決定に参加し、または労務管理上の指揮権限を持つなど、経営者と一体的な立場にあるかどうかを、肩書の名称にかかわらず実態に即して検討して判断。

 具体的には、勤務時間に自由裁量があるか、役職手当などで地位にふさわしい待遇を受けているか、なども重視。

■大きな決断へのアプローチ

 決断と情報収集がニワトリとタマゴのような関係にあることは、われわれのキャリア選択においても多くを意味します。例えば起業・転職・移住といっ た大きな決断を、ただ並べて比較検討することはできない(できるが浅いレベルでしかできない)としたら、できるだけよい選択をするために何ができるでしょ うか。

 並列でなく直列に試してみることが、1つの解になるのではないでしょうか。優先順位を決め、順に試してみるという ことです。起業について熱狂的に研究する時期、転職を前提として人材紹介会社のキャリアコンサルタントに会ったり経歴書をまとめたりしてみる時期などを、 意識的に作りだしてみることはできます。もちろん実際に起業なり転職なりをして得られる経験には及びませんが、できるだけ本気モードで臨めば、網様体賦活 系も反応してくれるでしょう。

決断がよい情報収集を促す側面もある

 根拠をそろえて、決断する。上記は極めて妥当な順序に思えます。しかし、この論理的なアプローチには落とし穴もあります。

 Aという車(自動車)を買おうと思った途端に、Aという車をよく見掛けるようになった。

 誰しもそんな経験があると思います。例えば、わたしは最初の子どもが生まれた途端に、赤ちゃん連れの人が使っているだっこひもやベビーカーのたぐいが目に飛び込んでくるようになりました。

 そういう運搬道具(?)を買わなければならないことは生まれる前から分かっていたはずですが、いよいよ現実に買わなければならない段になって初めて脳のどこかのスイッチが入ったようです。ただ「見る」だけでなく、文字どおり「目に飛び込んでくる」ようになったのです。

 これは、重要な情報をフィルターして意識させる脳の機能のなせるわざで、脳幹網様体賦活系という組織がその役割を担っているそうです。

  重要な情報は「目に飛び込んでくる」くらいよく見える一方、重要でない情報は「見れども見えず」状態になってしまう。ということは、よい情報収集のために は、その対象を「重要」と思う必要があります。では、脳は何をもって「重要」とするのか。それは、「やると覚悟する」こと。「やろうかな」では十分ではあ りません。このあたりは、目標設定とその効果についての書籍でもよく書かれていますし、多くの皆さんが経験されていることでもあるでしょう。

  論理的には、情報収集を経て決断すべきです。人間には決断を先に延ばすことで、情報収集の質・量が深まるという特性を知っています。これが、個人の決断に ついては「意志決定」という字を当てている理由です。仕事でも同じメカニズムは働くのですが、情報収集に時間を割くためにも合意が必要であり、担当者が思 い込み先行で行動するのは難しい。しかし、それを乗り越えて大ヒットを生み出した事例がしばしば紹介されます。

仕事上の意思決定には客観性が求められる

 通常、仕事における意思決定というものは、以下のような論理的なステップを踏んで行われます。

  1. 目標設定(何を決めるかを決める)
  2. 情報収集
  3. 分析
  4. 選択肢の比較(シミュレーションを行い、結果を予測する)
  5. 判断

 なぜエイヤで決めてはいけないのか、あらためて確認しておきましょう。

  個人事業など、結果に対する責任を負うのが1人であれば、エイヤで決めてしまっても構わないわけです。しかし組織で動く場合には、仕事を執行する人間も複 数いますし、執行する人間と責任を負う人間が別だったりします。ですから、期待する成果は何か、そのためにどれだけの経営資源を割くか、どのようなリスク があるか、誰が何について責任を負うかなどを明らかにし、合意を取り付けておく必要があります。

 その合意の根拠となるのが、論理的な意思決定のプロセス。情報収集は十分か、分析は客観的か、選択肢の洗い出しと比較は妥当か。こういったプロセスが透明であり、かつ筋が通っていることが、合意形成の条件になります。

■とどまるリスク、忘れていませんか?

 最近、転職をお考えの方で、勤務条件にこだわる方が増えてきたように思います。また、転職の失敗例についても、いろいろな情報が流れているようで、転職相談をするものの、結局活動しない選択をする方もいらっしゃいます。

  時々思い出すのが、不況で企業の採用活動が低下したときに転職活動をあきらめたり、会社がつぶれた後に転職相談にお越しになり、いろいろな条件を妥協して 急いで入社を決めた方々のことです。不況の前には、ITバブルといわれた時期がありました。その時期に活動をしていただいていれば、キャリアアップ・年収 アップ転職も可能だったのに……と、しばしば残念に思ったものです。

 現在は、会社の業績も良いので、あえて転職しなくても……と考える方も多いかもしれません。その中の一部の方は、いまの転職時期を逃さずに転職すべきなのです。会社の状況はいつ変わるか分かりません。

  将来的に不況となっても生き残れるスキル、身に付けていますか? きっと自分は大丈夫、と思っている方こそ、危ない傾向にあるかもしれません。採用状況が活発ないまだからこそ、一度キャリアチェックしてみませんか? いまこそが、キャリアを再構築できるチャンスなのかもしれません。

筆者プロフィール

■数年後、会社の業績は悪化

 Mさんが入社後数年して、会社の業績は悪化してきました。Mさんの時代には積極的に行っていた新卒採用も、ここ2、3年は1人も入ってこなくなりました。若手が行う作業をする人がいないため、結局Mさんがその作業を行っています。

 将来は上流工程にチャレンジできると思っていましたが、会社の業績が悪くなるのと比例するかのように受注プロジェクトが少なくなったせいか、まだまだ上の社員がつかえており、上流工程にチャレンジできそうにありません。

 このままでは、将来に不安があると考えて転職を検討するようになり、人材紹介会社にも登録したのです。

あのとき転職活動を始めていれば……

 Mさんが弊社に転職相談に訪れたのは、数年前の不況期でした。現在に比べると求人数も少なく、特に汎用機系の求人はほとんどない状況でした。

 M さんに対してキャリアカウンセリングをしていて感じたのは、おっとりしすぎている、というものでした。残業時間については、在籍している企業が平均よりか なり少ない残業時間であったため、一般的な残業時間と思われる企業をご紹介しても、躊躇(ちゅうちょ)してしまうところがありました。

  さらに問題があると思われたのが、リーダー経験・後輩を育てた経験の少なさです。Mさんがご相談に訪れたときは20代の後半。そろそろリーダー経験が評価 の対象にされ、それが転職の合否にかかわるような年齢です。しかし後輩が入社してこなかったため、Mさんはリーダーといわれても仕事のイメージができない ほどの状況でした。

 Mさんのスキル・志向に合う企業は見つかりませんでした。Mさんに状況をお伝えしたとき、「今後、自分の仕事・年収はあまり上昇しないかもしれませんが、たぶん雇用は保証されるはず……。ですのでいまの会社に残ります」とのことでした。

 もし、Mさんが前述した初めに転職を考えたタイミングで転職していれば、今回のタイミングが2度目の転職だとしても、年収アップの転職ができたかもしれません。

失敗を恐れたら前に進めない

 プロジェクトでは、さまざまなリスクを想定して行動すると思います。転職も同じです。転職をするまでも、さまざまなリスクが顕在化する可能性があります。

 しかし、失敗を気にしすぎて、本来の転職すべきタイミングを逃してしまう人もいらっしゃいます。今回は、転職をやっと決意したものの、転職をあきらめることになったMさんの例をご紹介します。

リスクを考え転職するか悩む

 M さんは大学卒業後、小規模なソフトハウスに入社しました。大学の専攻は文系学部でしたが、ITスキルが将来重要になると考え、IT業界を中心に就職活動を し、3社から内定をもらうことができました。その中から、規模は小さいものの、いろいろ先輩から教わることもできそうな、幅広い年齢層の先輩がいる企業に 入社を決めました。

 Mさんは入社後に汎用機の保守を中心に行う部署に配属されました。学生時代はITに関してほとんど接することがなかったMさんにとっては、汎用機だろうと保守だろうと新しいことばかりでした。

 しかしIT業界のことを少しずつ学んでいく中で、汎用機の保守作業のキャリアは評価があまり高くないということを知るようになったのです。

  会社の中では、上流工程に携わっているITエンジニアもいます。しかし、上流工程にかかわることのできる社員は、ほとんど自分よりもかなり年齢が高い人ば かりでした。汎用機以外の仕事ができる可能性を求めてプロジェクトの転換を希望してみましたが、思いどおりになりませんでした。

  一方で、転職をした同期の話を聞くチャンスがありました。ある同期はキャリアアップを求めて、オープン系のシステムにかかわることのできる企業に転職しま した。その同期は、かなり忙しく働いているようでした。転職して年収がアップしたとはいえ、年俸制の企業だったので、時給で考えると年収はダウンしてし まった、ということでした。

 Mさんの職場ではほとんど残業はなく、残業があったとしてもきちんと残業代は付くため、就業条件を落としてまで転職する必要はないと思ったのです。これが最初にMさんが転職を考えたタイミングだったのですが、実際に行動に移すことはありませんでした。

RAPPELZ、6月に待望の二次転職システムを実装

 ガーラはMMORPG「RAPPELZ」において、2007年6月に実装されるアップデートの概要を公開した。

 アップデートとなるEPIC 4「REVOLUTION」最大の目玉と言えば二次職。経験を積んだ冒険者のみが、転職して更なる力を手に入れることが可能となる。

 「ファイター」は防御に特化した「ナイト」とバランス型の「ウォリアー」に、「クレリック」は、攻撃魔法を操る「メイジ」か、補助と回復の魔法を使う「プリースト」になることができる。また、「テイマー」はクリーチャーを召喚する「ブリーダー」にパワーアップが可能。

 「ストライダー」は潜伏スキルを持つ「アサシン」か、遠距離攻撃力の高い「アーチャー」を選べる。「マジシャン」は範囲攻撃と補助魔法を使う「ソーサラー」や死体を操る「ダークマジシャン」へ転職可能。「サマナー」はそのまま「バトルサマナー」になる。

 「闘士」は最高の破壊力を持つという「重戦士」や、罠を使う「狩人」へパワーアップ。「呪術師」はバランス型の「魔導師」、白兵と魔法の「魔闘士」を選択可能。「野獣師」は敵の召喚魔法を封印できる「魔獣師」にシフトする。

 実装が待たれる「REVOLUTION」だが、クリーチャースキルや、ゲームシステムのバランスなどは、日本独自の運用体制が取られるとのこと。詳細な日時は現時点では未公開だが、今後の情報公開が期待されるところだ。

2007年5月23日水曜日

ホームレス仲間

 人間関係に疲れ、社会との関係を絶ちたいからホームレスとなった人はもちろんいるが、多くの人はホームレス同士で助け合い、基本的に物々交換などで融通しあっている。

  物々交換だけでなく、「サービス」と「モノ」の交換も行われている。元理容師の男性は、ホームレス仲間の髪を切ることで、食べ物から、酒、たばこまで、生 きていくのに困らない物資を得ている。また、元すし職人だったホームレスは、高級すし店の裏で拾ったネタの「くず」を拾い、握り直してたばこなどと交換す る。

 食べきれないほどの廃棄食品が手に入った場合は、必ず仲間に分ける。持っていても腐るだけだし、貸しをつくっておけば次は自分がもらえるからだ。

 いつどこで仕事があるか、炊き出しはどこに行けばいいかといった情報もホームレス仲間と親しくしていれば得ることができる。

 しかし、同じ地域にいるホームレスとの付き合いがうまく行かなければ、その地でホームレスを続けていくことは難しい。うまく溶け込めたとしても、自分の本名を明かすことはほとんどといっていいほどなく、仮名で通す人が多い。仲間にもあまり自分の過去を語りたがらない。

 以上、衣食住を基本に、現在のホームレスがどのような生活を送っているか、私の実感をもとに書いてみた。おそらく、これまでみなさんが持っていたホームレスのイメージとはかなり違うものではなかっただろうかと思う。

 こうした話は、私が何度も彼らの元へ足を運んで、取材という気持ちではなく、世話好きから出た好奇心で世間話をする中から、ポロッと出てきた話ばかりである。彼らは、本当は話をしたがっているし、誰かに話を聞いてもらいたいと思っている。

仕事と収入

 昔のホームレスと違って、今のホームレスの多くは、何かしら稼ぐ方法を持っている。月に10数万円以上稼ぐ人も少なくない。

 日雇い労働などで平日は毎日仕事に行っている人、週に何度か仕事に行っている人、金属や古紙などを回収して換金している人もいる。回収業ではアルミ缶回収がもっともよく行われており、それぞれが個人で縄張りを持っている。

 アルミ缶は3~4年前まで1キログラムあたり80円ほどで引き取られていたが、現在は120円と1.5倍になった。同じアルミ缶でもモノによって値段が 違うようで、例えば、ビールのアルミ缶は1キログラムあたり120円だが、窓枠に使われるサッシやフライパンに使われるアルミは値段が1~2割増しになる という。

 また、電化製品のコードなどに使われている導線も引き取り価格が比較的高いので、ホームレスの間では人気がある。

  廃品を回収し、修理して売る方法もある。粗大ゴミとして出される電化製品を回収し、修理して学生などに売る人がいる。また、高級マンションのゴミ捨て場で 使えそうな物を回収、フリーマーケットの出店者に売る。とにかく、捨てられているものでも売れるものは何でも売って自分の糧にするのである。

 そのほか、春は花見の席取り、夏は花火の席取り、通年では野球やサッカーの試合や芸能イベントのチケット取りで報酬を得ている。

 また、もともとあった住所でつくった銀行口座に年金を受給して、悠々自適に暮らしている人もいる。

キーボードを猫から守るツール

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キーボードが散歩ルートの猫を空中10cmで受け止める
猫除け『Kitty Keyboard Cover』です。

透明アクリル製。昼寝もホレ、ご覧のように。

もう一個の猫除けは、ソフトウェア『PawSense』。
な、なんと、猫がタイプすると、そのスピード、動き、力の複雑なアルゴリズムから「猫だ!」と瞬時に見分けタイプ不能にロックしちゃうんです。そして猫が異変に勘付く間もなく、不吉な音を発し、猫がその辺にいられないようにします。

ワーキングプア・アメリカからの警告

「働いても働いても、豊かになれない」と大きな問題となっているワーキングプア。アメリカでは、日本に先駆けて深刻化し、注目を
集めている。「勤勉に働けば報われる」という米経済の理念が、ついに崩れ始めたからだ。貧困が貧困を生む連鎖と、世代を超えて悪
化していく状況に歯止めがかからない。

ダメな面接――しゃべりすぎは話さないのと同じ

 企業の採用活動も面接→内定だしという段階にきている。すでに数社に合格している人もいれば、まったく決まっていない学生もいる。「売り手市場という感 覚は全くない」という声も聞こえてくる。たしかに、金融機関を始めとして大量採用を実施しているが、自分が行きたい業界・企業の求人が増えているわけでは ない。また、各社が求める人物像は言い回しが違っているだけで、ほぼ似通っている。結局、内定が多数出る学生と、まったく出ない学生に二極化するのは売り 手市場になっても変わらない傾向である。

 選考プロセスで最も重視されるのは面接である。「ダメな面接」にスポットを当て、落ちる学生の傾向をお伝えする。

 面接で玉砕する学生はパターンが似通っている。その中でも、実は多いパターンが「しゃべりすぎ」である。学生は面接の練習を繰り返し、本番に臨んでいる。特に、自己PRなどには非常に力を入れている。

 一方、「あれもこれも」と詰め込みすぎて長くなってしまうことはよくあることだ。たまに自己PRに5分以上かける学生と遭遇する。志望理由から、勉強か らサークルからアルバイトから趣味まで網羅的に長々と話をする。会社の雰囲気にかかわらず、一芸披露をする学生もたまにいるようだ。就職ジャーナルの面接 特集では、「学生が手品を披露したが、イマイチだった」ということをカタそうな会社の人事が語っていたが、気持ちはよく分かる。しゃべり過ぎの学生に自己 PR内容に関する質問をすると、用意してきた答え以外のことは答えられないこともよくある。

 グループディスカッションも同様だ。話が長い学生はたいてい、ここで落とされてしまいがち。「しっかりと自己PRしたのに、落ちたのは何故だ?」という 学生の声をよく聞くが、言うまでもなく、しっかりした自己PR=長い自己PRではない。要するに相手に伝わるかどうかが大事である。簡潔に、分かりやすく 伝えてもらいたいものだ。

 現場の社員が面接官に動員されていることは前回もお伝えしたが、現役社員は簡潔な話を好むので長い話は逆効果だ。実際に、面接を通過する学生は、別に長 い話をしなくても醸し出す雰囲気で人となりが伝わる学生が多い。また、別に面接では「上手に話せるかどうか」をみているわけではない。話すだけでなく、人 の話を聞けること、場の空気を読めることも大切である。

 しゃべりすぎは話さないのと一緒である。この部分はぜひ、見直してもらいたいところだ。

就職希望者にわいせつ行為  24歳の三菱UFJ行員逮捕

 就職活動中の女子大生に採用内定をちらつかせ、わいせつな行為をしたとして、大阪府警曽根崎署は19日、強制わいせつ容疑で三菱東京UFJ銀行難波支社の行員白石真也容疑者(24)=大阪府貝塚市二色=を逮捕した。

 今春、白石容疑者と酷似した男による同様の手口の被害が数件確認されており、同署は余罪があるとみて追及している。

 調べでは、白石容疑者は4月8日午後、同窓生の新人採用担当者を装い、国立大4年の女子大生(21)=岡山市=に「あなたの評価は高い。応援したい」などと言って大阪市北区のカラオケ店に呼び出し、店内で抱きついたり、キスした疑い。

 女性は抵抗し、途中で店内から逃げ出して同署に被害届を提出した。白石容疑者は容疑を認めているという。

旭刑務所就職説明会に220人参加

 二〇〇八年十月に浜田市旭町に開所される、民間のノウハウを生 かしたPFI方式の刑務所「島根あさひ社会復帰促進センター」で見込まれる業務の合同就職説明会が十九日、同市内二カ所であった。警備員や事務職など、約 二百五十人分の雇用に、予想を上回る計二百二十人が参加し、注目度の高さを物語った。

 同市や浜田商工会議所などでつくる市雇用構造改善協議会が、市中心部(同市野原町・いわみーる)と地元の旭町(旭センター)で開いた。

 参加者は、刑務所の概要説明を受けた後、建設・運営を担う企業グループが、警備▽事務▽医療関係▽清掃▽刑務作業指導-の五職種ごとに設けたブースに分かれ、業務内容や採用方法を聴いた。

 同協議会が百人と見込んだ、いわみーる会場には百四十人が参加。大手警備会社のブースでは、採用の年齢制限や社員寮の有無を尋ねる質問に、担当者が「幅広い年齢層を募集したい。自宅通勤が望ましいが、社員寮も計画中」と答えた。

 三月まで、島根県外で派遣社員として働いた同市内の男性(41)は「県内に定住したいが、仕事がなかなかない。社会貢献できる刑務所の仕事は興味がある」と関心を寄せた。江津市内の男性(29)も「刑務所は安定している。警備員の仕事を詳しく聞いてみたい」と語った。

 企業グループを構成する大林組の歌代正・上席グループ長は「地元から多く雇用するよう、意思統一している」と地元への配慮を強調。「多くの方が刑務所の仕事に興味を示しており、地域と共生する刑務所として、良いスタートを切れそう」と手応えを感じた。

就職希望者の女子大生にわいせつ行為…24歳の三菱UFJ行員逮捕

 就職活動中の国立大4年の女子大生(21)に採用内定をちらつかせ、わいせつな行為をしたとして、大阪府警曽根崎署は19日、強制わいせつ容疑で三菱東京UFJ銀行難波支社の行員白石真也容疑者(24)を逮捕した。

 今春、白石容疑者と酷似した男による同様の手口の被害が数件確認されており、同署は余罪があるとみて追及している。

 女子大生は同銀行への就職が第一希望だったといい、二次面接の結果について採用担当者からの通知待ちだった。同署は、採用担当ではない白石容疑者が連絡先や個人情報を知った経緯も調べている。

 調べでは、白石容疑者は4月8日午後、同窓生の新人採用担当者を装い、女子大生の携帯電話に「あなたの評価は高い。応援したい」などと連絡。大阪市北区のカラオケ店に呼び出し、店内で「自分の言うことを聞けば内定がもらえる」と持ちかけ抱きついたり、キスした疑い。

 女子大生は抵抗し、約20分後に店内から逃げ出して同署に被害届を提出。同署は、入退店時の防犯カメラの映像などから白石容疑者を突き止めた。容疑を認めているという。

 三菱東京UFJ銀行は「行員が逮捕され、誠に申し訳ありません。捜査には全面的に協力します」とコメントしている。

就職希望者にわいせつ行為 24歳の三菱UFJ行員逮捕

 就職活動中の国立大四年の女子大生(21)=岡山市=に採用内定をちらつかせ、わいせつな行為をしたとして、大阪府警曽根崎署は十九日、強制わいせつ容疑で三菱東京UFJ銀行難波支社の行員白石真也容疑者(24)=大阪府貝塚市二色二丁目=を逮捕した。

 今春、白石容疑者と酷似した男による同様の手口の被害が数件確認されており、同署は余罪があるとみて追及している。

 女子大生は同銀行への就職が第一希望だったといい、二次面接の結果について採用担当者からの通知待ちだった。同署は、採用担当ではない白石容疑者が連絡先や個人情報を知った経緯も調べている。

 調べでは、白石容疑者は四月八日午後、同窓生の新人採用担当者を装い、女子大生の携帯電話に「あなたの評価は高い。応援したい」などと連絡。大阪市北区のカラオケ店に呼び出し、店内で「自分の言うことを聞けば内定がもらえる」と持ちかけ抱きついたり、キスした疑い。

 女子大生は抵抗し、約二十分後に店内から逃げ出して同署に被害届を提出。同署は、入退店時の防犯カメラの映像などから白石容疑者を突き止めた。容疑を認めているという。

客室乗務員“989対1”の競争

21日発表された済州(チェジュ)航空客室乗務員女性新入社員の競争率だ。5人の募集に4947人が殺到した。キャリア採用は4人募集に78人が志願し19.5対1の競争率を見せた。

済州航空だけではなく、1年に3、4回ある大韓航空とアシアナ航空の新入乗務員採用でも普通50~100対1の競争率を見せている。 済州航空に求職者たちが大挙集まったのは、乗務員という職に人気があるというのもあるが、就職難がそれほど深刻だという現実を反映している。昨年、国家人 権委員会が乗務員採用年制限を改めよと勧告したことによって、今年から航空会社が年齢制限をなくしたことも競争率を上げた要因だ。

乗務員養成専門学校であるANCのキム・ジョンウク企画広報チーム長は「就職が難しい状況で、1年目の年俸が2800万ウォンであり、見た目もスマートに見えるという点から乗務員志願者たちが多い」と話した。

大学卒業者たちの就職難は乗務員だけではない。今年、大学を卒業したあるネチズンは「ソウル所在の4年制大学を出たが、率直にこれほ ど就職できずに途方に暮れなければならないとは夢にも思わなかった」とし「息苦しくてストレスばかり受け、1年もたたない間に体重が12キロも落ちた」と 就職ポータルインクルート掲示板に書き込んだ。修士卒30歳というある女性求職者は「ここ4カ月間、数え切れないほど履歴書を送ったが、面接は3カ所の み」とし「年齢的にもあせりがあるが、大学院卒業を隠して願書を出してみようかと思っている」と明らかにした。慶北浦項(キョンブク・ポハン)の24歳大 卒女性求職者は「あちらこちらへ履歴書を振り撤いているのに連絡が来なくて困惑している」とし「生産職にしようか考えている」と吐露した。

インクルートが昨年12月465社の上場企業を対象に調査した結果、2006年の新入社員入社倍率は平均56.2対1だった。 2005年(48.6対1)より入社競争が激しくなっている。インクルートのイ・グァンソク代表は「2殆白」(イテベク=20代のほとんどが無職)という 造語ができるほど、青年失業が深刻になり、多くの青年が大学卒業後、働き口が見つからない」とし「大学卒業者たちは毎年増加するのに『雇用のない成長』で 働き口は減って、需要と供給の不均衡から脱することができない」と診断した。 

就職希望者にわいせつ行為、24歳の三菱UFJ行員逮捕

 就職活動中の女子大生に採用内定をちらつかせ、わいせつな行為をしたとして、大阪府警曽根崎署は19日、強制わいせつ容疑で三菱東京UFJ銀行難波支社の行員、白石真也容疑者(24)=大阪府貝塚市二色=を逮捕した。

 調べでは、白石容疑者は4月8日午後、同窓生の新人採用担当者を装い、国立大4年の女子大生(21)=岡山市=に「あなたの評価は高い。応援したい」などと言って大阪市北区のカラオケ店に呼び出し、店内で抱きついたり、キスした疑い。

ハローワーク「マザーズサロン」開設

 子育てしながら働きたい女性のための就職相談窓口「マザーズサロン」が22日富山市内にオープンしました。

 この「マザーズサロン」は富山市湊入船町のサンフォルテにあるハローワークプラザ富山の中にオープンしました。

 子育てしながら働きたい女性の就職を支援する相談窓口で、厚生労働省が今年度中に全国全ての都道府県に設置する予定です。

 オープン初日の22日は、さっそく再就職を希望する母親が相談に訪れていました。

 マザーズサロンは予約制で女性の専門職員3人が就職に向けた研修プランや企業の育児支援の情報などを提供します。

 また子どもが遊べるコーナーもあり、子連れでも安心して相談できるようになっています。

 県内では育児などが一段落し、再就職を希望した人は昨年度およそ7700人いたということで、マザーズサロンでは毎月およそ300人の利用を見込んでいます。

県警”就職”に学生興味 初の採用説明会に190人

団塊世代の大量退職時代を迎え、優秀な人材を確保しようと県警は19日、初めての採用説明会を福井市荒木新保町の県警察学校で開いた。各部が業務を紹介するブースを設け、学生らに理解を深めてもらった。

 県警によると、現在約1600人いる警察官の35%が今後10年間で退職するため後継者育成が急務となっている。景気回復で一般企業が採用人数を増やす傾向にあり、大量退職による組織弱体化も懸念されるため、初の”就職説明会”を企画した。

 この日は、来春卒業予定の大学生や高校生ら予想を上回る約190人が参加。稲正和首席参事官はあいさつで「警察は県民の生命、財産を守るという重大な任務が託されている」と訴えた。

  参加者は、警察学校での授業風景やパトカー、白バイ、機動隊による突撃訓練などを見学。交通、生活安全、刑事、警務、警備の各部が設けたブースに立ち寄 り、ベテラン警察官から説明を受け熱心にメモを取っていた。若手警察官とのフリートークもあり、警察業務を身近に感じた様子だった。

 関西大4年の男子学生(21)は「実際に話を聞いて仕事へのイメージがわいた。県民の安全を守るため、ますます警察官になりたくなった」とやる気十分。県立大2
年の女子学生(19)も「女性の白バイ隊員に興味を持った」と話していた。

看護師離島実習 地元就職へ力/県内勤務が初の50%

 今春、県立看護大学を卒業し就職した学生の50%に当たる三十七人が県内で看護師として就職し、昨年に比べて11・6%(九人)増えたことが分かった。 同大学の県内での看護師就職率は例年三―四割台で推移しており、過半数を超えたのは初めて。増加要因として大学は、四年前に始まった離島病院実習で「離島 勤務希望者が増えた」と指摘。慢性的な看護師不足がいわれる中、今後は在学中に全学生が本格的な離島実習を経験するカリキュラムの導入を検討したい―と意 欲を見せている。(黒島美奈子)

県外出身も

 今春の卒業生で、離島実習一期生の柴立綾子さん(23)=鹿児島県出身=は、県立宮古病院に就職した。離島勤務を選んだ理由について「実習で住民や病院スタッフから離島医療の課題を聞き、強く印象に残った。自分の資格が離島で生かせたらと思った」と語る。

 同大学は二〇〇二年度から卒業生を輩出。うち県内で看護師として就職した学生は同年度36・9%に当たる二十四人だった。その後〇三年度三十六人(同48%)、〇四年度三十二人(同41・6%)、〇五年度二十八人(同38・4%)で推移した。

 同大学の前進路対策委員長、大湾明美准教授は「かつて入学者の約二―三割を占める県外出身は、ほとんど県外就職を選んだ」と振り返る。

 しかし離島実習の開始後から学生の意識が変化。結果、今春は卒論を担当した学生三人全員が離島で就職するなど、県内就職者が大幅に増えた。大湾准教授は「前向きな就職は、看護職の定着にもつながるのではないか」と喜ぶ。

全員対象に

 同大学は、看護師不足など県が抱える課題について学外との共同研究などを進めようと今年四月から新たに地域交流室を設置。県内で就職した卒業生をはじめとする保健・看護実践現場の支援に本格的に乗り出す。

 野口美和子学長は「現在、全学生が本格的な離島実習を経験できるようなカリキュラムを検討している。そのために宿泊費用など学生の実習活動を支援する予算的な裏づけが必要」と理解を求めた。

 全国で県立沖縄看護大学と同規模の大学は八校。今春、地元で看護師として就職した学生は多い順に愛知五十九人(72・8%)、石川四十八人(66・ 7%)、長野四十四人(51・2%)、新潟三十五人(42・1%)、三重三十五人(37・6%)、岐阜二十九人(36・7%)、宮崎二十八人(31・ 1%)、大分二十四人(33・8%)だった。

関西の職探しに助っ人

 県外で仕事を探している人に、関西方面での就職を支援するトップエンタープライズ(大阪府)は、就職活動期間中の住居を低価格で提供し、模擬面接や履歴書の添削など就職活動全般を支援する「新生活サポート事業」を始めた。

 就職活動中、同社が堺市内の専用寮を1泊1000円(光熱費含む)で提供。生活費の負担を抑えるとともに、面接指導などを通し営業、販売、医療、 IT、サービス業など製造業以外への就職を支援する。サポート利用料は無料。同社は、就職先から人材紹介料のほか、マンスリーマンション事業者などの賃貸 者紹介料を得るシステム。

 国本彰紀専務は「沖縄では優秀な労働者が季節工として県外に流れ、技術のノウハウが蓄積されていない」と指摘。「県外の就職活動でネックになって いた住居の確保や求人情報の不足を解消することで、正社員としての県外就職を応援したい。都市で学んだ経験やノウハウを将来沖縄の経済発展に生かしてほし い」と話した。

銀行員が就活女子大生にセクハラ OBのセコい手口

 先日、三菱東京UFJ銀行の24歳行員が就職活動中の女子大生にわいせつ行為をしたとして、逮捕された。同容疑者は採用の補助業務をしていたといい、そ こから知りえた情報で女子大生に会い、カラオケボックスで内定をちらつかせ、抱きついたりキスをしたりした。女子大生は20分後に逃げ出し、警察に通報し た。

 こういったことは人気企業では時々あることだと、かつて大手広告代理店で採用を担当していた人物は語る。「本当は採用の権限などないのに、OB訪問で来た女子学生に“自分は人事と近いからキミを推しておくよ”と偽り、関係を強要するわけです」という。

 その会社の入社4年目社員はこの手口でOB訪問に来た女子大生と性交した。女子大生は本来内定がもらえると思っていたのに、その時期がきても内定は出な い。問い合わせたら内定が出ないことが分かり、これを彼女は親に訴えた。親は会社の人事に連絡をし、この社員の蛮行を伝えた。会社は謝罪し、示談が成立 し、この社員を諭旨退職処分に付した。

 「採用期間中に外で会って“自分は人事に近い”などと言うのはパワーハラスメントと解釈されてもおかしくはない。とにかく社員が外で学生と会うことはあ らぬ誤解を受けることもあるので、そこはあの事件以降、人事部長の発令で“外で会うことは禁止”は周知徹底されました。OB訪問がきっかけで恋愛に発展し たケースは知っていますが、彼らはあくまでも就職活動が終わった後に外で会い、交際を深めていったのです」と前出人物は語る。

 人気企業に入っているというだけで、自分のことを“すごい人”と思ってしまうが故の暴走だ。

地方の若者も「人間らしく働きたい!」

「全国青年大集会2007」は、東京だけでなく各地方から若者が集まった。地方からの若者の声を取材した。埼玉県北部から25~6人連れで来た若者たち は、「決めろ生活保障のハットトリック」などの文字が書かれたサッカーの絵を掲げていた。職種は様々で、病院、保育、学校、会社員、派遣社員などだ。 「(労働環境が悪くて若者が)1年以内に辞めるケースが多い。病院や介護士も同様」と語る。要求は最低賃金1000円以上、サービス残業無し、十分な人員 確保などだ。

 茨城県から来た若者は26~27人のグループ。こちらも職種は様々だ。「派遣会社でも、(若者が)派遣会社を渡り歩かされ ている形で転々としている」と、長期契約にならないように、同じ職場で働いているにもかかわらず、短期間で派遣会社の籍だけ移動させられている偽装請負の 実態を明かす。また「期限が来て(契約期間終了)、というのもあるが、いきなり(派遣会社側が)因縁をつけて辞めさせられる事例もある」と、まるで「労働 基準法番外地」のようなケースを語る。

 埼玉県から来た子供連れの若夫婦もパレードに参加した。25歳の夫は勤労学生で派遣社員をしてお り月収は15万円ほど。「生活はかなり厳しい」とこぼす。「残業なしだと給料が安いので、やりたくないけど仕方がない」と週5-6日の勤務をこなす。25 歳の妻は現在求職中だが「(子供を)保育園に入れようとしても『仕事が決まっていないとダメ』、仕事場は『保育園が決まっていないとダメ』という」と、仕 事をしたくてもできない苦境を語る。夫は「子育ての支援が欲しい」と妻の心境を押し図るように代弁する。

 現在、厳しい労働条件で働いて いる「ワーキングプア」同然のフリーターや派遣社員、正社員は数多いが、声を上げたくても上げられないのが実情だ。集会に参加して、生きにくい社会に異議 申し立てしたくても「バイトを休むと収入が減るので行けない」という若者も少なくない。特に「就職氷河期世代」の若者の雇用情勢・労働環境は深刻だ。好景 気と言われて雇用は上向きと言われているが、正規雇用は減り非正規雇用が増えているので、正社員を目指した就職活動の厳しさは「就職氷河期」の頃と大差な い。若者の雇用・労働環境の改善が早急に求められる。

県内高校生就職率、全国4位

 この春、県内の高校を卒業した生徒の就職率は3月末時点で98.1%で、全国の都道府県で4番目の高さとなりました。

 県などによりますとこの春、県内の高校を卒業し就職を希望した生徒は2039人で、このうち3月末時点での就職者は2001人でした。

 就職率は98.1%で前の年の同じ時期と比べて1.0ポイント上回り、全国順位も去年の5位から順位を1つ上げ、福島県、山口県、福井県に次ぐ4位でした。

 全国の平均就職率は93.9%で、全国1位の福島県の就職率は98.9%でした。

 県教育委員会では就職率の高さについて「景気が回復したことや団塊世代の大量退職に備えて県内企業が製造業を中心に採用枠を拡大しているため」と見ています。

本末転倒の破壊行為だ

 本末転倒の破壊行為といわざるを得ない。米軍普天間飛行場の名護市キャンプ・シュワブ沿岸部への代替施設建設で、那覇防衛施設局による海域の環境現況調査(事前調査)で生きたサンゴが損傷された。

 ジュゴンネットワーク沖縄とジュゴン保護基金委員会が撮影し公表した写真は、施設局が海底に設置した調査機器の鉄柱がサンゴに突き刺さり、割れているのがはっきり確認できる。

 施設局の現況調査の目的は、これから始まるサンゴの産卵状況を調べることにあったはずだ。

 新聞に掲載された痛々しいサンゴを見ると、サンゴを破壊しておきながら産卵状況を調べるという施設局の説明に異議を唱えたくなる。慎重さと配慮に欠けた調査と、自ら証明したものと思うからだ。

 普天間飛行場の移設をめぐる最近の防衛省は、県民を上から押さえつける強硬姿勢ばかりが目立つ。

 調査支援目的のために法的根拠もあいまいなまま海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」を派遣し、潜水要員を投入した。これでは県民を掃海母艦で脅していると見られても仕方がない。

 掃海母艦にしろ、潜水要員にせよ、防衛省も県民の怒りの度合いを予測した上での決定であれば、この程度は、まだ沖縄の許容範囲ととらえているのかもしれない。

 裏を返せば、県民がそのように見られているということである。県民に対する自信とおごり。それが怒りの目で見られていることを忘れては、しっぺ返しを食うことになるのではないか。

 サンゴ損傷で抗議を受けた那覇防衛施設局の佐藤勉局長は「事実関係を調べたい」と答えている。当然だろう。

 施設局は同海域百十二カ所に調査機器を設置している。サンゴ損傷の経緯を調査し公表するとともに、残りの点検も、反対派が抗議行動を繰り返す中で実力で移設作業を進める事業者としての最低限の務めである。全カ所の結果を明らかにするまでは、海域の調査は中止するべきだ。

この好機を生かすべき

 県内景気は拡大し、企業業績も上向きつつあることが明確になった企業動向といっていいのではないか。

 本紙が実施した県内主要企業六十社に対する二〇〇八年の採用計画調査によると、回答した五十一社(回答率85%)のうち明確に採用計画を策定した企業が二十四社に上った。

 そのうち「今春より増やす」「増やす方向」と答えた企業は十二社。昨年同時期の調査に比べ七社減だが、「今春並み」と回答した企業は六社増え、十九社になっている。

 今年四月の採用人数を昨年より増やした企業が九社あることからも分かるように、雇用環境は明らかに改善し企業の側に積極的に人材を採用しようとの意図が認められる。

 採用増は事業規模拡大に向けた人材確保が大きな理由だ。だが、業績の回復に伴い雇用環境が変化してきていることもまた確かだろう。

 この動きが高失業率の改善に直結するわけではもちろんない。がしかし、それでも企業側に積極的な採用意図があるということである。

 学生やフリーターはこの動きをしっかりと把握すべきであり、就職活動を積極的に展開する必要があろう。

 ただ、就職説明会などを企画するジーオフィス砂川政二社長は「大学三年の秋から就職活動を行う学生」と「まったく動かない学生」の間で「意識の二極化」が見られると指摘している。

 情報収集などを積極的に行う人とそうでない人との差は、採用に当たって企業が重視する「やる気」(二十七社)と「行動力」(二十四社)の差として表れるのは言うまでもない。

 であれば、「自分の将来像を描き、目的意識を持って就職活動」(情報通信産業)を行うのは当然であり、そのための努力を惜しんではなるまい。

 雇用枠の拡大は景気の回復と無関係ではない。一方で、今年から〇九年にかけて「団塊世代」が定年を迎えることからくる極めて現実的な問題があるということである。

 それが企業側に「人材不足感」を感じさせているのは間違いなく、換言すれば「売り手市場」になりつつあるとみていい。

 約一カ月採用試験を早める琉球銀行採用担当者が言う「早い方が優秀な人材を確保できる」との認識は各企業に共通したものである。その意味で、企業間の競争が激化してくる可能性もあるはずだ。

 就職を希望する高校生、大学生、そしてフリーターはこの機会を生かすべきであり、情報を集めて積極的にチャレンジしてもらいたい。

「もう我慢の限界だ」 フリーター労組がデモ、福岡で

 福岡市の天神・大名地区の路上で19日、フリーターなど低収入で不安定な暮らしを強いられている若者たちがデモ行進をした。デモ隊は台車にステレオを載 せ、大音響でダンス音楽を鳴らしながら「もう我慢の限界だ」「まともな仕事をよこせ」「フリーターを使い捨てるな」などとマイクで絶叫、自分たちの「生き づらさ」を訴えた。買い物客らで混雑する夕方の繁華街は一時、騒然とした雰囲気に包まれた。

 フリーターなどでつくる労組「フリーターユニオン福岡」(小野俊彦執行委員長)の主催。「五月病祭」と名付けられ、主催者発表で約90人が参加した。 「生きさせろ!難民化する若者たち」などの著書がある作家、雨宮処凛(かりん)さんが「景気回復は(低賃金で働く)フリーターのおかげだ」とシュプレヒ コールを上げると、沿道の若者たちから拍手と歓声が沸いた。

 デモの前には、同市中央区の教会で、雨宮さんが「生きづらさの変化」と題して講演。「いまの政治は『役立たずは早く死ね』と、生存権の切り崩しを進めている」などと主張した

担当装い就職希望者の体触る 三菱東京UFJ行員

 三菱東京UFJ銀行の行員が就職活動中の女子大生にわいせつな行為をした事件で、大阪府警曽根崎署に逮捕された同行難波支社の白石真也容疑者(24)が採用の補助業務を行っていたことが21日、分かった。

 同署は同日、強制わいせつ容疑で白石容疑者を送検し、大阪市中央区の同支社など3カ所を家宅捜索。白石容疑者が学生のエントリーシートなどから連絡先を知った可能性があるとみて、採用関係資料を押収し、詳しい経緯を調べる。

 同行によると、入行3年目までの若手行員は就職希望者の受付や書類整理をしており、2年目の白石容疑者もこうした補助業務をしていた。個別に社外で会うことは禁止されていた。

障害者の生活・就職を支援する施設、400カ所に増設へ

 厚生労働省は21日、障害者の就職と日常生活を合わせて支援する「障害者就業・生活支援センター」を11年度までの5年間で、現在の約3倍の全国400 カ所に増やす方針を固めた。ハローワークや福祉事務所よりもきめ細かい支援ができる同センターの大幅な増設で、障害者の就職率アップを目指す。

 同センターは、02年施行の改正障害者雇用促進法で創設された。就業支援を担うハローワークは障害者の働く能力の判断に限界がある一方、日常生活を支援している福祉事務所は就職支援のノウハウが乏しいため、同センターが両方を橋渡しすることになった。

 同センターは現在、社会福祉法人などに業務を委託する形で、全国に135カ所設置。各センターに生活支援担当1人と就業支援担当2人を配置。約2万2000人の障害者が登録し、健康管理や住居の確保などの生活面で支援を受けている。

 就業面ではハローワークでの求職活動に担当者が付き添うなどしており、05年度は約4300人の新規求職者の6割にあたる約2500人が一般企業に就職できた。

 厚労省は、こうした成果を踏まえ、全国400カ所ある「福祉圏域」ごとに同センターを設置する方針だ。政府は障害者雇用の促進を「成長力底上げ戦略」のひとつに位置づけ、今年度中にまとめる障害者就労支援の5カ年計画に盛り込む考えだ。

人手不足感が緩和 地元就職傾向強く 4月雇用指数

 兵庫県、関西、京都の三経営者協会がまとめた四月の雇用判断指数(正社員雇用が「不足」と答えた企業の割合から「過剰」と答えた企業の割合を引いた値)は一八・三と、前回の一月調査から二・二ポイント下落した。新人入社で人手不足感が和らいだためとみられる。

 産業別は、製造業が一七・四、非製造業も一九・八と前回調査からそれぞれ一・九ポイント、二・六ポイント下落。規模別は従業員千人以上(一七・七)が小幅上昇したが、三百人以上千人未満(一二・五)、三百人未満(二二・二)はいずれも下落した。

  府県別では、大阪(二二・九)が〇・四ポイントアップしたが、兵庫(一四・一)、京都(一二・〇)はそれぞれ二・四ポイント、七・四ポイント下落した。関 西経営者協会は「兵庫、京都で指数が下落したのは、学卒者らが地元企業に就職する傾向が強まったからではないか」とみている。

 調査は三協会加盟の計七百社に実施。35・9%にあたる二百五十一社が答えた。

雇用対策で一致協力-県地域労使就職支援機構

   連合奈良や県経営者協会など五団体で構成する県地域労使就職支援機構は21日、奈良市鍋屋町の共済会館やまとで平成19年度定時総会を開催し、来賓とし て木村雄一奈良労働局職業安定部長らが出席。前年に引き続き、若年労働者対策や中高年・団塊世代の再就職支援、障害者や女性の就労支援などを盛り込んだ平 成19年度事業案などを承認した。とくに本年度は事業主が従業員を常用雇用する際に一定条件のもとで雇用環境の改善に対し30万円を支給する雇用支援制度 導入奨励金の普及事業を重点的に取り組むとした…

栃木県、若年無業者の就職支援に本腰

 栃木県は若年無業者(ニート)の就職支援に本腰を入れる。このほど宇都宮市内に無料の就職相談窓口を開設したほか、22日には官民がノウハウを持ち寄っ て運営する連絡会議を発足させた。県内のニート人口は約1万3000人で、15―34歳の労働者人口に占める割合が全国で3番目に高い。一方で県内企業に は人手不足感が強く、県は雇用のミスマッチの解消を急ぐ。

 「若者自立支援ネットワーク会議」は22日に宇都宮市内で初会合を開いた。就労支援機関、非営利組織(NPO)などの民間団体、市町村担当課などの行政関係者ら約90人が出席した。

 国のモデル事業の一環で、仕事を持たず職業訓練なども受けていないニートが就職を通じて自立できるよう促す狙いがある。

 具体的には、自閉症など発達障害のある若者を専門性の高い支援団体に誘導して職業訓練を受けさせたり、対応が難しい事例では検討会を開いて互いのノウハウを持ち寄ったりする。

4月末の高卒就職決定率は過去10年で2位

県内の高校を今春卒業した就職希望者の決定率は4月末現在、前年同期と同じ99・7%となり、4月末としては平成10年に100%を達成して以来、昨年と並び過去10年で2番目に高い水準となった。

しかし、県外事業所からの求人が増えたことなどから、県内留保率は2・7ポイント減の73・9%にとどまった。

福島労働局が21日、発表した。

教室不足が深刻化

 県教育局特別支援教育課によると、県内の盲・ろう・養護学校に通う児童生徒は、一九九七年には三千八百三十五人だったが、九年連続で増加し、二〇 〇六年には四千七百六十二人に。このため、約二百二十教室が不足しており、特に県南部の知的障害児を対象とする養護学校では過密状態が続いている。

 同課によると、養護学校高等部を独立させた高等養護学校は、職業教育の充実だけでなく、教室不足解消の狙いもある。

 しかし、入試倍率はさいたま桜が二・五五倍、羽生ふじ一・七二倍と高く、入学できたのは中学校の特殊学級にいた生徒がほとんど。

 県西部の養護学校教諭は「高等養護には就職できる能力がある子が集められている。全国的に『職業教育なら金を出す』という流れがあり、重い障害を持つ子の教育はどうなるのか心配。一般の養護学校にいる教諭は高等養護を冷めた目で見ている」と話す。

 同局は〇九年度、上尾市内に養護学校を新設するなどして一一年度までに教室不足解消を目指している。

就職へ企業実習重視

 軽度の知的障害がある生徒を対象とした新しいスタイルの県立高等養護学校「さいたま桜高等学園」(さいたま市桜区)と「羽生ふじ高等学園」(羽生市下羽 生)が県内で初めて開校し、ほぼ二カ月がたった。就労率100%を目指し、職業に関する専門学科を設置して企業実習に力を入れているのが特徴だ。障害ある 生徒の自立を掲げ、教員側も受け入れ企業の開拓に奔走している。

 さいたま桜高等学園は旧県立衛生短大の校舎を改築して造られた。真新しい校舎には農園芸、フードデザイン、木工、福祉、服飾などを学べる四学科が あり、百十人が通う。ペットボトルのリサイクル機械、パン調理室、農園芸の温室などの本格的設備が整い、従来の「養護学校」のイメージとは程遠い。

  週三十一時間ある授業の半分は専門教科の実習。メンテナンスコースがある環境・サービス科の授業では、ビル清掃会社に長年勤務する加藤光雄さん(65)が 講師となり、モップの使い方を教える。「洗うときは足をモップにかけてね。そうそう、二つに分けて絞って」と手取り足取りの指導が続く。生徒も講師の実技 を見ようと「見えない」「どうやってやるの」と真剣そのもの。

 同校ではビル清掃だけでなくパン製造の職人や介護福祉士ら七人の社会人が非常勤講師となっている。また、教諭二人がビル清掃会社やベーカリーで研修をするなど、実践的な実習を心掛けている。

 生徒全員が就職するには、企業側の理解も大切なポイント。同校では教諭五人を「就労支援部」に配置し、実習や雇用の受け入れ企業を開拓する。一年生は九月以降、二週間~二カ月程度の企業内実習を行う。特に三年生の場合、就職に結びつくまで繰り返し企業で実習させる方針。

  就労支援担当の三原和弘教諭は「厳しい面もあるが、企業に『生徒はこんなことができる』と提案して理解を得たい。生徒も実体験を積むことで就労のイメージ を持ってほしい」と話す。教諭五人で求人チラシや公的施設からの情報提供を基に企業回りをしており、今のところスーパー、製造業、リサイクル施設など約五 十社が実習受け入れを承諾しているという。

 生産技術科一年で、菓子パン作りの授業を受けた狩野桃子さん(15)は「高校に入って友達がたくさんできた。将来はケーキ屋さんになりたい」と夢を膨らませていた。

ストレスの果て

Iさん(36歳)は、金曜の夜8時過ぎに我々のところにやってきた。一週間の仕事のせいもあったろう、疲れ切った表情で面談ブースの席の背もたれに体をもたれ、どんよりとした目で我々を見た。
「こんな有様ですみません。このところ、心労が続いていまして…」
声にも、まったく精気は感じられなかった。

どれだけ厳しい状況なのか、どれだけストレスフルな人間関係を抱えているのかと思ったが、Iさんは現職の情報通信事業A社の話になると、「お陰様で、仕事はうまくいっています」と、かすかに笑顔をみせた。

総務部で働くIさんが現在任されているのは、社会貢献プロジェクト。大学との共同研究により大きな成果を上げており、しばしばメディアにもとりあげられている。プロジェクト内の雰囲気はたいへんよく、Iさんは社外にも人脈を広げられたことを喜んでいた。
「このプロジェクトは、A社がやってきた社外の取り組みのなかでは最も成功したものなんです。新卒採用のパンフレットにも取り上げられて、お世話になった大学の先生はもちろん、スタッフは皆、誇りに思っていますよ」
転職3社目でA社に入ったIさんだが、今まで経験したなかでもA社は最も自分にあった会社であると語った。
「多忙で毎日夜遅くなることをのぞけば、今の仕事には本当に満足しています。事業が順調なので、待遇もいいですしね。会社に対しての不満はありません」

では、なぜ転職なのか。問題は家庭にあった。

穏やかな家庭を築いてきたIさんだったが、一年ほど前にIさんの奥さんが働きはじめ状況が変わった。もともと趣味でやっていた工芸を、仕事としてやってみ ないかという誘いを受け、奥さんは自宅から二時間かけて工房に通うようになったのだ。収入はささやかなものだったが、憧れていた仕事が出来るようになり、 Iさんの奥さんは有頂天になっていた。だが…。

Iさん夫婦には幼い子供が二人いた。Iさんの奥さんは、託児所への送り迎えと家事をやりながら、往復4時間の通勤をしなければならず、徐々に不満がつのっ ていった。Iさんも出来るだけ家事を手伝うようにはしていたが、出張が多く、どうしてもサポートしきれないところがあったのだ。

奥さんは、毎晩Iさんに愚痴をもらすようになった。
『私は自分の力で夢をかなえた。でも、思いっきり仕事がしたいのに、これじゃあどうやっても無理』 『あなたの仕事は人生の夢が叶ったというものじゃないでしょう?どうして夢をかなえた私が制約を受けるの?』
『結局、お金。あなたの方が稼いでいるから、私は文句を言っちゃいけない。我慢しろってことなのね』
『社会奉仕の仕事は、芸術より立派だと内心思っているんでしょう?』

疲れて帰って毎日二時間、Iさんは休むことなく喋り続ける奥さんの相手をしなければならなかった。そのストレスでIさんはボロボロになっていたのだ。
「子供のこともありますし、妻は家事全般、本当によくやってくれているんです。だから、少しでも残業が少なくてすむ会社に転職しようかと…」
明らかにIさんは追い込まれていたわけだが、我々には、ひとつ疑問なことがあった。なぜIさんは、会社と奥さんの工房、両方から通いやすい場所に引っ越さないのだろう?

「Iさんには、何か転居できない理由があるのでしょうか?」
「いえ。住んでいるマンションは、親から譲り受けたものですが、特にこだわりがあるわけではありません」
「引越も大変かもしれませんが、転職も大変ですよ。自分に合った会社があるのなら、辞めてしまう前に転居することを奥様と相談された方がいいのではありませんか?」
「…そうですね。そういう手もありましたか。そりゃそうですよね。引越という選択肢を妻と話し合ってみます」
引越という言葉を聞いたIさんの目は、少し光を取り戻したように見えた。帰路につく彼の背中も、来社した時と較べると、元気になったようにも見える。

端で聞いていると、なんでそんな簡単なことに気づかないのかと笑い話のように思える相談内容だが、毎晩毎晩「あなたの仕事は…」と言われ続け、Iさんは冷 静な判断ができなくなっていたに違いない。三時間の相談のあいだ、Iさんは奥さんから浴びせかけられた言葉を、延々と我々の前で繰り返していたのだ。

時刻は零時近くになっていた。今夜、家に帰ったIさんが暖かい言葉を聞くことが出来るよう、我々は願うばかりだった。

周囲の環境を利用することの大切さ

 このようにいろいろとあったプロジェクトでしたが、後半には「棚卸領域」でチームリーダーを任され、要件定義や、チームメンバーとベンダの管理を担当することができました。

 アサインされた当初は苦労したものの、データベース管理という担当者のいないポジションにスキルの足りない状態ながらも立候補し、学習しながら役目をやり遂げ、周囲に認められることによって、当初決めていた目標をある程度達成することができたといえます。

 こうした経験から私は、その時々の自分の環境と偶然を最大限に生かすことの大切さを学びました。

 しかし、自分にとって一番の財産となったのは、苦楽を共にした仲間との信頼関係と思い出かもしれません。いま思い返してみると、そんな気がします。

契約時のスコープ設定は重要だ

 私たちは1つ1つ解析作業を繰り返しながら、大変な時間と労力をかけて、ひとまず作業をやり遂げました。しかし、そのような作業は当初の見積もり に含まれておらず、プロジェクトの収益に小さくない影響を与えました。また、解析しきれなかったロジックが原因となって不具合が発生し、プロジェクトとし て責任を問われるという事態にもつながってしまいました。

 契約時に作業範囲が明確に取り決められていなかったため、結果的に 「全部請け負います」という形になってしまい、こういった解析作業にも責任を負うことになってしまったのです。あらかじめ必要な工数とリスクを網羅的に見 積もり、契約時に作業範囲を明確に定めておくことは非常に重要だと、このとき強く感じました。

旧システムの解析作業にも携わる

 こうしてデータベースに詳しくなり、仕事ぶりも認められてきたことから、私は主要なロジックを新システムでどう実装するかを検討するプロセスに関与できることになりました。

 新しいシステムの仕様を決めるとき、旧システムのロジックを把握することは不可欠です。ところがこのプロジェクトでは、旧システムに関するドキュメントがまったくといっていいほど存在せず、仕様を知っている人も皆無でした。

  しかたなく、旧システム(オフコン)のライブラリの構造やソースコードを読み解きながら、仕様を探るというアプローチを採らざるを得ませんでした。上級の SEさんがそういった解析作業を行い、私がVisual BasicとOracleという新しい環境でどう実装するか考えるというように、二人三脚で設計を進めていくことになったのです。

 当然、一筋縄ではいかず、夜通し作業を進めることもしばしばでした。皆さんも経験があると思いますが、期日が迫っている中、追い詰められた状況で夜中に仕事をしていると、妙にテンションが上がってきて、おかしくもないものが妙におかしく感じられたりします。

  夜中に静まりかえったオフィスで、COBOLのソースコードを解読しながら、なぜか2人してケタケタと笑っている姿は、はたから見ている人がいれば不気味 だったに違いありません。いまとなってはいい思い出ですが、「あのとき救急車を呼ばれなくてよかったな」とも考えてしまいます。

1つの提案をきっかけに、データベースの構築を担当

 いよいよテスト環境を構築するという段階になって、私はプロジェクトリーダーにこう提案しました。

 「データベースを実 装するスクリプトを自動的に生成するツールがあります。この機会に導入しませんか。便利だし、何らかのツールがないと、膨大な設計情報を管理しきれません よ。私ならそのツールの使い方は分かるので、よろしければ全般的に作業を引き受けましょう」。前のプロジェクトで活用されていたツールを、このプロジェク トでも導入しようという提案でした。

 「本当にあなたが管理できるの?」といぶかしがられましたが、「大丈夫です。どうしても困ったら、Oracleに詳しいエキスパートに相談します」と主張して押し通しました。

 こうして「ツールの担当者」という立場を得た私は、それを足掛かりとして徐々にデータベース自体の設計・管理の領域へと手を広げていきました。

  データベースの構築には、命名規約に始まり、サイジング、パフォーマンスチューニングなどさまざまな知識が必要です。実務と並行してそれらの学習を進め、 知識を習得していきました。机上で学習したことを実機で試行しながら最適解を探っていくプロセスはとても楽しく、やりがいのあるものでした。

  時にはエキスパートの手を借りながら、最終的には大きなトラブルもなく、データベース環境を構築・提供することができました。気付いてみると、DBA (データベースアドミニストレータ)としての知識が自然と身に付いており、プロジェクトの合間に挑戦した「ORACLE MASTER Gold」(現ORACLE MASTER Silver)にもすんなりと合格することができました。

データベースを足掛かりに

 新しいプロジェクトは、クライアントの基幹業務全般をスコープとしていました。カバーする範囲が広いので、データベースも複雑で規模の大きなもの になり、必然的にその設計・実装・運用において相応のスキルを持った要員が必要となるはずです。ところが、そういった人材がアサインされる気配は一向にな く、そもそも社内を見渡しても存在していないのです。

 だからといってそのまま放置していれば、プロジェクトが頓挫するのは火を見るよりも明らかです。「いったいどうするつもりだろう。どうなっても知らないよ」。モチベーションの低かった私は、最初そう思っていました。

 しかし、誰も手掛けていない領域があることは、自分のポジションを作るという意味で絶好のチャンスです。また、プロジェクトとしての弱点を見て見ぬふりをすることに、当事者の1人として心苦しさを感じてもいました。

  「いっそ、自分自身がデータベースの管理者を引き受けようか。現時点では知識はないけれど」。私はこう考えました。スキルもない状態ではいささかむちゃな 発想だったかもしれませんが、過去の経験から、独習方式で切り抜けられるだろうという自信だけはありました。何より、ほかから人材を調達できない以上、現 有戦力の誰かがやらざるを得ないのです。

 データベースは自分にとって、本来やりたい領域ではありませんでしたが、責任ある難し い仕事であり、挑戦する価値は十分にあります。それに、その中で仕事ぶりを認められれば、ほかの重要な仕事を任せてもらえることにつながるかもしれませ ん。やはりやらない手はないと考えました。

転職を考えはしたものの……

 「『協力会社』ではない立場で仕事ができる」ことを条件に、仕事の合間を縫って転職活動を進めた結果、1社から内定をもらいました。しかし、その会社から提示されたサラリーは、残念ながら現状を10%近くも下回るものでした。

 面接のときに給与水準を伝えていたにもかかわらず、このレベルの提示にとどまったということは、私が人材として評価されなかったことを意味します。厳しい結果を突きつけられ、非常にショックでした。

 しかし、あらためて「自分は第三者の目にも明らかな実績をこれまでに挙げているのか」「自分の能力を示す客観的な証左を示せたのか」と考えてみると、答えはNoでした。

 市場の厳しさを思い知った私は、安易に転職に逃げようとした考えを捨て、新しい環境で自分を認めてもらうにはどうしたらいいか、組織の中で自分のポジションを築いていくにはどうすべきか、というアプローチで考えることにしました。

リセットされたキャリア

設計・開発工程をひと通り経験し、クライアントとも良好な関係を築けたことで、私の中には自信が生まれていました。

 そして次のプロジェクトに移ることになったとき、新たな目標として次のことを心に決め、意気揚々と乗り込んでいきました。

  • チームリーダーとして責任のある立場で役割を果たすこと
  • アプリケーションチームの一員として、要件定義~設計に主体的に参画すること

  ところがいざ新しいプロジェクトに着任してみると、上司から与えられた仕事は「(クライアントとの打ち合わせで作成された)手書きのメモをWordで清書 して、議事録を作ってください。あと、書類のファイリングと整理もお願いします」というものでした。その後も簡単な仕事しか任せてもらえず、自分が思い描 いていた仕事内容とのあまりのギャップに、愕然(がくぜん)としました。

 私は自分の仕事内容には自信を持っていましたし、周囲からもそれなりの評価をいただいていました。しかし、新しいプロジェクトの上司には、そのようなことは伝わっていなかったのです。

  私が協力会社(つまり社外の人間)という立場だったこともあり、上司にしてみれば責任ある仕事は任せにくいし、能力も分からないので当たり障りのない仕事 を与えておこうということだったのでしょう。その考えも分からなくはありませんが、着実にキャリアを築いていきたいと思っている自分にとっては切実な問題 です。こんな環境ではやっていられないと思い、またも転職を決意しました。

何回も転職 / 名前の登録ミス…

 支給漏れが起こる可能性が高い人はどんな人だろうか?

 まず、過去に転職を繰り返した人は要注意だ。戦時中、軍需工場で働いていた人や短期間、会社勤めをしていた女性も、厚生年金に加入していた事実を忘れてしまう例などが多い。

 こうした典型的なケース以外で、加入者に非がなくても、支給漏れは十分に起こりうる。

 たとえば、社保庁に名前の読み方が間違って登録されている場合だ。

 国会審議の中で、氏名間違いの実例として、高田(たかた)を「タカダ」、古谷(ふるたに)を「フルヤ」と登録していたり、秀一(しゅういち)が 「ヒデカズ」、成子(せいこ)が「シゲコ」となった例などが確認されている。記録の多くは氏名が漢字ではなくカタカナで入力されているため、「他人の納付 記録」と見なされるおそれがある。

 誤った氏名は、手書きの記録をコンピューター化した際の打ち間違いや、会社の社保庁に提出した書類のミスなどが考えられるが、氏名のミスがどの程度あるのかわかっていない。

 また、納付記録は、一般的に〈1〉氏名〈2〉生年月日〈3〉性別――という「3情報」で、名寄せされているが、約5000万件の宙に浮いた納付記 録のうち、約30万件は生年月日が不明であることも、国会審議で判明した。同姓同名の加入者は少なくないことから、生年月日不明の記録は名寄せが困難にな る。

 このほか、社保庁が納付記録を紛失したケースも55件確認された。これは加入者が領収書などの証拠を持っていたため、紛失が判明したものだ。

 社保庁の調査では、全国1835市区町村のうち284自治体(約15%)は、国民年金加入者の名簿を「廃棄した」と回答した。廃棄された分は、社保庁のコンピューターに記録されている納付記録が正確かどうか、確認ができなくなったことになる。

 政府・与党は、国会で審議中の社会保険庁改革関連法案で、社保庁を廃止し、新たに非公務員型の「日本年金機構」を創設する方針だ。新組織は2010年1月にも誕生するが、組織が変わっても納付記録の問題は解決せず、一層うやむやになる可能性もぬぐえない。

 社保庁改革関連法案 社保庁を廃止・解体し、年金業務を非公務員型の公法人に移すための法案。相次ぐ不祥事を受けて政府が提出した。近く衆院を通過して参院に送られる見通しで、今国会で成立する可能性が高い。

消極姿勢

 「受給者本人に注意を呼びかける」。柳沢厚労相は18日の答弁で、6月に約3000万人の全受給者あてに発送する今年度の年金額通知書に、支給漏れの警告文を掲載する考えを改めて示した。

 だが、社保庁は記録の名寄せ作業について、「一方的に行えば、同姓同名の別人に年金を支給するなどの事態が起きかねない」として消極的だ。

 柳沢厚労相は、民主党が求めた〈1〉基礎年金番号のない記録を再調査し、すでに受給している人に名寄せする〈2〉受給者全員に過去の加入歴の一覧 表を郵送し、再確認してもらう――などの対応を拒否。「(加入歴に疑問を持って)窓口に来た人に、ていねいに対応する」と述べるにとどまった。

氷山の一角

 国会審議では、すでに年金額を訂正させた「22万人」が、支給漏れ全体の“氷山の一角”に過ぎないことも浮き彫りになった。

 年金の記録は1997年から、加入者ごとに基礎年金番号で管理され、転職しても支給漏れが起きない仕組みになった。だが、それまでは転職のたびに別の年金番号が付けられた例などが多い。

 基礎年金番号に名寄せされていない記録は、2006年6月時点で約5095万件もある。この5095万件の大部分には、「氏名、性別、生年月日」が記載されているものの、社保庁は「基礎年金番号とは結び付かない」としている。

 柳沢厚生労働相は18日の衆院厚労委で、この件数から現役世代などを除き、支給開始年齢(厚生年金60歳、国民年金65歳)に達している人(80歳未満)の記録が1867万件もあることを明らかにした。

 記録は基礎年金番号に名寄せされない限り年金額に結びつかない。1人の受給者がいくつもの記録の対象となっている可能性があることなどから、記録 の件数より実際の支給漏れの人数は相当少ないと見られる。支給漏れに気づかず、本来より少ない年金を受給し続けている人が多数にのぼる可能性が強まってい る。

 年金相談を専門とする社会保険労務士からは、「支給漏れとなる年金は1人当たり年数万円~20万円程度のことが多い」という指摘もあるが、社保庁は国会審議で、支給漏れの総額や1人当たり平均額も明らかにしなかった。

年金支給漏れ 救済は「本人任せ」

 「払ったはずの国民年金保険料11年分が、未納だと言われた。社会保険庁は『領収書を持ってこい』の一点張りだ」

 22日の衆院厚生労働委員会。参考人として出席した谷沢忠彦弁護士(民主推薦)は自らの体験を例に、社保庁を強く批判した。

 公的年金は受給開始時点で、本人が申請した加入歴に基づいて金額の裁定が行われる。その際に社会保険事務所の窓口などで、社保庁が保管している記 録と申請を照合することになっている。だが、本人が職歴の一部を忘れているなどの例が目立ち、特に転職を繰り返した人などの場合、本来は合算すべき記録の 一部を社保庁が見落とすことが多い。

 さらに、社保庁が記録を紛失する例もあり、その場合は受給者本人が領収書などの証拠書類を保存していない限り本来の年金額を受け取れない。

 これまで約350人から年金に関する相談を受けたという谷沢弁護士は、「年金の記録が抜け落ちて、泣き寝入りしている人がたくさんいる。30年以上も前に払った保険料の領収書を持って来いというのは、あまりにも酷だ」と訴えた。

 いったん年金の受給が始まった人が、後で気づくなどして社保庁に年金額を訂正させた件数は、過去6年間で約22万人。訂正を受ければ過去5年間の不足分は一時金で支払われるが、それより前の分は時効となる。

無理して頑張る必要は無い

 これから上のポジションを目指し、勝負に出るか。それとも新たな活躍の場を社外に求めるか。どちらが良いかは、ご自身で決めてください。

 あえて言うとすれば、この手の新興企業において頭角をあらわすのは、努力や勉強だけでは難しいと いうことです。どちらかというと資質の問題なんですね。起業して成功する人間もそうですが、彼らはたいてい常人とはかけ離れた精力家そろいです。こればっ かりは真似しようにも無理でしょう。ルールの無い世界に秩序を打ち立てるわけですから、それくらいでないと成功できないわけです。

 お話 を聞いた限りだと、貴殿はおそらくそういったタイプではないと思われます。であれば、この機会に転職される方が良いでしょう。年齢的にもまさに企業が欲し がるターゲットですし、営業のキャリアはもっとも幅広くピーアールできるものです。さらには、この数年間は、好況と人手不足の重なった空前の売り手市場で もあります。思わぬ有名企業への転職も可能でしょう。

 最後に一つ。ごく普通に働いて、ごく普通の生活を送りたいというのは、実はもっとも自然なモチベーションなんですね。よく「男なら一国一城の主になれ」的な自己実現論をぶる名経営者がいますが、実際のところ、そんなのはごく一部の人間にのみ可能な話です。

 かつて、年功序列制度の中で“仕事至上主義”的な価値観が生まれ、日本人労働者の精神的支柱となってきた経緯があります。年功序列が崩壊する中、度を過ぎた起業、独立志向というのは、私は形を変えた昭和的価値観だと考えています。

 どう働くかは自分で決める、これがもっとも自分に合ったキャリアを築く第一歩でしょう。

ベンチャーに向いている人、向かない人

 最近、ベンチャー企業へ目を向ける人が、少しずつではありますが、着実に増えています。とてもよいことですね。誰もが知っている大企業に入ったところで、将来やりがいのある仕事を任されるわけでも、定年まで安定した生活が保証されるわけでもないのですから。

  もちろん、ベンチャーといってもピンキリで、ただの中小企業が学生向けにベンチャーと名乗ったり、中には投資家から金を引き出すことだけが目的の会社まで 入り混じっている状態です。選ぶポイントとしては、ずばり経営者の人物でしょう。その会社がなにを目指しているのか、トップの人となりから、ある程度は見 えてくるものです。

 では、労働者から見て、良質のベンチャー企業の持つ魅力とはなんでしょうか。それは機会の多さです。既存のシステムに縛られず、自由に能力を発揮できる機会が、平均年齢40代といった大企業よりも格段に多い点です。

 たとえば、「このビジネスモデルを立ち上げてみてはどうでしょう」、「面白そうだな、よし、君がプロジェクトを立ち上げたまえ」という具合に、20代の社員にも、いくらでも事業責任者となれるチャンスが転がっているわけです。
 
 ただし、誰もがこの機会に恵まれるわけではありません。当たり前といえば当たり前ですが、自分でビジネスを引っ張れるような人でないと、機会なんてあっても使いこなせないんですね。

 人生という元手を賭けて、ポーカーで勝負できるかどうか。それができる人間にのみ、キャリアパスが存在すると言えるでしょう。
 
  逆に、それが出来ない人間にとっては、ベンチャーはそれほど夢のある場所とは言えません。ただ出勤するだけで昇給させてもらえるほど安定してはいません し、そもそも年功給自体が存在しない企業も珍しくありません。ポストにしても、ご褒美代わりに分けてくれるなんてことはなく、できる人間にどんどん任せる か、外部からスカウトしてきた人材をつけるはずです(まあこれから大企業に成長できる会社なら別でしょうが)。

 ベンチャーと聞くと夢と 活力に溢れたイメージを抱きがちですが、実際のところ、機会を活かして事業責任者になったり独立したりする人間は、全体のごく一部ですね。その他の人間 は、より安定した生活を求めて、早い段階で勝負のテーブルから離れることになります。ベンチャー一般の離職率が一般的日本企業よりも高めなのは、これが理 由です。

ベンチャーに入ってみたものの…

 都内のベンチャー企業に勤務する30歳の者です。業種はWeb関連の広告業で、自分は新卒で入社以来、一貫して営業を担当しています。

 会社は小さいものの、そこそこ安定しており、仕事もやりがいはあるのですが、問題が無いわけではありません。それは今後のキャリアパスが見えてこないという点です。

 マネージャーポストは数が少ない上、創業時からの生え抜きがどんと構えており、たまに入れ替わりがあっても、たいてい外部から転職してきた人間が横滑りで入る形です。

 昇給自体もほとんどなく、年収ベースでは新卒時からあまり変わっていない状況です(大企業に就職できた同期とは、既に200万円近い差がついています)。

 もう少し頑張って結果を出すべきか。それとも、30歳を節目に、別の会社に転職すべきか。そもそも、自分のようにベンチャーで営業しか経験していない人間でも、他社に採用されるものでしょうか?合わせてアドバイスいただけると助かります。

技術ばかりではなく、人間力を磨くことも重要

 若手のITエンジニアの中には、先端技術に触れることができる大手のメーカーに転職したい、と考える方は少なくないようです。先端技術にかかわるために、技術力の有無が最も重要だと思う方もいらっしゃるようですが、企業の評価ポイントは少し異なります。

 企業の評価するポイントは、組み込み技術はもちろん重要ですが、提案力やリーダー経験がより重要となってきます。組み込みエンジニアの場合は、すぐに即戦力として働ける方を求めています。

 その場合の即戦力になるか否かで重要なのは、コミュニケーションを周囲と取りながら、主体的に動けるかどうかです。

 技術力の高いメーカーで働きたいと考える方こそ、より人間力が重要なのかもしれません。

企業からの評価は?

 不合格の理由としては、緊張してしまってうまく技術力をPRできなかったから仕方がない、と思っていたところ、予想外のフィードバックをもらったのです。

 S 社の評価は、技術力に関しては問題がなかったが、コミュニケーション能力の面で採用を見送ったとのことでした。当初、後輩の指導・プロジェクト管理経験に ついては、技術力のおまけ程度に考えていた野口さん。S社では、こうした後進の指導やプロジェクト管理の経験を高く評価していたそうです。

 コミュニケーション能力について人材紹介会社経由でS社によく聞くと、主体性の欠如・提案力の不足ということが問題だったようです。面接の前に行った模擬面接の際にも、顧客に行った提案などがあれば、もっとPRした方が良いとアドバイスされたことを思い出しました。

  それまではキャリアアップといえば、野口さんは技術力を中心に考えていました。が、実務経験が想像以上に重視されることが分かり、その後プロジェクトの中 などで提案を積極的に行うようにしました。1年たてばリベンジ(再応募)ができるそうなので、数年内には再度S社に挑戦する予定です。

応募した結果は?

 I社に入社してから6年が経過。野口さんは、自分なりに技術力も付いたように思ったそうです。この6年でプロジェクトメンバーからサブリーダー、 そしてプロジェクトリーダーとしてプロジェクトを管理するようになっていました。そして担当していたプロジェクトは、そろそろ終了しそうです。

 ちょうどそのころ、野口さんの知人が人材紹介会社経由で希望の会社に転職したと聞いたのです。そこであわてて人材紹介会社に登録し、転職の手続きを進めました。もちろん、狙うはS社です。S社に応募したところ書類選考は難なく通過し、面接となりました。

 そして本番、S社の面接です。野口さんは正直なところ、質問内容に対して何を答えたのかしっかりと覚えていません。想像以上に緊張していたようでした。面接の結果は、残念ながら不合格でした。

S社を目指して技術の習得に励む日々

 入社後の配属についてもS社を意識して、携帯電話向けの組み込みソフトウェア開発を希望しました。そして、野口さんの希望どおり、携帯向け組み込み開発のプロジェクトの一員となったのです。

 S 社の応募要件を確認し、できるだけその応募要件に当てはまるよう、S社で必要とされるOSや言語を意識して勉強するようにしました。業務時間外に、転職時 のPRになるように資格取得のために勉強を行い、情報処理技術者試験の「テクニカルエンジニア:エンベデッドシステム」に合格することができました。

  このように、S社への転職という目標のため、着々とスキルを身に付けていましたが、日ごろの業務では、いわれたものを作るだけで面白くないと感じることが ありました。そんなときには、技術力を身に付けてS社に転職することを考え、さまざまな工夫をするなどして業務をこなしました。

新入社員、5年後の転職を狙う

 野口さん(仮名)は大学時代、メーカーを中心に就職活動を行いました。大学の研究室の推薦枠もあったのですが、入社後のしがらみのことを考えると何となく嫌で、自力で就職活動を行うことにしたのです。

  野口さんが就職活動を行った時期は、就職氷河期といわれた時代です。そもそも新卒を募集していなかったり、募集していても若干名の募集だったりと、就職活 動は大変厳しいものでした。野口さんは当初有名な大手メーカーを中心に応募していましたが結果は振るわず、最終的に1社だけ内定をもらえたI社に入社を決 めました。

 それなりにI社は気に入っていましたが、心の中ではこう決めていました。「この会社でスキルを身に付け、5年後にはS社に転職する」と。

JACジャパン、日本語と英語のバイリンガルに特化した転職情報サイトを開設

 人材紹介の株式会社 ジェイ エイ シー ジャパン(本社 東京都千代田区 代表取締役社長 神村昌志 以下 JACジャパン)は、日本語と英語のバイリンガルに特化した転職情報サイトを開設します。 

 新ウェブサイトはすべて英語のみで構成。語学力を必要とする外資系企業の最新求人や転職セミナー情報を閲覧できるほか、無料転職支援サービスへの申し込みが可能です。
 さらに、企業紹介コーナーやキャリアコンサルタントによるコラムで、外資系企業への転職動向や国際的な視点から見た求人企業の魅力、外資系ならではの人材活用の考え方などを紹介していきます。

 JACジャパンは、今年1月に外資系企業への人材紹介を専門とする国際事業部を新設。日本をはじめ、中国・台湾や欧米など12カ国・30名のコンサルタントやスタッフを配置しています。
 語学に堪能な人材の獲得を強化することで、日本での事業拡大を狙う外資系企業の人材ニーズに対応してまいります。

2007年5月17日木曜日

三島にニート自立支援拠点 NPO、行政、民間連携

 三島市中心部でフリースクールや就労支援施設を運営す るNPO法人リベラヒューマンサポート(三好悠久彦理事長)内にこのほど、ニート状態の若者の自立を支援する「地域若者サポートステーション」が設置され た。厚生労働省の委託事業で、行政や民間と地域ネットワークを築きながら、今春初めて就職者を出す成果を上げた同法人運営の「NPOカフェ」などを軸に相 談や就労スキルアップなどの活動を一層充実させる。
 同ステーションを支援する、三島市や商議所、ハローワークでつくる「三島・田方地区若年者就 労支援推進協議会」が既に発足し、さらに東部県民生活センターや国立中央青少年交流の家、民間の人材派遣会社やNPOなどが加わったネットワークのメン バーらが11日、三島市内で初顔合わせした。
 ステーション設置に伴い、同法人は事務局職員1人と就労助言スタッフ3人を雇用。「予防」の視点か ら、新たに高校生へのキャリア教育講座、中卒就職者への準備講座、個別相談を受けている若者の親の会などをスタートさせ、キャンプも計画している。ネット ワークを通じた対象者の確実な把握も期待できる。
 NPOカフェは一昨年4月、珈琲館(本社・東京都)のフランチャイズ店として同市本町に開店。 フリースクールを経て2年間ここで働きながら対人関係能力を磨いた20代―30代の男女3人は通信制の大学や短大を卒業し、それぞれ沼津市内の精密機器会 社や洋菓子店、看護助手の就職を決めた。現在3人がスキルアップに努めるが、さらに人数を拡大する。
 三好理事長はネットワークのメンバーに「机上のネットでなく、実際に手をつないで支援を充実させたい」と呼び掛けた。

ニートの心と就業支援  県とNPOがタッグ

 若年無業者(ニート)の雇用促進を目的に、県と民間非営利団体(NPO)「とちぎボランティアネットワーク」が連携し十六日、県庁に「とちぎ若者 サポートステーション」を設立した。NPO職員による巡回・家庭訪問相談や動物との触れ合い体験を導入するなど、引きこもりがちの若者の心のケアから就労 につなげる試みが特徴だ。 (杉藤貴浩)

 「サポートステーション」は、厚生労働省が委託する若者支援モデル事業の一つ。これまで県庁に開設してきた若者就業支援事業「ジョブカフェとちぎ」を拡充し、来所相談に加え、金曜日の電話相談時間を夜間にも延長するなど、人員と態勢を強化した。

 就業意欲はあっても来所する勇気の出ない若者には、希望に応じて巡回専従のNPO職員らが家庭訪問も行う。

 また、スタッフには新たに臨床心理士も参加し「心の健康サポート」相談もスタート。職業相談だけでなく、就業を困難にしている若者のさまざまな悩みにも向き合っていく。

 さらに精神面での支援では、動物や自然との触れ合いによる“癒やし効果”も導入。月に四回程度、希望者らと上三川町のホースパークを訪問し、馬などと触れ合う機会も設ける。

 県内の二〇〇六年の完全失業率は3・5%だが、十五-二十四歳、二十五-三十五歳に限定すると、それぞれ7・8%、4・4%に上昇する。

 サポートステーション開所の十六日は、とちぎボランティアネットの山中節子理事長が「あせらず、あわてず、あきらめないを合言葉に取り組みたい」とあいさつ。県と連携して、県内に約一万三千人いるとされるニート支援を広げていく考えを強調した。

ニートの自立を支援-なら若者サポートステーション

県中小企業団体中央会(出口武男会長)が25日、奈良市登大路町の県中小企業会館に「なら若者サポートステーション」を開設する。

 同事業は、厚生労働省の委託事業として平成18年度から各都道府県に開設が進められ、現在全国に50カ所開設、本県は同中央会が本年度から運営を開始する。現在、県内のニート人口は約8000人といわれ、早期対応が必要とされる…

年長フリーターの就職を後押し・厚労省、ハローワーク活用

 20代後半から30代の「年長フリーター」の就職を支援するため、厚生労働省は「ジョブクラブ」を都市部のハローワークなどに設ける。少人数のグループ で、職場体験をしたり、面接での自己PRなどを学ぶ。バブル崩壊後の就職氷河期で正社員になれなかった人も多く、同省はこの世代のフリーターを採用する企 業への支援を今年度スタート。双方を支援することで同世代の就職を後押しする。

 景気回復で雇用環境は改善しているが、正社員を希望する年長フリーターの就職は依然厳しい。同省の2004年の調査によると、フリーターを正社員として採用する場合の年齢の上限について、約半数の企業が29歳以下と回答した。

3年ぶりドラマ復帰のチャ・テヒョン「僕またフリーター役です」

 『花を探しに来たんだ』でチャ・テヒョンは、単純で楽天的で笑いを振りまくフリーターだが、ひょんなことから葬儀の仕事を手伝うことになる主人公ユン・ ホサンを演じる。ユン・ホサンは明るく楽天的な性格で、周囲の人々に本当の幸せや希望の意味を悟らせてくれるキャラクターとして描かれる。

バブル並み新卒採用なのに、正社員になれないフリーター

 来春の新卒採用数は5年連続増加で過去最多、求人倍率もバブル時代並みとなる見通しだが、その一方でフリーターから正社員になった人の割合は5年前に比べて大幅に減っているのが現実だ。

 リクルートワークス研究所が4月24日に発表した調査データによると、2008年春に卒業予定の大学・大学院生を対象とする全国の民間企業の求人総数 は、バブル期を上回って過去最高の93.3万人と、前年よりも13%増の10.8万人増加した。また、就職希望の学生1人当たりの求人数を示す求人倍率は 2.14倍と、前年の1.89倍から大幅に増えて92年以来16年ぶりの売り手市場となった。

 一方、企業の中途採用担当者は、就職氷河期と言われた2000年、2001年当時に期せずしてフリーターとなり、なかなか正社員になれない若者の切実な声を聞いている。こうした若者は、少しでも正社員登用の道がありそうなアルバイト職種に殺到しているという。

 週刊スパ5月1日号は、独立行政法人の労働政策研究・研修機構が2001年と2006年に実施した「若者のワークスタイル調査」のデータを取り上げてい る。男性の場合、フリーター(パート、アルバイト)から正社員になった率は、2001年の75%から2006年には58.7%に減少している。また、正社 員になろうとする人の割合も74%(2001年)から50.5%(2006年)に減っている。つまり、フリーターから正社員になろうとしてもなれない人の 割合が増え、正社員になろうとする人の割合も減っているのだ。こうしてフリーター生活を続ける人が増えている。一度も正社員の経験がない「非典型就業」の みの経験者が2001年の18.5%から、2006年には33.4%に急増しているのだ。同機構の堀有喜衣研究員は、「この5年間で、日本社会はますます “やり直しの聞かない社会”になってしまいました」と同誌に語っている。

 新卒から終身雇用のレールを一度脱線するとやり直しのきかない社会は、格差を硬直化させ不安を増幅する。少子化で労働力不足が叫ばれている今こそ、やる気と才能がある人が年齢に関係なくいつでも社会に戻れる仕組みが必要だ。

内定時期前倒し3割超 北陸3県、来春の新卒採用 人材争奪戦が激化

 北陸の企業で、人材争奪戦が激化している。北國新聞社の調査では、今春の新卒採用に ついて、予定数を下回ったと答えた企業が38・1%に上った。優秀な人材を早めに囲い 込もうと、来年春採用の内定時期を前倒しした企業は32・7%で、「青田買い」の傾向 が強まっている。

 来春の採用予定者の内定(内々定含む)時期は、「四月」とした企業が最も多く、回答 した二百二十五社のうち、41・8%に当たる九十四社(複数回答可)に上った。「三月 以前」とした企業も、10・2%に相当する二十三社あった。「五月」が最多だった前年 調査に比べ、早めに内定を出し、優秀な人材を囲い込もうとする動きが強まった。

 「五月」と回答した企業は、26・7%に当たる六十社、「六月」は12・4%の二十 八社だった。「七月」も七社あり、十四社が「九月以降」とした。「九月以降」には、春 、秋の二回に分けて採用している企業が含まれるとみられる。

 昨年より内定時期を「早めた」とした企業は八十五社で、回答なしも含めた二百六十社 のうち32・7%を占めた。売り手市場となり、「青田買い」に動く企業が増えているが 、一方で、「変わらない」とする企業も百三十五社と51・9%あった。

 「早めた」とした企業は、石川県が電子機器関連、建設、流通、商社・自動車ディーラ ーを中心に四十七社となった。富山県は金属・非鉄、医薬品・化学、食品・流通を中心と する三十一社、福井は七社だった。

近畿の自治体、大卒採用年齢上限上げ

 近畿の自治体が職員採用試験の受験資格年齢の上限を相次いで引き上げている。滋賀、兵庫、和歌山の3県はそれぞれ2008年春入庁の上級職員(大卒程 度)の年齢制限を緩和。神戸市は大学院卒の年齢の上限を上げる。好調な業績や団塊世代の大量退職を背景に民間企業が新卒採用を積極化する中、各自治体は採 用対象年齢を広げ優秀な人材の囲い込みにつなげたい考えだ。

  滋賀県は08年春の職員採用で、上級職の受験資格年齢の上限をこれまでの28歳から34歳に引き上げる。上級職全体で89人の採用を予定。07年春の51 人に比べ7割増やす。団塊世代の定年退職に伴う人手不足に対応するため、上級職のうち行政職は60人を計画、1991年度(約50人)以来の規模になる。

 同県は受験年齢の上限引き上げと採用数の拡大によって「官公庁や企業が採用を抑制した、いわゆる『就職氷河期』に卒業した人たちに門戸を開きたい」(県人事委員会事務局)という。

 兵庫県は来年4月に入庁する職員の上級採用試験の受験年齢制限を27歳以下から30歳以下に緩める。14日記者会見した井戸敏三知事は引き上げ幅が3歳にとどめたことについて「新卒者と競争してもらうので年齢が開きすぎないよう配慮した」と説明した。

 和歌山県は県職員採用1種試験の上限年齢を29歳から35歳に改める。1月に上限引き上げを発表して以降「他の仕事に就いている人からの問い合わせが結構あった」(県人事委員会事務局)という。

 神戸市は来年春の採用から、大学院卒の上限年齢を27歳から29歳に引き上げ、博士課程や海外留学経験者などの人材獲得を狙う。大卒は27歳に据え置く。来春の大卒・大学院卒の採用人数は、今春(合計24人)より増やす方向で検討している。

  京都市は08年度以降に実施する採用試験で年齢の上限変更を「検討中」という。同市は上級一般事務職の合格発表日を例年より約3週間早め8月上旬にする予 定。企業との採用競争激化を踏まえ、発表を前倒しして学生の取り込みを強化する。京都府は03年度、35歳まで受験できる「行政2」職を若干名の採用枠な がら新設した。団塊世代の退職者の補充をできるだけせずに人員削減を進める方針だ。

 大阪府、奈良県、大阪市、堺市は上限年齢の引き上げは今のところ予定していないという。

若手営業員の育成ニーズ~その1

 先日、最近の大企業でのニーズとして「社内情報連絡の改善」という話をしたが、もうひとつ最近、顧客先を回っていて、よく相談されるテーマのひとつが「若手営業員の早期育成/戦力化」だ。このところの景気回復に伴い新卒の大量採用が続いており、この大量採用された若手をどう戦力化するかに今多くの大企業が頭を悩ませている。
  そもそもこういった大量採用になったのは昨年や今年からで、その前の数年間は大企業は徹底的に新卒採用を絞っていた。その結果、企業によっては営業員の3 割が入社3年目以内というような状況になっている。人手不足を解消するためにとりあえず大量の新人を雇用したのだが今度は教育する手が足りなくて困ってい るという話のようだ。まあ、ただ困っているだけではどうしようもないのでここはまさに頭の使いようというところである。
 
 さて、素人同 然の新卒の新入社員を育てていくには、経験をさせるというOJTと知識を覚えさせるという研修の2つのやり方があるが、どちらも最終的には、これまで組織 や先輩営業員に蓄積されてきたナレッジ(ノウハウやスキル)を新人に伝承させるという面では同じだと思う。
 
 で、この若手営業員に足りないというか伝承すべきナレッジだがいくつかに分けて考えたほうがよいと考えている。私の場合、過去の経験を元に営業員の持つナレッジをおおむね以下の5つに分類している。

1.商品/サービス自体に関するナレッジ
 商品/サービスの諸元や特徴。売り込みポイントといったまさに基本の知識。この中には当然競合する他社製品との比較ポイントや差別化の為の説明の仕方なども含まれる。
2.業務プロセス処理に関する知識
 自分の会社の中での動き方や業務の処理手順に関する知識。見積もりを顧客に提示するときの手順だとか契約書の条文のチェックに仕方から受注伝票のシステムへの入力や請求書の印刷といったシステムの使い方も含まれる。
3.顧客に関するナレッジ
 相手先の企業のおかれている状況や問題意識、ニーズなどに関する知識や顧客の即する業界の動きや顧客のライバル企業の動きなどから顧客に影響する事象を気づく力など。
4.マーケット自体に関するナレッジ
 自社やその製品/サービスの置かれた市場全体の状況に関する知識。拡大方向なのか縮小傾向なのかとか、マーケット全体で流行しているキーワードや動きといったそういった知識。
5.営業プロセスに関するナレッジ
 営業という仕事として今何をすべきか、次は何が起きるかを察知、把握、コントロールする力。商談の初期段階で意思決定者は誰かを聞いておくとか、担当者の同意が得られた時点でクロージングのために部長に会うようにし向けるとかそういう手順的なノウハウ。

 一般的によく言われる「コミュニケーション能力」や「文章力」「プレゼンテーション力」というのも営業員には必ず必要だが、こういった基本スキル を個別に捉えるのではなく、これらは上記の5つのそれぞれのベースの部分を構成するスキルだと捉えたほうが良いのではないかと、私は考えている。
 
 で、私の専門のナレッジマネジメントではこの5つのナレッジをシステム(ITとそれ以外を混合した仕組み)で支援して若手営業員の育成支援を行うわけだが、とうぜんこの5つのどれを重点的に若手営業員に身につけされるかでアプローチは違ってくる。(続く、たぶん)

新卒採用か、それとも中途採用か・・・

 前回の投稿で、ソフト業界での採用難について取り上げました。

幾つかのコメントを頂き、皆様の関心度合を実感しました。

やはりソフト業界の職場環境にはマイナスイメージが定着している

と実感すると共に、この業界の変革を志す者としては、やはり

真摯に受け止めるべき課題だと感じました。

 私のご支援先でも採用に関しては大きな悩みとなっています。

中でも議論となるのが、新卒採用なのか、それとも中途採用なのか。

中途を選択される経営者は即戦力を期待しています。これはすぐに

売上に直結するイメージです。

新卒を選択される経営者は色々な事を考えています。

組織の活性化や教育への志向という前向きな話題もあります。

当然ながら、利益確保の為のピラミッド構造確保という裏目標がある

ケースも見受けられます。

しかし、そもそも新卒採用はどの位の企業規模から必要になるのでしょうか?

面接で相手の人の力が分かる、2つの質問:新卒編

質問1:あなたは、あなたのプロフェッション(*)とは、どのようなものだと考えますか?

質問2:あなたの業務分野について、これから3年間のあなた自身が考える戦略を教えてください。

(*)....セールスや、マーケティング、エンジニア等の職種のこと

というものでした。

一方で、ソーシアル・ブックマークで「新卒にはこの質問は難しいのでは」というコメントもいただきました。

確かに、この質問は仕事を通じて得たものを尋ねていますので、新卒の方に同じ質問をするのは適切ではありませんね。

ということで、新卒向けバージョンを考えてみました。

 

まず、この質問の本質は「普段からどのような問題意識を持ってモノゴトを行っているか?」ということを問うている点にあります。

つまり、現在又は過去、自分が行ったことについて、どのような問題意識を持って行ってきたかを考えてみると、よいのではないでしょうか?

例えば、私は採用面接の際に、「学生時代に取り組んだこと」について回答をいただいた上で、以下を質問することがあります。

質問1B:あなたは、そのこと(学生時代に取り組んだこと)を通じて何を学びましたか?

質問2B:あなたは、そこで学んだことを、新しい仕事でどのように活かそうと考えていますか?

これも難しい質問です。しかし、大学の4年間の経験を通じて得られたことは、きっと何かある筈です。

私が大学4年生の頃をふりかえって同じ質問をされた場合は、以下のようになると思います。

学生時代に取り組んだこと
3年生まで写真活動を活発に行い、その延長で4年生の時は卒業アルバム編集長を担当。就職活動や研究活動で多忙な合間に、280ページの卒業アルバムの企画、撮影、編集、制作を並列にこなした。

質問1:何を学んだか?
(1)限られた時間内で様々な仕事を同時に進めるタイム・マネージメント力を身に付けた
(2)総予算2000万円規模のプロジェクトを黒字で期限内に仕上げるプロジェクト・マネージメント力を身に付けた
(3)不特定多数の人々(卒業アルバムの対象である4年生)に対し、集合写真撮影や卒業アルバム購入などの対応を確実に行ってもらえるようなガイダンスを行えるようになった

質問2:どのように新しい仕事に活かすか?
上記で学んだことは、恐らく会社の中でプロジェクトを進める上でも重要な要素である。より大きなプロジェクトを責任を持って担当し、成功させたい

実際、「学生時代に何に取り組んだか?」については、ちゃんとした答えが返ってくることが多いのですが、「それではそこから何を学んだのか?」という質問に対しては、口ごもってしまう方が多いようです。

従って、この質問に対して回答するためには、自分が経験したことを一回自分の中で消化し、自分の中での意味を再整理するプロセスを行う必要があります。

さらに、「どのように新しい仕事に活かすか?」については、自分自身の将来プランを構築しておく必要があります。

自分でじっくり「学生だったこの4年間で、自分は何を得られたか?」「その経験をどのように活かしたいのか?」を時間をかけて考えることは、将来の進路を決める上でも大きな価値があると思います。

大卒の就職内定率、過去10年で最高

 大学を今春卒業した学生の就職内定率が96・3%と過去最高を更新したことが、厚生労働省と文部科学省の調査で15日、分かった。高校新卒者も93・9%と五年連続の上昇で、10年前の水準(93・8%)にまで回復した。男女別の大卒、高卒でも前年を上回った。

 両省は、景気回復や団塊世代の大量退職を背景に、新卒者に対する雇用回復が幅広い層に及んでいるとみている。

 大学新卒者の対象について、両省は国公私立や地域を考慮し計4770人を抽出して調査。就職内定率は前年同期比1・0ポイント増。前年を上回ったのは7 年連続で、調査を始めた1997年3月卒以来の最高値。短大卒も94・3%で、前年から3・5ポイント上昇。昨春は前年を下回った高等専門学校卒と専修学 校卒が今年はプラスに転じた。

 一方、高校新卒者は、文科省が都道府県の各教育委員会などを通じて調査。新卒者約114万8000人のうち就職希望者は22万3114人、内定者は20万9441人だった。

 都道府県別での就職内定率の最高は福島(98・9%)で、山口(98・3%)、福井と富山(98・1%)と続いた。低かったのは北海道(82・6%)、沖縄(86・4%)など。

答えを出すのは、入社後でも遅くない

 ただ、今の20代は現状の環境の中で、自分のキャリアを設計していくしかありません。とりあえず、現在考えられる道は以下の二つです。

(1) 職務給カルチャーの新興企業・外資系企業へ就職する。


 勤続年数ベースではない上記のような企業なら、比較的早い段階で経営コースに乗ることも可能です(もちろん、厳しい世界ですが)。

 また、ご指摘のように、一部の金融機関やコンサルの中には、30代で事業会社の役員に転職する人も少なくありません。彼らは直接経営に携わっているわけではありませんが、比較的経営に近い業務を扱うためですね。そういう意味ではもっとも経営に近い職種と言えるでしょう。

(2) とりあえず、就職して頑張る。


  上記のように、現状の日本企業には経営コースと呼べるほどのものはありません。ですから、とりあえずどこでもいいので就職して、そこで頑張るわけですね。 既に一部の大企業の中には、若手幹部候補を30代のうちに選抜し、経営を学ばせる企業も出始めています。そういう会社であれば、理想のキャリア形成も早い 段階で可能でしょう(もちろん、これも結構な競争はありますが)。

 この場合、「この職種がもっとも出世しやすい」というのは特にありません。会社によってマチマチですから。

 どちらを選ぶかはあなた次第です。ただ、あまり最初から絞り込まず、色々と回ってみるべきでしょう。プロフェッショナルになりたいという思いは持つべきですが、なにも経営だけが普遍的なスキルではないのですから。

日本企業には経営コースは存在しない

 90年代までは、面接官に「頑張ります!」「何でもやります!」と言っていれば、大概は内定が取れたんですね。いい時代と言えばいい時代でした。本人はもちろん、採る側も小難しいことなんて考えなくて良かったんですから。

  ただ、現在は状況が大きく変わっています。「○○を希望します、そして将来は~になりたいです。理由は~」なんて明確に将来のキャリアプランまで述べない と、なかなか内定はもらえません。そういう意味で言えば、きちんと目標を持ち、それを伝えていくことは、とても良いことだと言えるでしょう。あとはその動 機が空しく聞こえないように、勉学やインターンを通じてしっかりと肉付けしていけば問題ないはずです。

 さて、ここまで書くと、今の若者はむしろ恵まれているようにも見えますが、問題は入った後です。実際のところ、企業現場はいまだ年功序列のままなんですね。つまり、経営なんて上流の仕事は、組織内で20年以上実績を積まないとまず任せてもらえません。

 さらに、年功序列型の組織では、マネージャーとプレイヤーのキャリアパスが分かれていないため、経営に携わるには、まずプレイヤーとして高い実績を積まなければいけないのです。

 よく「優秀な人材ほど先に辞める」と嘆く人がいますが、そういうケースはたいていこのパターンですね。能力を発揮できる上流の仕事を求めて、外資やベンチャーに流れるわけです。

 そうはいっても、日本企業が緩やかに変わり始めているのも事実です。数十年かけて経営者を育成していては、時代についていけなくなっているわけです。

 おそらく、あと20年も経てば職務給が普及し、20代のうちから経営コースに進んで30代で経営陣入りする人間も出てくるはずです。学生に「具体的なキャリアプランや一定の専門性」を要求し始めたのは、その第一歩と言えるでしょう。

将来、経営者になれるキャリアとは?

 はじめまして、こんにちは。私は現在就職活動中の大学3回生です。城さんの著書『若者はなぜ3年で辞めるのか?』読ませていただきました。非常に面白かったです。と同時に危機感を抱きました。

  というのも、これから社会に出て働く中で、使われるだけの人間では終わりたくないという気持ちがあります。ゆえに会社を利用して将来独立したい、あるいは 自分から会社を選べるようなプロフェッショナルになりたいと思っております。具体的なアイデアはありませんが、自分がイニシアチブをとりたいという意思は 強くあります。そのために経営について学べる仕事がしたいと考えております。

 そこで問題なのが、どの業種が私の意向に最も適しているのか?です。思いつくもので金融、コンサル系ですが、城さんのアドバイスがいただければ幸いです。

ノベルの著名Linux開発者、グーグルに転職

著名なLinuxカーネルプログラマで、NovellのLinux DesktopプロジェクトのチーフアーキテクトであるRobert Love氏が、同社を辞めてGoogleに入社した。

 Love氏は同氏のブログで米国時間5月4日、Novellを退職することを発表し、7日にGoogleへの入社を 明らかにした。Love氏は、O'Reilly and Associatesから出版される新しい著書「Linux System Programming: Talking Directly to the Kernel and C Library」の執筆終了から数週間後にGoogleの「Open Source Program Office」に加わる予定であると述べた。

 Love氏がNovellを辞める数カ月前には、別の著名なオープンソースプログラマであるJeremy Allison氏もNovellを辞めてGoogleに移っている。

 Allison氏は、NovellのMicrosoftとの特許契約が退職の理由だと述べたが、Love氏の辞職理由は明らかにそれとは異なる。Love氏はSlashdotのサイト「news for nerds」への投稿で、「MicrosoftとNovellの提携は私の辞職の理由ではない」と述べている。

 Googleは、こちらも著名なLinuxプログラマであるAndrew Morton氏も採用している。

自分だけが成長していない?

 嶋さん(仮名)は、大手システムインテグレータに新卒で入社し、プログラマとしてようやく1年を迎えようとしているITエンジニア。この1年間は 客先でのコーディングに追われ、目の前にある仕事をこなすことで精いっぱいの毎日でしたが、そういう現状に特に不満もなく過ごしていました。

  そんなとき、大学時代の友人たちと集まる機会がありました。そこで嶋さんは、友人たちが職種は違えど、少しずつ責任のある仕事を任せられる立場になってい ることを聞いたのです。現状の嶋さんの仕事は、仕様書のとおりにコーディングし単体試験をこなすことの繰り返しです。嶋さんは友人と自分とを比較し、自分 だけがまったく成長できていないのではないかという不安を抱くようになりました。

 そこで嶋さんは転職活動を始めました。しかし面接までいっても内定獲得には至らない状況が続き、私の会社に転職相談に来たのです。

  私が嶋さんに転職理由を聞いてみると、「キャリアアップしたい」とのことでした。「具体的にどうされたいのですか」と重ねて質問してみても、答えは「責任 ある仕事がしたい」という漠然としたもので、嶋さんが今後どうなりたいのかという目的がまったく見えてこなかったのです。面接で不合格になってしまう理由 はここにあるのだなと感じました。

 一方、嶋さんの1年間の経歴を見てみると、現状をあまり悲観的に考える必要はない ように思えました。嶋さんは入社以来、製造業向けの財務会計システム開発を担当していました。大規模な案件であり、友人たちのように1年目から責任あるポ ジションを任されるのが難しい状況であるのは仕方ないことです。また、この分野のITエンジニアのニーズは非常に高いのです。

 そこで私は嶋さんに、もう少し経験を積み、財務会計に関する知識を増やして成長していくことで、3年後、5年後には本当にキャリアアップできる転職が可能であるとお話ししました。

  いま無理に転職をしても、自分の強みを特に持たないプログラマとして転職することになり、状況はあまり変わらないでしょう。幸いにも嶋さんの職場には、今 後上流工程から開発経験を十分に積んでいける環境がありました。嶋さんもそのことを理解し、転職をいったん思いとどまったのです。

  今回の相談をきっかけに、嶋さんは「将来、財務会計分野のコンサルタントとして活躍したい」という目標を定めることができました。そして日々の業務に携わ りながら、財務会計に関する業務知識をもっと増やしていくことを決意しました。いままではただ漠然とこなしていた業務に対しても、目標を持つことで前向き に取り組む気持ちになることができたのです。

 数年後、嶋さんが転職という選択をしたら、おそらくそれは嶋さんにとって本当のキャリアアップ転職となることでしょう。

キャリアビジョンの有無が、明暗を分ける

 同じ1年目に転職を志した嶋さんと大和田さん。2人の違いはどこにあるのでしょうか。それは、「明確なキャリアビジョンを持って日々の業務に臨ん できたか」ということです。自分のキャリアビジョンに向けて、「いま何をすべきか」を常に考えていたかどうかによって、たった1年の間に2人には大きな違 いが生じました。

 就業年数が短く、経験が少ない人の転職では、いかに自分をアピールするかが重要となってきます。そ こでは短期間でどれだけ業務に対して真剣に取り組んできたかと、どれだけ熱いこだわりを持っているかがポイントになります。就業期間は短くても、中身の濃 い業務を行うことによって、実際の期間以上のキャリアを積めることにもなります。明確なキャリアビジョンを持って能動的に仕事をしていくことで、たとえ入 社1年目であってもキャリアアップ転職を成し遂げることができるのです。

 若手転職希望者に転職理由を聞くと、「会社の雰囲気が悪い」「仕事内容が入社前のイメージと違った」「上司とうまが合わない」など企業や職種とのミスマッチを挙げる人が依然多いのですが、「キャリアアップしたい」ということを理由に挙げる人も増えてきています。

  キャリアアップという言葉は抽象的で分かりにくいものです。キャリアアップという言葉のとらえ方は、「責任あるポジションに就くこと」「大規模な仕事を担 当すること」「スペシャリストになること」「年収をアップさせること」「大企業で働くこと」など、人によってさまざまです。

  私は、「自らが掲げた中長期的なキャリアビジョンに近づいていくことがキャリアアップである」と考えています。ある人にとってはキャリアアップと思えるこ とが、ある人にとってはキャリアダウンと感じることもあるかもしれません。個人の価値観の数だけキャリアップに対する考え方があると思っています。

  キャリアアップするためには、まずしっかりとしたキャリアビジョンを持つことが重要です。そしてそのキャリアビジョンを実現させるために3年後、5年後の マイルストーンをしっかりと据え、どういったキャリアを積むべきかを常に考え、自らのキャリアを定期的に見直していくことが大切です。見直した結果、軌道 修正が必要ということであれば、その方法の1つとして「キャリアアップ転職」があるという姿勢が重要だと思います。

 前向きなキャリアアップ転職は非常に素晴らしいことです。ただ、実行に移す前に一度立ち止まって考え直してみてほしいのは、「どういうキャリアビジョンに基づくキャリアアップなのか」「そのための手段として転職は妥当なのか」ということです。

 もし入社1、2年目で現状に不安や不満があり、キャリアアップ転職を考えている場合は、キャリアコンサルタントへ相談してみるのもお勧めです。第三者の視点からの意見が得られると思います。

3年後に起業したい!

 大和田さん(仮名)は、中堅ソフトウェア開発会社へ新卒で入社してもうすぐ1年。プログラマとしてWebシステム開発を担当してきました。「将来はWebシステム開発会社をつくる」というキャリアビジョンを持っていて、もともと3年をめどに転職を考えていました。

  大和田さんが任されていたプロジェクトは、流通業向け顧客管理のWebシステムの開発でした。幸いにもすべてが起業へ生かせる内容の仕事で、大和田さんは 何事にも積極的に取り組み、好奇心を持って、システム開発のノウハウを熱心に習得しました。その頑張りが認められ、1年目であるにもかかわらず上流工程も 任されることとなり、仕事は大変充実していました。

 しかしあるとき、携帯電話の組み込みソフトウェア開発部門へと転 属になってしまったのです。本人のキャリアプランからすると組み込み分野は大きく外れてしまうために、これを機に予定よりも早い転職を決意し、転職相談に 来たのです。転職理由は「起業のためのキャリアアップ」ということでした。

 話を聞いてみると、大和田さんはWebシ ステム開発への強いこだわりと自分なりのキャリアビジョンを持っていて、転職理由の揺らぎはまったくありませんでした。私は、現在の転職市場では組み込み 分野のITエンジニアのニーズが非常に高く、このまま転職せずに現職にいることも将来的には有効なキャリアになるのではというお話もしました。しかし大和 田さんは、ハードウェアと密接に関係する組み込み分野での起業は難しいと判断し、Webシステム開発のスキルとノウハウを身に付けなければ自分のキャリア ビジョンは実現できないという考えを持っていました。そしてWebシステム開発のスキル習得に加え、将来に向けて小規模なソフトウェア会社の運営方法を学 び、人脈を広げていくために、ベンチャー企業への転職を希望していました。

 大和田さんは一般的な1年目のITエンジ ニアに比べ、技術的なスペックは非常に高く、上流工程の経験もありました。1年目とは思えないほどのキャリアを積んだという実績に加え、起業への熱い思い が認められて、すぐにWebシステム開発に特化したベンチャー企業への転職が実現しました。年収はダウンしましたが、大和田さんにとってのキャリアアップ 転職は成功したといえます。

自分だけが成長していない?

 嶋さん(仮名)は、大手システムインテグレータに新卒で入社し、プログラマとしてようやく1年を迎えようとしているITエンジニア。この1年間は 客先でのコーディングに追われ、目の前にある仕事をこなすことで精いっぱいの毎日でしたが、そういう現状に特に不満もなく過ごしていました。

  そんなとき、大学時代の友人たちと集まる機会がありました。そこで嶋さんは、友人たちが職種は違えど、少しずつ責任のある仕事を任せられる立場になってい ることを聞いたのです。現状の嶋さんの仕事は、仕様書のとおりにコーディングし単体試験をこなすことの繰り返しです。嶋さんは友人と自分とを比較し、自分 だけがまったく成長できていないのではないかという不安を抱くようになりました。

 そこで嶋さんは転職活動を始めました。しかし面接までいっても内定獲得には至らない状況が続き、私の会社に転職相談に来たのです。

  私が嶋さんに転職理由を聞いてみると、「キャリアアップしたい」とのことでした。「具体的にどうされたいのですか」と重ねて質問してみても、答えは「責任 ある仕事がしたい」という漠然としたもので、嶋さんが今後どうなりたいのかという目的がまったく見えてこなかったのです。面接で不合格になってしまう理由 はここにあるのだなと感じました。

 一方、嶋さんの1年間の経歴を見てみると、現状をあまり悲観的に考える必要はない ように思えました。嶋さんは入社以来、製造業向けの財務会計システム開発を担当していました。大規模な案件であり、友人たちのように1年目から責任あるポ ジションを任されるのが難しい状況であるのは仕方ないことです。また、この分野のITエンジニアのニーズは非常に高いのです。

 そこで私は嶋さんに、もう少し経験を積み、財務会計に関する知識を増やして成長していくことで、3年後、5年後には本当にキャリアアップできる転職が可能であるとお話ししました。

  いま無理に転職をしても、自分の強みを特に持たないプログラマとして転職することになり、状況はあまり変わらないでしょう。幸いにも嶋さんの職場には、今 後上流工程から開発経験を十分に積んでいける環境がありました。嶋さんもそのことを理解し、転職をいったん思いとどまったのです。

  今回の相談をきっかけに、嶋さんは「将来、財務会計分野のコンサルタントとして活躍したい」という目標を定めることができました。そして日々の業務に携わ りながら、財務会計に関する業務知識をもっと増やしていくことを決意しました。いままではただ漠然とこなしていた業務に対しても、目標を持つことで前向き に取り組む気持ちになることができたのです。

 数年後、嶋さんが転職という選択をしたら、おそらくそれは嶋さんにとって本当のキャリアアップ転職となることでしょう。

新卒1年目でも転職できますか?

 4月に入ってから、朝の通勤電車で目をランランと輝かせた多くの新入社員を見掛けるようになりました。熱い思いを胸に、夢に向かって突き進もうと いう姿(私の勝手な想像かもしれませんが……)は本当に気持ちの良いものです。毎年、そういう彼らの様子を見ると非常にうれしくなり、「自分も初心に帰っ て仕事を頑張ろう」という気持ちになります。

 しかし、そんな新入社員たちも入社3年目までに3割以上が退職してしまうといわれています通勤電車で私にやる気を与えてくれる新入社員たちも、3割が3年で退職していくことになるのでしょうか。

 このことを念頭に置いて転職市場を見てみましょう。若手社員の転職率の上昇と同時に、転職市場でも第二新卒のニーズが非常に高まっており、多くの 企業が第二新卒枠での求人募集をしています。従来、転職というのは自身が積み上げてきたキャリアを売り込むことであり、転職希望者はある程度の経験を積ん だ人が中心でした。しかし、それとは別枠の第二新卒のニーズの高まりにより、若手にとっても非常に転職しやすい環境が整ってきているといえます。

 たとえ新卒で入社して1年目のITエンジニアであっても、転職によるキャリアアップの可能性は広がっています。その半面、キャリアアップにつながらない安易な転職をしてしまうという失敗も増えているのが現実です。

 では、若手社員が転職で失敗しないためには、何に気を付ければいいのでしょうか。その答えを探るために、新卒で入社して1年目で転職を決意した2人のITエンジニアの例を見てみましょう。

やりたいことを実現させるために

最後に、やりたいことを実現させるための秘けつを1つ書きましょう。それは「何とかなる」という気持ちです。いい換えれば、「僕(私)なら何とかできる」という自信を自分に対して持つことです。

  たとえ、どんなに難しいチャレンジでもまったく未知の領域でも、それを成し遂げる力が自分にはあると信じることができたら、そのチャレンジはすでに半分成 功しているといってもよいでしょう。そのためにも、自分自身が信頼できる自分であること、これがやりたいことを成功させるポイントです。

 この文章を読んでいるあなたが、いつかやりたいことに向かって自信を持って進む日が来ることを、心から願って筆を置きます。

やり方3

 あなたが最後に選んだ3枚にはどんな言葉が書いてありますか。この3枚に書かれた言葉は、あなたが仕事をするうえで、最も大切にしたいこと=仕事に対する価値観を表す言葉です。

  このエクササイズでは、あなたのやりたいことそのものまでは見つかりません。しかし、最後の3枚に選んだ言葉はあなたのやりたいことの要素です。この3枚 が実現できる仕事や生き方を考えること、そして、数々の希望の中から取捨選択していく過程の中から、やりたいことの形や方向性が見えてきたのではないで しょうか。

やり方2

3. すべてのマスに記入したら、マスごとに切り分けて、24枚のピースにします。
4. 切り分けたピースを1つ1つ検討しながら、「Must」と「Want」にちょうど半分ずつになるように置きます(上の図を参照のこと)。
5. 「Must」に置かれたピースだけをもう1度、「Must」と「Want」に2分割します。
6. これを3回繰り返すと、最後に3枚のピースが残ります。

やり方

1. 真っ白い紙を、上の図のように24個のマス目に区切ります。
2. 次に、あなたが仕事に対して期待していることや仕事から得たいことなどを、1マスに1つずつ記入します。
  例:「年収600万円以上」「社会貢献できる」「充実感」「役職」「尊敬できる先輩」「リーズナブルな社食」「メンバーの仲が良い」など

やりたいことの見つけ方

 では、やりたいことが分からない場合はどうしたらよいのでしょう。そもそもやりたいこととは何なのでしょう。アイティメディアが運営している総合転職支援サービスの中に、履歴書などの転職に関係するテンプレート集をダウンロードできるサービスがあります。この中の「自分意思確認シート」というワークシートを使って、やりたいことを見つけるエクササイズをしてみましょう。

1度はチャレンジすべし、やりたいこと

 個人的な考えですが、私はやりたいことがある人は、1度はチャレンジしてみたらよいと思います。自分のやりたいことが分からないという人も多いのに、やりたいことがあるということは、それだけで幸せなことだと思うからです。

  とはいえ、そんなに簡単にいわれてもやりたいことを実現させるためにはさまざまな障害があって難しいのだ、とおっしゃる方もいるでしょう。でも、例えばそ の1つ、もしあなたがやりたいことを「できないから」という理由で躊躇(ちゅうちょ)しているのだとしたら、恐れることはないのではないでしょうか。最初 から何でもできる人はいません。やりたいことなんですから、やってからできるようになればいいのです。

 ただし、 ただ「やりたいな」と思っているだけでは、やりたいことはいつまでたってもできません。では、どうやったらやりたいことを実現できるのでしょうか。まず、 自分の心の中を整理して、「それは、思いつきやあこがれ程度のものではないか」「どうしても、それをやりたいのか」「どうやったら、それをやれるのだろう か」をじっくり考えてみましょう。そうして、“やりたいこと”とその実現のためにやるべきことが明確になったら、次はやるべきことの着手=準備期間です。 勉強する、資格を取るなどの知識の蓄積や、業務外やプライベートでやるべきことに近い要素を持つものごとに携わるなど、いろいろな方法が考えられます。

  この準備期間は、とても重要です。準備期間を作ることで、現時点での適応度の目星がつきますし、もしかしたら準備していく中で、自分がやりたいことだと 思っていたことが実はそれほどのものではないことに気が付いたり、ほかのもっとやりたいことが見つかるかもしれません。たとえ不幸な気付きでも、本実行の 前に気が付いたのならそれはそれで大切な発見です。そのためにも、この準備期間が必要なのです。

できることとやりたいこと

 普通に考えたら、30代で未経験の職種にチャレンジするのは大変勇気のいることです。彼もキャリアカウンセラーですから、それが困難な選択であることは重々承知していたことでしょう。しかし、それでも彼は決断しました。

 就職や転職、現在の仕事に行き詰まったときなど、キャリアのターニングポイントとなる瞬間に、できることとやりたいことのどちらを優先させるべきか悩んだ経験が、誰しも1度はあるのではないかと思います。

  あらためて説明するまでもありませんが、転職や異動などで環境が変わるときは、いままで経験してきて実績のあること=できることをベースにする方が、心理 的にも経済的にも負担が少なく、リスクを回避することができます。しかしできることの範囲内で選択を重ねていくと、だんだん選択肢が限られ自分の可能性が 狭まっていくような気もしてきます。

 「せっかく新しい環境になるのに、いままでと同じことをしていたら環境を変 える意味がない。たとえ、失敗したっていいじゃないか。年を取って自分の人生を振り返ったときに、やりたいことをやって失敗したことよりも、やりたいこと をやらなかったことの方が後悔するだろう」。このような思いが、前述の男性にやりたいことへのチャレンジを決意させた背景にはあったようです。

自分の転機にやりたいことをやってみよう

 先日、キャリアカウンセラー養成トレーニングの同級生同士で集まる機会がありました。クラスメートだった1人が長年勤めていた会社を退職して海外に留学することになり、その壮行会を行うためです。

  トレーニング終了から約3年、それぞれが近況を報告しあうと、驚いたことに実に半数以上のメンバーが何らかの「転機」を迎えていました。転機の内容は留 学、転職、結婚などさまざまですが、共通していえるのは「まったく新しい選択」をしたということです。年齢も性別も職業もバラバラなメンバーが、一定の時 期にキャリアの転機=トランジションを迎えていたのです。

 キャリアカウンセラー養成トレーニングは約3カ月。理 論や法律を学び、お互いをカウンセリングしあったり、アセスメント(診断)ツールを使って自分1人では気が付かなかった志向を引き出したりする訓練を行い ました。トレーニングはキャリア構築に悩む人の支援をする力を付けるためのものですが、どうやら私たちは、そのトレーニング期間を通じて自分自身のキャリ アについても見つめ直し、トランジションを迎える準備をしていたようです。

 その中の1人、それまでとは違う職種 に転職した男性がこんなことをいっていました。「ある日、自分のキャリアを振り返ってみたら、自分の人生は“できること”の範囲での選択が多かったことに 気が付いた。そして30代半ばになって将来を考えて、このまま“できること”だけ続けていいのだろうか。いまこそ“やりたいこと”を優先させてみるべきと きなのではないか、と思ったんだ」

働く上で、自分のはずせないものに焦点を

 世の中にはこんな仕事もあるのかと、初めて知ることもあります。

 相談者の中には、数多く仕事を渡り歩いて、これでもない、あれでもないといまだ自分にしっくりくる職が見つからない方もいます。そのため、青い鳥を探して転職を繰り返すこともあるようです。

 講義の後などで、相談にのっている方々からよく言われることは、「楽しそうで、イキイキしていて、キャリアカウンセラーあるいは講師が天職なんで すね」という言葉です。「う~ん天職なのかなぁ~? 確かにやりがいはあるけれど、これが本当に天職?」とふと考えてしまいます。

 だからといって、お金は稼がなければならないし、私を必要とする方もいるので、もっと楽しい仕事、もっと自分に合っている仕事を思い描いて職を変えるつもりはありません。

 これまでの仕事を振り返り、やりがいのあった仕事には共通点があることに気付きました。

 「人前で自身の思いや、持っている知識を語る」ことです。そこがぶれなければ、例えほかの仕事をやったとしても納得できるのかもしれません。

 嫌だった仕事の中に、何か一つでもやりがいを感じる瞬間があったなら、思い出してください。共通点が見つかれば、それが仕事をする上でのキーであ り、テーマなのかもしれません。何もかも満たされていることが天職と考えるのではなく、自分のテーマに沿っていれば良い職に出合えたと考えていいのではな いでしょうか?

 天職をみつけなきゃと意気込まず、働く上で自分のはずせないもの(キー、テーマ)に焦点を当てると、転職の繰り返しをストップさせることができるはずです。

 私は、自分の人生の幕を閉じる時「あの仕事が天職だったのかも……」と気づくことがあるのかもしれない、と考えています。

 天職と思った仕事がたとえあったとしても、良い時期もあれば、悪い時期もありますから……。

 今一度、自分にとっての天職ってどんなものか考えてみませんか。

「天職は?」…転職考える前に、考えて

キャリアカウンセラーの仕事をしていると、いろいろな職業(仕事)に従事している方に出会います。

幸せな転職をするためには

 幸せな転職を実現するには、前向きな心構えが必要です。

 面接でも、必ずといってよいほど転職理由について質問されます。特に採用難易度の高い会社ほど、前向きで納得できる転職理由を強く訴える必要があります。

 また、仮に面接でうまく取りつくろい、何とか入社することができても、今後その会社で成功を収めることができるかどうかは別問題でしょう。入社後に成果を挙げるためには、高い志と強い意思が必要であると筆者は考えています。

 転職を考えたときは、その理由が前向きであるかどうか、何かから逃げようとしていないかを自問自答してみてください。転職とは、それほど慎重に進めるべきものなのです。

 それでも答えが出ない場合には、経験豊富な先輩に相談するのもいいでしょうし、人材紹介会社に相談してみるのも1つの方法であると思います。

具体的な目標に向け、転職に成功

 ここまで課題の解決策を明らかにした加山さんは、次に、目指す将来像として「ITアーキテクト」を選びました。常に新しい技術を追いかけていきたいという思いが強く、技術を究められるITアーキテクトに興味があるというのです。

 そこで、企業情報の中から加山さんの志向に合った会社を選び出し、大手から中堅のSIerを中心に応募しました。どの会社も加山さんの経験、スキルアップに関する一貫した考え方を高く評価し内定を出しました。

 最終的に加山さんは、オブジェクト指向技術やオープンソースに強みを持つコンサルティング系のSIerへの入社を決意しました。

 加山さんの転職活動の成功要因として、下記の3点が挙げられます。

  1. ネガティブな転職動機から前向きな動機への転換
  2. 目指すべきキャリアパスの明確化
  3. 現在のスキルと今後目指す方向に合致した企業の選択

 将来の目標を定め、有意義な転職を果たした加山さんは、今後持ち前の熱心さでますます活躍することでしょう。趣味のバンド活動も、時間を見つけて続けていくとのことです。

民間企業、「有料転職サイト」より「ハローワーク」を多用

昨年7月に求人を行う企業担当者を対象にを行ったが、その結果、 Web の有料転職サイトよりハローワークのほうがよく使用されていることがわかった。

約1年経過して、その状況に変化はあっただろうか。

「求人情報」に関する調査によると、 民間企業が人材募集の際に利用した媒体の最多は、 前回同様「ハローワーク」で、 Web 上の有料転職サイトは「新聞」を抜いたものの、4位にとどまった。

調査対象は、民間企業に勤務する30代から60代の人事、総務担当者の男女330人。 男女比は男性69.7%、女性30.3%。 年齢別では、30代38.2%、40代37.3%、50代21.8%、60代2.7%。 地域別では、北海道0.6%、東北0.3%、関東19.7%、甲信越0.9%、東海47.9%、 北陸0.0%、近畿28.8%、中国1.2%、四国0.3%、九州沖縄0.3%。

調査対象になった330人のうち、「過去1年間に社員などを募集した」と回答したのは、全体の74.5%(246人)で、前回より2.4ポイント上昇した。

また、「過去1年間の募集回数」については、 前回同様「5回以上」が最多だったが、 今回は37.4%と、 前回より0.8ポイント上昇した。 ついで「1回」の32.5%(1.5ポイント下降)だった。

募集の際に利用した媒体について聞いたところ、 最多は前回同様「ハローワーク」で、 「大学などの学校」「人材紹介会社」がそれに続き、 Web 上の有料転職サイトは「新聞」を抜いたものの、4位にとどまった。

問題の本質を解決するには?

 では、加山さんは将来の目標をどこに置くべきなのでしょうか。

藤田 加山さん、目標にしたい先輩は社内にいますか。

加山 正直なところ、思いつきません。

藤田 それでは、プロジェクトで一緒に仕事をする人の中ではいかがでしょうか。

加山 元請けのSIerのプロジェクトマネージャに山崎さん(仮名)という人がいて、非常に優秀な方だと思います。

藤田 目指す人はその人ですね。

加山 そのとおりです。しかし、山崎さんは優秀すぎて、私に同じことができるとは思えません。

藤田 いますぐは難しいかもしれませんが、山崎さんも最初は新人から下積みをしたはずですよ。

加山 ……ということは、山崎さんがいるような会社で経験を積めれば、私も山崎さんのようになれる可能性があるということですね。

藤田 そうだと思います。新しい目標が決まりましたね。

 加山さんが所属するのは、2次請け~3次請けが中心の中堅ソフトウェアハウスです。加山さんは、自分が望むようなスキルアップをするためには、元請けのSIerへの転職が必要であることに気付きました。

  さて、加山さんの経歴とスキルを考えてみると、ITエンジニアとして5年目、プロジェクトでは詳細設計~開発~テストのフェイズを中心に行い、J2EE開 発のノウハウ(フレームワークやライブラリの選定、アジャイル開発、モデリング)と各プロジェクトに最適な技術・手法を選択するスキルを身に付けてきまし た。

 加山さんの年齢でこのようなスキルセットを持つ人材は、多くの企業に求められています。つまり加山さんは市場価値が高いのです。

加山さんの気付きのプロセス

 続けて私は、加山さんの希望についてこのように話をしました。

藤田 IT関連の仕事で残業のない会社を探すことが相当難しいのはご存じですか。

加山 はい、分かっています。

藤田 それでは、これまでとまったく異なる仕事をする心構えはありますか。

加山 何ともいえませんが、あまり自信がありません。

藤田 そうですね。仕事を変えるとなると一から始めることになりますし、給与も下がるでしょう。好きなバンド活動を続ける資金にも苦労するのではないですか。

加山 そのとおりです。機材やスタジオ代もばかにならないんです。

藤田 なるほど、趣味の音楽を続けるにも資金が必要なのですね。ところで、これまでは残業が多くても一生懸命仕事に取り組むことができたのに、どうして急にそれができなくなったのでしょうか。これまで、加山さんが仕事に没頭できていた原動力は何だったと思いますか。

加山 それは……。

 加山さんは、ITエンジニアになりたいという希望を持って情報系の専門学校に進学し卒業したこと、高い志で仕事に没頭し、楽しかったときのことを思い出します。そして現在の自分と比較します。

加山 最初は何もかもが新しいことばかりで刺激が多く、とても楽しかったのです。残業も苦になりませんでした。ところがいまは同じことの繰り返しになっていて、目標とすべきものが見えていないような気がします。

藤田 本当は、もっと熱中できる仕事がしたいのではないのですか。

 加山さんは、今回の問題が、残業ではなく、目標が見えなくなったことによるものであることに気付きます。

加山 そうかもしれません。

藤田 新しいことに取り組める環境に身を置けば、仕事をもっと楽しむことができるのではないですか。音楽であれば徹夜をしても苦にならないのですものね。

加山 そのように思います。でも、そんな仕事はあるのでしょうか。

藤田 それを一緒に考えましょう。

  勉強熱心で飲み込みも早い加山さんは、数々のプロジェクトで経験を積み、順調にスキルアップしてきました。しかし、日々の仕事はSIerからの指示に基づ くものがほとんどで、詳細設計~プログラミング~テスト、あるいはプログラミングのみの繰り返しです。これ以上の新しいスキルを身に付けることが難しい状 況になり、モチベーションを保てなくなってしまっていたのです。

 こうして加山さんは、質問の回答を考えるうちに問題の本質に気付き、ネガティブであった転職動機を、前向きなものに変えることができました。

「残業のない会社に転職したい」

 こうして私は加山さんにお会いしました。加山さんの第一印象は、「はきはきとして活発そうな性格」というもので、非常に好感が持てました。ところ が相談内容を尋ねたところ、彼女は「残業のない会社に転職したいので、どのような仕事なら可能性があるか教えてほしい」というのです。明るく前向きな性格 に見える加山さんがこういう話をすることに、私は少し違和感を覚えました。そこで、そのような考えに至った経緯を聞いてみることにしました。

  彼女はこれまでの経緯(前述の内容)と、業務に忙殺されている現在の状況を話してくれました。さらに話を聞くと、趣味で作曲とバンド活動をしており今後も 続けていきたいが、いまのままではどうしても時間をつくることができず、そのために転職を考えたいというのです。私にもかつてそのような時期があっただけ に、彼女の思いはよく分かりました。

 私は趣味の活動について聞いてみました。「バンド活動に強い思い入れがあるようですね。どんなところが楽しいのですか」。加山さんは作曲の話や、楽器のテクニック習得のため徹夜をしたことなど、苦労した経験を楽しそうに話してくれました。

加山さんの多忙すぎる毎日

 加山優子さん(仮名・26歳)は、中堅ソフトウェアハウスに勤めるITエンジニア。情報系の専門学校を卒業してすぐに入社し、それ以来一貫してビ ジネス系のシステム開発に従事しています。システムインテグレータ(SIer)がユーザーから請けたプロジェクトに派遣されるケースが多く、業務としては 主に詳細設計以降の工程が中心でした。

 飲み込みが早く依頼された仕事を確実にこなす彼女は、ユーザーから高い評価を受け、常に新しいプロジェクトにアサインされていました。それにつれて社内での評価も高まり、業務での開発経験や先端技術を社内にフィードバックする教育担当に任命されるほどでした。

  しかし、加山さんは入社以来ほとんど定時に帰ったことがありません。プロジェクトはいつも火を噴き、帰宅時間はますます遅くなります。次第に彼女は「もっ とプライベートを充実させたい」と考えるようになりました。そこで、人材紹介会社(つまり筆者)の元へ相談に訪れたのです。

「残業したくない」に隠された、本当の転職理由

 日本経済は好景気に沸き、求人市場も1990年代前半のバブル全盛期を彷彿(ほうふつ)とさせる売り手市場。数年前の転職市場とはうって変わり、 転職者が何社も内定を獲得するといった光景をしばしば目にします。近年まれに見るチャンスの到来に、転職でのキャリアアップを狙うITエンジニアも少なく ありません。

 求職者にとっては、選択肢が広がる絶好の機会であるといえます。しかしそれと同時に、転職の動機がこれまで以上に大きな意味を持つようになっているのも事実です。

 この連載では「転職を考えたきっかけ」をテーマに、それぞれの転職志望者の動機、抱えていた課題とその解決のプロセスを紹介します。

 第1回である今回は、表面的な転職動機に隠された真の問題点を探り、それを解決した事例について考えたいと思います。

該当者不明の年金納付記録 1900万件

 社会保険庁が管理する厚生年金と国民年金(基礎年金)の記録のうち、支給開始年齢に達しているのに年金給付の対象となっていない80歳未満の保険料納付記録が約1900万件もあることが、社保庁の調べで明らかになった。

 厚生・国民年金では、本人が支給漏れに気づくなどして社保庁に年金額を訂正させた人数が、過去6年間で約22万人にのぼることが明らかになっている。今 回の調査結果では、1人の受給者がいくつもの不明の記録の対象となっている可能性もあり、記録の件数より実際の支給漏れの人数は相当少ないと見られるもの の、支給漏れにまだ気づかず、本来より年金額が少ない受給者が多数にのぼる可能性が強まった。

 公的年金の記録は1997年から、1人一つの基礎年金番号で管理され、転職を繰り返しても支給漏れが起きない仕組みになっている。

 だが、それより前は、転職のたびに別の年金番号が付けられるなどの例が多く、基礎年金番号にまだ名寄せされていない過去の記録が、2006年6月現在で約5000万件もあることが、明らかになっていた。

 社保庁が今回、年齢別の内訳を調べたところ、このうち標準的な支給開始年齢(厚生年金60歳、国民年金65歳)以上で、受給者の平均的な寿命であ る80歳未満の記録が、計1866万7317件(厚生年金1499万9655件、国民年金366万7662件)にのぼることが判明した。厚生年金の場合、 約6割を60歳代が占めている。

 80歳以上で基礎年金番号のない記録は904万1631件(厚生年金681万3179件、国民年金222万8452件)あった。

 支給漏れは、年金の受給が始まる時点で、保険料を支払った記録の一部を、社保庁と受給者の双方が見落とすことで起きる。社保庁は今回のデータのうち、支給漏れの実人数は把握できないとしている。

年齢は絶対値ではなく、ふさわしいキャリアがあればよいこと。

 年齢は絶対値ではなく、ふさわしいキャリアがあればよいこと。ただ、30歳半ばを過ぎたら専門技術は当然として、リーダー的な経験も見ています。於保は技術スキルも高いのですが、若手のエンジニアを教育した経験が豊富。そこも高く評価しました。
 日本はSI的な業務が多いせいか、仕様書から入る開発が主流です。しかし、弊社は2004年設立の自社開発型のベンチャーですから、ビジネスモデルを理 解した企画提案型のエンジニアが欲しいのです。年齢によらずこの姿勢は必須。エンジニアは弊社の主役ですが、受け身で主役は取れません。

今までは好きな技術を吸収できてメシが食えればいいと思っていました

「今までは好きな技術を吸収できてメシが食えればいいと 思っていましたが、そろそろ腰を落ち着けようかと(笑)。ただ、35歳では感じませんでしたが、40歳を超えての転職は厳しかったですね。そんな私が貢献 できるのは『総合力』だと思っています。今は日本語の解析だけですが、日本語は世界でもトップクラスの難しい言語なので、英語版での世界展開も夢ではない と思います。それに上場もしたいし、自社ビルの中にデータセンターも作りたい」
 於保さんは同社の主力サービスであるBuzzTunesなどのインフラの構築と運用を担当しており、今後は人工チャットエンジンなどの開発にも参加する予定だ。
「インターネットもTelnetの時代から知っていますから、FTPの延長にしか感じませんし、数年後にはWebに替わる技術が出てくるんじゃないですか」
 技術に長いこと真剣に向き合ってきたからこそ、こんなセリフがさらっと言える。

エンジニアの本能

 大学の専攻は電気だったが、ほとんどソフト系職種で転職を繰り返してきた於保さん。その動機は「エンジニアの本能」に従っていたようだ。新卒入社の大手 通信機器メーカーではソフト開発を中心に技術営業まで携わるが、「世界一を目指しているのか」と疑問に思い、転職してシステムの導入コンサルタントにな る。そしてインターネットが本格化してくると、ISPに転職して衛星通信によるマルチキャスト配信業務に就いた。
「私は自分をUNIXエンジニアだと思っていますし、ようやくIPが日の目を見たかと思って転職しました。関連会社に常駐したコンサル兼開発業務で、アメ リカのナパバレーにある打ち上げセンターにも、合計で3カ月ほど赴任しました」

  ただ、常駐会社のビジネス的な方針に疑問を覚え、ITベンチャーに転職。外資系通信機器メーカーが日本でASP事業を立ち上げる、その窓口となると聞いて のことだったが、話が途絶えてしまう。しばらく「プータロー生活」(於保さん)でソフトの受注開発を行うが、実は会社員時代から続けていたこと。於保さん はアマチュア無線でのデータ通信が学生時代からの趣味で、その仲間が発注元である。
「それから外資系セキュリティベンダーに入社しました。日本ではソースコードを持っていないので、アメリカから来たものを評価して戻すなどの仕事です。 PKI(公開鍵暗号基盤)に興味があり、ECのデータが流れる実際の様子も知りたかったので」
 しかし、開発はあくまでも米国本社。退社してから転職活動を始め、自然言語認識技術を核としたブログの高感度分析を行うC2cubeに入社した。

セキュリティ診断サービスを始めたのは1997年から。

セキュリティホールのチェックを行うセキュリティ診断サービスを始めたのは1997年から。つまり、業界自体が若いために人材が希少で、弊社でもネット ワークエンジニアをポテンシャル採用する場合が多くあります。そんな中で初貝は数少ない「本当の経験者」。もちろん即戦力として採用しました。
 35歳限界説なんて昔の話ですよ。少なくとも弊社で年齢は関係ありません。若いうちに実装を学んで年長でソリューションを提供するのが普通だと思いますし、年齢を重ねたほうが、お客さんに安心感を与えられますから。

侵入検査サービスを担当。

 現在の仕事は前職と同じで、GSXでは「Tiger Team Service」と呼ぶ侵入検査サービスを担当。同社の技術系職種はエンジニアとコンサルタントに大きく分かれるが、初貝さんは前者であり、希望どおりに 多くの情報と新手法に触れられたと、この半年を振り返る。
「私は36歳で転職したのですが、募集要項には『35歳まで』という記載が多く、正直参りました(笑)。年齢が高い分だけ期待値も大きいせいでしょうが、 そんな壁を乗り越えるのは『スピード』だと思います。3年後の目標を立てて勉強すれば、未経験でも3年後には即戦力となるはず。そして、目標を決めたら今 すぐに挑戦すること。こうしたスピード感がないと、エンジニアは伸びないと思います」

  27歳にしてUNIXやネットワークを一から学び、独学で公認情報システム監査人(CISA)とマイクロソフトMCSEの資格を取得した初貝さんは、まさ にその実行者だ。今後の目標は、エンジニアを続けながらコンサルタントを兼務すること。社内にはまだ少ない異色の存在になりたいという。
「今は別業界の知識をもつ人材が求められています。例えばセキュリティの対象がサーバから移りつつあるWebアプリケーションや、J-SOX法施行による 内部監査関連や金融関連などの知識です。またセキュリティには、『そんなことまでやるの?』と言われるくらいの徹底さも大切です。やろうと思えば誰でもな れますよ」

2社に転職する

 初貝さんが新卒で入社したのは、エフェクターなどを専門に製作する電子楽器部品メーカー。大学で電子工学を学び、趣味のバンドでキーボードを担当してい た彼にはまさにうってつけだった。その後、2社に転職するが、仕事は常にハードウェア系。しかし、4社目の転職がその後のエンジニア人生を大きく変えるこ とになる。
「大手ソリューションプロバイダ系のアウトソーシング事業会社に転職しました。前の会社で海外の音響製品の修理に携わっていた経験を買われて、サーバの障 害対応を担当したのです。アウトソーシングだけでなく、自社でネットワークサービスも行っていましたから。実はUNIXもWindowsもネットワークも 本格的に覚えたのはここからで、いつの間にかネットワークエンジニアになっていました(笑)」

 この会社に8年勤めるが、後半の6年は当時まだ新しかったセキュリティ部門に配属。顧客のシステムに擬似攻撃を仕掛けて脆弱性を洗い出し、その報告をま とめてアドバイスを行う仕事だ。結果的にセキュリティのプロへの道を歩むこととなった。
 ただ、仕事を続ければ欲も出る。より情報を入手できる環境で新しい検査方法を学びたいと、セキュリティに特化したITベンダーを探すことに。「セミナー に参加したら、解説者の話しっぷりに共感した」との理由で昨年、グローバルセキュリティエキスパート(GSX)に転職した。

限界説をぶっ飛ばせ! 35歳以上のITエンジニア転職

エンジニア売り手市場と言われる昨今だが、中心的な 採用年齢層は30歳前後。「若ければ若いほどよい」という人事担当者も少なくない。35歳半ばから転職は本当に難しいのか、マネジメント業務でない「現 場」にはもう携われないのか。昨年の後半に転職した、35歳以上のエンジニアの転職を紹介する。

起業・転職の際の人脈活用のポイント

(細井さんの話から)

〈1〉社内規定に沿って円満退社する

〈2〉日ごろから会社の肩書を抜きにした付き合いのできる、個人的な人間関係を多業種の人と築いておく

〈3〉新しい職場で、前の職場のやり方や人間関係に過度にこだわらない

女性転職経験者男性より12ポイント高

 21世紀職業財団(東京)が2005年、働く男女約1万1000人(男女ほぼ同数)を対象に行った調査によると、女性の転職経験者の割合は男性よりも 12ポイントも高い。以前の会社を退職した理由では「結婚」(30%)が最も多いが、次いで「仕事内容や職場が自分に合わなかった」(25%)が多かっ た。

転職・起業時に自らルール、信頼得る

 生き馬の目を抜く金融業界で活躍する田中さんだが、人間関係では謙虚な姿勢を心がけている。「前の職場の仕事を奪うような営業はしないようにしている。逆に前職時代に懇意にしていた企業でも、今の職場に担当者がいれば、接触しない」と話す。

 同じ業界で働き続ける上で、人のつながりを粗末にすると、結果として自分の首を絞めることになるからだ。

 大手出版社の雑誌編集部で約6年間働いた経験を生かして、3年前に編集プロダクション「ステップ・ワイズ」を作った臼井美伸(みのぶ)さん (41)も「以前担当していた雑誌のライバル誌からは、仕事を受けない」など、自分なりのルールを設けた。なりふり構わない仕事をすれば、すぐに業界内で 評判が広がるからだ。

 例えば起業後、前の職場で担当した研究者や筆者から個人的に編集の依頼があっても、いったん古巣の担当者に“仁義を切る”そうだ。「会社の看板に は頼れない今、人間として信頼されることが第一。そうでなければ仕事を任されなくなる」。節度を保った人間関係作りが功を奏し、雑誌取材の仕事のほか、最 近は単行本編集の仕事が増えてきた。

 一昨年に住宅機器メーカーから医薬品メーカーへと、全く異業種に転職したA子さん(35)の場合は、仕事内容が同じ管理部門だったため「転職当初 から、前職時代に培った人脈や経験をかなり期待されていた」と言う。退職時のあいさつ状には「業種は違っても、同じ分野で仕事を続けます」と、それとなく アピールした。

 だが前の職場に対しては、人脈・経験をひっさげて新天地へ――という態度は一切見せなかった。「育ててもらったことへの謝意をひたすら示した。今 の職場が嫌で辞めるのではない、と伝えることは非常に重要」と話す。古巣の上司や同僚とは、今も定期的に情報交換する関係を保っているという。

 転職紹介のリクルートエージェント(東京都千代田区)でキャリアアドバイザーを務める細井智彦さんは「転職者の多くはそれまでの経験の延長として 転職するはずで、全くの異分野でゼロからのスタートという人は少ない。その際に、人間関係を大切にしない人は、その後の仕事にも影響するでしょう」と話 す。「特に女性は顔を覚えられ、印象に残りやすい。ビジネスの世界で個人ブランドを磨いていくと考えれば、人脈活用のルールは謙虚に、厳格に」とアドバイ スしている。

SEOってなあに?

google、yahoo等の検索エンジンの順位を上位にするための技術なんですって。 なんだか難しそうですね(・ω・;)

瀬尾さんのブログ

文房具でビックリ!

カワイイ文房具って見ていてワクワクしますよね。 カワイイものに囲まれてお仕事がしたいです。

今週のビックリ★ドッキリ★文房具