2007年5月1日火曜日
ネット喫茶難民を初調査へ住所不定、日雇いの若者ら
働いても生活保護水準程度の収入しか得られない「ワーキングプア」が社会問題化する中、東京・山谷などの簡易宿泊所を拠点にした従来型から、新しい日雇い労働の形態に移行しているともいわれている。
厚労省は「支援が必要なのか、必要ならばどのような内容が適切なのかを考えるためにも、まずは実態を把握したい」としている。
日雇い派遣労働は「スポット派遣」「アルバイト派遣」とも呼ばれ、派遣会社に登録すれば、携帯電話のメールなどで仕事の予約が可能。日払いで銀行口座や 履歴書が不要なケースも多く、手軽に稼げることから近年、正社員として就職できなかった若者を中心に広がっているとされる。
男性ばかりのポスター掲示板
広島県全体では女性候補者が8人と最多ですが、まだまだ地方の選挙では普通の人が立候補するのは難しい実態が現れています。
私の住む福山市では、なんと13人全員男性。現職か大きな組織をバックにした人ばかりです。
その方々が悪いというのではありません。私も、その中でいつもベターな方を選ぶのですが、選択肢が足りないのです。
「女性と政治キャンペーン」の主催者の一人としては情けない思いを、そして介護を抱える働くものとして不安を感じた一瞬でした。
前の職場でも今の職場でも上司は女性なので、余計、政治の世界の偏りに違和感を覚えます。
介護といった、女性に役割がどうしても現状では偏る、しかし、私自身も今経験しているように、男性も他人事ではいられない課題。
あるいは女性や若者で広がる非正規雇用、ワーキングプアの広がり。こうした課題にもっと多様な視点から県政が取り組むには不安が残ります。男性にとってもよくないことだと心配しています。
女性が直面する課題は、ネオコン政治による日本型社民主義破壊もあり、ワーキングプアにみられるように男性にも広がるのです(保守=業界、革新=組合を 問わず、男性(正社員)の世帯主を通じて家族単位でセーフティネットを張るという「日本型社民主義」健在なりしときもシングルマザーなど「システム」から 外れるとワーキングプアに落ちこんでおり、顕在化していなかっただけ。)。
格差是正掲げ連合メーデー 28都県で開催
東京・代々木公園の中央大会では、連合加盟の組合員や家族らが参加し、高木剛会長があいさつ。「働き方の格差が所得の格差を生み、ワーキングプアを多数 生み出している。企業規模の違いによる格差や都市と地方の格差も拡大している。最低賃金の大幅な引き上げが求められている」と述べた。
来賓として柳沢伯夫厚生労働相のほか、民主党の小沢一郎代表、社民党の福島瑞穂党首らが出席。
午後には「パート・契約労働者の均等待遇の実現を」をテーマに、労組担当者やパート労働者らが参加するパネルディスカッションも開く。
全労連、全国労働組合連絡協議会(全労協)系の労組は5月1日に開催する予定。
格差是正掲げ連合メーデー
格差是正や公平・公正な社会の実現を掲げた連合系の第78回メーデーが28日、28都県の県庁所在地などの中央会場で開かれた。
東京・代々木公園の中央大会では、連合加盟の組合員や家族ら約4万2000人が集まった。
高木剛会長はあいさつで「パートなど非典型雇用労働者が就業者の3分の一に達した。働き方の格差が所得の格差を生み、ワーキングプアを多数生み出している。企業規模の違いによる格差や都市と地方の格差も拡大している」と指摘。
その上で「元凶は(賃金の最低限度額を定める)最低賃金の低さ。大幅な引き上げが強く求められている」と訴えた。
来賓として出席した民主党の小沢一郎代表は「働く人の負担が増え続け、悲鳴が上がっている。いざなぎ景気超えの好景気と政府は言うが、地方を訪ねるとその恩恵を受けているのはごく一部にすぎないことを実感する」と格差是正に政治が正面から取り組む必要性を強調した。
午後には「パート・契約労働者の均等待遇の実現を」をテーマに、労組担当者やパート労働者らが参加するパネルディスカッションも開く。
全労連、全国労働組合連絡協議会(全労協)系の労組は5月1日に開催する予定。
誰かが救いの手を、そっと差し伸べていると信じたい
昨今では、「自己責任」という言葉が、生きる上での決断において重要視されている。だが、もしこの決断が、自分ではどうも解決出来ない状況下で、道を選ばざるを得ない場合、「自己責任」論が通用するのか、疑問に感じることがある。
例えば、私自身の外見は出来損ないのようであろう。手足が短く、頭部が大きい、まるでドラえもんをリアリティ化したような、そんな人間である。子どもから 嘲笑された事は言うまでもない。身体的な特徴で揶揄されると、それだけで「また外に出ると、笑われるのかなあ・・・」と暗澹たる心情になってしまう。ゆえ に、人付き合いが大の苦手で、初対面の方に、自分から積極的に話しかける、話す事が出来ない。本音で言うならば、人と接するのを、極度に恐れている。
ここまで読まれて、「そんな事、気にすることない」や、「思い込みだ」などと強い反感を抱かれる方も多いかと思う。純粋にそういった方とも何の利害関係も 無く、信頼関係を構築されようとされる方も多勢であると願いたい。また、健常者の方も、様々な悩みをかかえてらっしゃる事を、熟知しているつもりだ。
ただ、筆者がどうしても、どうしても訴えたい事は、自身を含め少数派ではあろうが「自分の殻に閉じこもりがちな」弱者、心を閉ざしてしまった方に対する、 ホンの少しの寛容さである。悩みを抱えるには様々なキッカケがあるだろう。悩みを持つきっかけとは何か、どうすればその悩みを解決出来るのか、共に考えて 頂けるだけで、筆者自身は嬉しいのだ。他人から見れば些細な事ではあるが、本人は深刻に悩んでいる、そんな方に出会った経験も、おありではないだろうか。
最終的には、悩みは自分で解決するしかない。だが、「あの人は見守っていてくれる」そう思えるだけで、一筋の光が、胸中に差し込むのではないだろうか。得 手勝手過ぎるだろうと言われれば、それまでである。だが、ワーキングプアの方々など社会情勢から「その道を選択せざるを得なかった」方々で、現状に苦しん でおられる方々のなかには、「声なき声」で、泣き叫び、苦しんでおられる方も、いらっしゃるのではないか。
またサラ金やイジメなどで胸 中が闇で被われるような、張り裂けそうな悩みを抱えながら声を挙げる事が出来ない方も、多いのではないだろうか。だが、きっと誰かが、どこの誰かも知らな い誰かが、きっと救いの手を差し出してくれている。そう考える事は、幻想に過ぎないのだろうか。
筆者自身、少数派の中の少数派かもしれない。だが、そんな方々に笑顔が戻るまで、声をあげ続けていかなければならない、そう考える今日この頃である。
護憲や格差是正訴え 県中央メーデー集会 48団体700人デモ
もっとも弱き者の連帯
「労働組合を立ち上げたい。協力してください」
はっきりそう伝えるメールを同僚に送った。そうして組合員は30人に増えた。映画『七人の侍』で、侍に野武士との戦い方を教わった農民みたいだった。会社側に気づかれずに組合を作るのに、SNSと携帯のチェーンメールは大いに役立った。
非正規の若者たちのメーデーのデモをきっかけに生まれたのはフリーター全般労組だ。
「ちょっと遅刻しただけでバイト先をクビになった」
デモに参加した若者が話すのを聞き、執行委員長の大平正巳さんは、個別相談に応じる場が必要だと感じた。
「労働基準法ではアルバイトでも正当な理由なく解雇できない。権利を知らずに泣き寝入りしている人がどんなに多いか」
私は正社員、新しい労働運動なんて関係ない――。そう思っている読者がいたら、グローバル化の時代認識を誤っている。共産主義の恐怖がなくなった今、資本主義は「強者必勝」の本来の姿に回帰している。立命館大の高橋伸彰教授(日本経済論)が言う。
「グローバル化で、企業は世界中から安い労働力を調達できるようになった。先進国の労働者は途上国の安価な労働者とポストを競うことになる」
実際、台頭する中国やインドでは技能労働者が育っている。
「日本の正社員も、いずれ彼らと競争することになり、待遇はじりじり下がるだろう。国内で正規/非正規と言っている場合ではない。大資本に対抗するには労働者も力を持たないと。国際的な連帯、生活者との連帯が必要です」
自己増殖する巨大資本=怪物リバイアサンに対抗する手だてがなければ、働く者すべてがじきにのみ込まれる。
徒手空拳で立ち上がる「もっとも弱き者」の連帯。新しい闘いの可能性は、そこにこそあるのかもしれない。
会社と闘うの怖かった
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)という手もある。国際電話のオペレーターをする谷岡典子さん(31)は昨年11月、ミクシィの日記につづった。
「1人でも入れる労働組合に入って運動してます。組合を作ると、会社と対等な立場で話し合えるんです」
谷岡さんはKDDI子会社の契約社員。会社は昨夏、契約社員の労働条件の変更を一方的に通知してきた。(1)交通費の支給を廃止(2)1年契約は3カ月・6カ月の短期更新に(3)深夜勤手当2000円を400円に減額、などだ。谷岡さんは月収6万円のダウンになる。
「契約途中で一方的に条件を変えるのはおかしい」
上司との面談で訴えたが取り合ってもらえない。条件を応諾するかどうか返事を迫られた2回目の面談を控え、ネットで見つけた派遣ユニオンに電話した。書記長の関根秀一郎さんは穏やかに言った。
「全部ノーって言いなさい」
会社と闘うのは怖かった。クビになるかもしれない。
「でも、転職してもまた非正社員。ここで逃げても、同じ問題が繰り返されるだろう」
夫も姉も友人も、有期雇用の社員。将来子どもも欲しい。そのころには、非正社員もまともな働き方ができる社会になっていてほしい。腹をくくった。
ユニオンに加盟し、関根さんと2人で数回の団交に臨んだ。約2カ月、同僚にも言わず、たった一人の闘い。数回の交渉の後、会社が譲歩する姿勢を見せ始め、10月からの各種手当の減額が保留になった。
すると、職場の同僚が谷岡さんに「労基署が踏み込んだらしい」とささやいた。がっかりした。
「団交の成果だって知らないのか……。この仕組みを知らないとまた同じことされちゃうよ」
そこでミクシィで「告白」し、同じ内容を職場の友だちの携帯に「転送歓迎」でメールした。
数日後。昼勤務の40代の先輩が、夜勤で入る谷岡さんとすれ違いざまに声をかけてきた。
「メール見ました。協力します」
別の同僚は小さくたたんだ紙切れをくれた。「すき家のアルバイトが労組結成」を報じた新聞記事のコピー。
背中を押され、谷岡さんは動き出した。
携帯とネットを駆使
70年代にトヨタ自動車の工場で季節工として働き、『自動車絶望工場』を著した鎌田慧さんは言う。
「大企業の組合員と違い、守るべき権益も会社への忠誠心もない彼らが労働運動に立ち上がるのは、もはや人間の尊厳を保てないレベルまで追いつめられているから」
昭和女子大の木下武男教授(労働社会学)も、19世紀の産業革命期を見るようだという。
「資本主義の黎明期、飢えて死ぬほどの貧困と無権利の労働者が大量に生まれた。彼らが生存権を求め闘ったのが労働運動の始まりでした。非正社員の労組結成は、運動の原点を思わせる」
携帯電話やネットを駆使するのも、新時代ユニオンの特徴だ。
東京・渋谷、午後6時。若者でごった返す「109」の前に怪しい円陣が組まれた。首都圏青年ユニオンの団交前の打ち合わせ光景だ。同ユニオンではメーリングリストが組合員同士をつなぐ。
「『すき家』に対して未払い残業代と解雇撤回を求める団交を行います。集合は○日×時、渋谷の109前。応援お願いします」
当日、関心がある組合員がわらわらと集まってくる。書記長の河添誠さんが立ったまま、10分程度でポイントを説明。これは喫茶店に入るお金を節約するた め。団交後に再び円陣を組み、感想を言い合う。非正社員の職場はバラバラで、個人加盟のメンバーが多い。「よその団交」に出ることでいろんなケースを知 り、連帯も生まれる。同ユニオンには「すき家」のアルバイト労組に続き、3月にはライブドアの労組もできた。
胸の底にあるのは義憤
既存の労組は多くが企業内組合で、組合の役員経験が出世の一段階となっているところもある。しかし“新ユニオン”は成り立ちから違う。義憤――胸の底にあるのは、そんな感情だ。
2人がガテン系連帯の結成準備にかかりはじめたころ、後藤英樹さん(48)は三重県の半導体工場で働いていた。10年勤めた百貨店が倒産。求人誌で見つけた派遣に応募したのだ。年収は200万円を切る。
ある夜、夜勤に行くため派遣会社のバスを待ちながら、空を見上げた。満天の星。高校生の時、キャンプ場で見た星空と同じだ。当時は美しさに心が震えた。今は少しもきれいだと思えなかった。
「同じ星なのに、置かれた境遇でこんなにも見え方が違うのか」
美しいものを美しいと思えない世の中って何だろう?
翌月、派遣会社を変え、東京都青梅市の半導体工場で働き始めた。その間インターネットでガテン系連帯のサイトにたどり着き、池田さんに会った。
「皆さんが正社員になったら会は解散するんですか」
後藤さんの問いに池田さんはそうじゃない、と首を振った。
「ならば、一緒にやりたい」
2月には同じ職場で働く仲間と労組をつくった。後藤さんの組合運動は、自分の生活を良くするなんてけちな考えじゃない。
「派遣には若い子も多いんです。あいさつしてもまともに返事もしない。死んだ魚の目をしている。未来のある人たちが、星がきれいだと思うこともなく一生を終えるなんてあんまりだ」
使いやすいコマの反逆
「フリーター連帯はどうだ」
「なんだか締まりがないな」
「3K職場がおれたちの職場。『ガテン系』でいこう」
06年9月。新宿西口の居酒屋で盛り上がる一団がいた。製造現場で働く非正社員の労働団体ガテン系連帯の誕生だ。
会社も職種も、働き方も違う全国の労働者をつなぐネットワーク。会員は職場ごとに労組を作って個別に交渉をする。
一方、ガテン系連帯ではそれぞれの職場情報を共有する。労働法を学んで知識武装する。国や業界団体に訴えかける。従来型の組合のように「支援→被支援」の上下関係では、組合員に依存心が生じるし、執行部もなれ合う。だから、中央組織は置かない。
業務請負大手の日研総業から派遣され、日野自動車で働く和田義光さん(42)と池田一慶さん(27)は創立メンバー。労組結成のきっかけは職場有志の花見の席だった。池田さんは隣に座った若い正社員から声をかけられた。
「いくつになった?」
「26歳です」
「その年でハケンか。人生終わってるな」
池田さんより先に、向かいに座っていた和田さんがキレた。
「何を言ってるんだよ!」
よっしゃ、この人なら一緒に声を上げてくれるかもしれない。池田さんはそう思った。
製造現場への派遣期間は最長1年(07年3月に3年に延長)。細切れの雇用契約、低い賃金など、企業にとっては使いやすい「コマ」であり、著しい身分格差がある。
日野の場合、直接雇用の期間工は社が準備した寮で寮費は無料。派遣は派遣会社の借り上げ寮。和田さんたちは3人1部屋で一人3万8000円と光熱費を月 給から引かれる。期間工は一定期間働くと慰労金が出る。派遣はどんなに働いても時給1150円前後のまま。少ない月は手取り15万円を切る。契約は1カ月 更新だ。
「夏は40度の暑さで油まみれになりながら、社員も期間工も派遣も、協力してノルマ達成に向かう。働く仲間じゃないですか。そこに身分格差が埋め込まれてる。僕らは最下層。そんな怒りや悔しさを抱える非正社員が全国にたくさんいるんです」(池田さん)
●ひと味違う新ユニオン
当初は同僚と、会社側に自分たちの労働環境の改善を訴えた。社長との協議は平行線で、同僚は一方的に解雇された。星野さんたち社員は、未払い残業代を求めて横浜地裁に提訴。その後、スタッフも誘って労働組合を結成した。
「無法地帯のスタッフの労働状況がずっと気になっていたんです」
会社と団体交渉を重ね、グループで働く全スタッフの労働条件を改善する労使協定の締結にこぎつけた。日雇い派遣では初めてのことだ。有給休暇の保証や日 雇い労働者向け保険の適用を約束させた。今年の春闘でも社員の賃上げは据え置き。スタッフやアルバイトの時給アップが最大の要求だ。
バブル崩壊後の不況期、企業は人件費を減らすため派遣や契約、請負といった非正社員への切り替えを進めた。後押ししたのが規制緩和。 1986年施行の労働者派遣法は99年、対象業務を原則自由化し、03年には禁じられていた製造業への派遣も認めた。今や全雇用労働者の3分の1が非正社 員だ。
そうした非正社員は、労働運動とは遠い存在だった。労働組合は正社員中心だし、組合活動を理由に契約を切られかねない。
そんな丸腰の労働者がいま、労働組合の結成に動き出している。彼らの新しいクミアイは、既存の労組とはひと味もふた味も違う。オルタナティブな連帯、“新ユニオン(労組)”なのだ。
まず第一に、中心のない、ネットワーク状に広がる紐帯であることがあげられる。
立て万国の貧困者 ワーキングプアの大逆襲
ワーキングプアが立ち上がった。一人で、数人で、会社も仕事の枠も超えて。
働いても豊かにならない、一度落ちたら抜け出せない。この貧困はなんだ?
義憤に動かされた貧困者たちの闘い、他人事ではあり得ない。
半年で20キロ痩せた。
2006年1月から人材派遣のフルキャストのグループ会社で正社員として働く星野雄一さん(26)は、「スポット(日雇い)派遣」の「人繰り」が仕事 だった。企業の依頼を受け、携帯電話やメールでそのつどの人手を確保し、解体作業などの現場に送る。午後3時まで注文を受け、登録スタッフのマッチングを 始める。
「明日働けるかな?」
人数がそろうまで、深夜1時でも電話をかけ続ける。
翌朝6時。今度はスタッフから電話で出発連絡を受ける。9時頃まで100本近い電話を1人でさばく。会社に3、4連泊はざら。昼も夜もコンビニ飯。給湯室で頭を洗う。最初の半年を時給換算したら500円を切った。
でも、スタッフの生活はもっと悲惨だった。
スポット派遣の日当は6000~7000円。月20日働いても十数万円。アスベストの粉塵が舞う現場で風邪用マスクだけで働かされた人、危険な現場で安全靴を持たず、釘が足を貫通した人……。
星野さんが珍しく家に帰れた日の翌朝。出勤途中の横浜駅の地下で、ゴミ箱をあさる若い男性を見た。胸が詰まった。時々仕事をまわすスタッフだった。
「これじゃホームレス製造工場じゃないか」
格差是正などテーマ 大阪、神戸などでメーデー集会
メーデーの1日、格差社会の是正などをテーマにしたメーデー集会が近畿各地で開かれた。「偽装請負」の告発が相次ぐなど雇用環境の悪化が影を落とす一方、労働組合の闘い方や存在意義も問われている。雨の中、参加者は口々に「格差拡大にストップを」と叫んだ。
雨の中、メーデーの集会に集まった大勢の人たち=1日午前、大阪市中央区で |
大阪では、連合系の集会が午前10時から、大阪市中央区の大阪城公園で開かれた。傘を手にした約5万人(主催者発表)が参加した。
伊東文生・連合大阪会長が「経済は戦後最長の景気回復といわれるが、働くものの家計にまで波及的な効果があらわれていないのが現実」とあいさつした。この後、「働き方と所得の二極化、格差の固定化・拡大にストップをかける」などとしたメーデー宣言を採択した。
大阪市北区の扇町公園で開かれた全労連系の集会には、約1万人(主催者発表)が集まった。参加者らは「暮らしを守ろう」などとシュプレヒコールをあげ、メーデー宣言では「なくせ!ワーキングプア、格差と貧困」などを掲げた。
神戸市中央区の大倉山公園には、連合系の80団体約8千人が集まった。連合兵庫の北条勝利会長が「日本社会は、格差社会が広がり深刻な二極化に直面して いる。目前の参院選では、小泉政権から引き続く安倍政権からの『反転』を掲げ、すべての労働者が立ち上がらなければならない」などと訴えた。
京都府内ではこの日、全労連系の集会が12カ所で開催。
このうち京都市中京区の二条城前広場で開かれた「全京都統一メーデー」には約8千人が参加。冒頭のあいさつで京都総評の岩橋祐治議長が格 差問題を取り上げ、「雇用の安定化をはかり、最低賃金を大幅に引き上げることが不可欠だ」と呼びかけた。この後、「給料下げるな」「大衆増税反対」などと 書いたプラカードを掲げた参加者が、市内をデモ行進した。
ネットカフェ実態調査、ワーキングプア背景さぐる
ネットカフェや漫画喫茶を宿代わりにする若者が増えている問題で、労働組合やNPO法人のメンバーが24日夜、東京都内で利用者の実態調査を行っ た。働いても低収入の「ワーキングプア」と呼ばれる人たちが利用しているとみられており、こうした問題の背景を明らかにするのが目的だ。
首都圏青年ユニオンなどのスタッフ約25人が、東京・大田区の蒲田駅周辺で午後9時から約2時間、「1時間100円」「深夜から朝まで8時間で880円」などの看板を掲げるネットカフェ6店に出入りする若者らから、週の宿泊日数や、生活ぶりなどを聞いた。
自立のため都内の実家を離れたが、派遣社員としての給料が安く、家賃を工面するゆとりがないという27歳の男性や、3年前に夫の家庭内暴力から逃げ出して以来、月収9万円程度のパートなどで働きながら、寝泊まりしている30歳代の女性らがいた。
実態調査は、全国規模で始めており、5月中旬に結果をまとめる予定。首都圏青年ユニオンの河添誠書記長は、「ネットカフェで寝泊まりする生活貧窮者の実態を明らかにして、国の政策に生かすよう働きかけたい」と話している。
『選挙楽しもう』若者にアピール 20-30代の候補者たち
若い世代の投票率低下が叫ばれる中、二十、三十代の新人区議候補がこの選挙期間中、「選挙を楽しもう」と、同世代の選挙への参加を促してきた。
三十代の男性候補は「お祭りのような楽しい選挙をしたい」と、選挙カーの軽トラックに音響装置を積み、夕方、地元の駅前で音楽を流した。いつの間にか若者が踊っていた。手伝う仲間は「これまで投票に行かなかったフリーターやニート」。
リサイクル店を営み、商店街や町内会の活動に参加する中で「住民自治と言いながら路上喫煙や放置自転車など規制するのはおかしい。住民のモラルで解決すべきだ」と、住民自治を訴えた。
別の区の二十代の男性候補は、中卒で引きこもり時代を経てIT企業を興した経験から、やりたいことのある若者に「とりあえず一歩踏み出せ」と訴える。「学歴もない自分が挑戦できるなら、もっと能力のある人が議員になろうと思うはず」と同世代の奮起を身をもって促した。
当選したら実現したいのは「投票所のそばに出店を並べコンサートを開いて、選挙権のない子どもも投票に行きたくなるような楽しい選挙をする」ことだ。
パートの年金拡大 制限多すぎ看板倒れだ
パート労働者の厚生年金の加入を増やそうという年金一元化関連法案が国会に提出された。就職氷河期にフリーターとなった人たちは将来、わずかな年金しか受け取れない。それではいけないと出てきた格差是正策の一つである。
しかし中身は骨抜きもいいところだ。安倍晋三首相の再チャレンジ支援として手を付けたが、経営側の抵抗で妥協の連続。そのうえ参院選を夏に控え、 与党は企業の反発を恐れてこの国会での成立を見送り継続審議とする可能性が高いという。法案提出は首相のメンツを立てるためだったのか。
パート労働者が厚生年金に加入するには、週三十時間以上働かなければならない。法案では週二十時間以上に引き下げる。政府は三年前にも同じ提案を したが、保険料負担を嫌う企業の意向を受け、五年後に見直すことで折り合った経緯がある。二年前倒しは安倍首相の強い指示という。
パートの多い流通や外食産業は今回も強く反対した。結果、(1)月収九万八千円以上(2)勤続一年以上(3)従業員三百人以下の中小企業と学生は除く―の条件がついた。
雇用者の四分の一を占める約千二百万人がパートで働く。うち厚生年金に加入しているのは約三百万人である。
「週二十時間以上」だけだと新たに三百十万人が加入するはずだった。条件が増えるにつれ対象は次々しぼみ、十万―二十万人にとどまる見込みという。パート全体の1%前後。いかにもお粗末で、拡大にはほど遠い。
趣旨に立ち返り、練り直す必要がある。「勤続一年は長すぎて、実態と合っていない」との指摘もある。条件の根拠、正当性について審議を尽くしてほしい。
企業側は「パートの主婦自身も反対している」と主張した。確かに一時的には負担が増える。が、そこばかり強調されていないか。
厚生労働省の試算では、サラリーマンの妻が月収十万円で一年間働くと、保険料の本人負担は当面年約九万円増える。だが、平均寿命まで生きると約十 六万円の年金を受け取れる。加入年数が延び、長生きすればするほど、年金額も多くなる。対象となる人たちは目先の手取り収入にだけとらわれることなく、冷 静に見極める必要があるだろう。
企業は正社員をパートに切り替えて不況を乗り切った。置き去りにしてきた保険料負担という社会的責任も考えなければならない。
夕張愛する人と再生 市民、再選挙免れ安堵
街の再生を託されたのは地元出身の元会社社長だった。財政再建団体に転落した北海道夕張市の市長選は、藤倉 肇氏(66)が初当選した。後藤健二市長が財政破綻(はたん)などの責任をとって1期での引退を表明し、候補者が乱立したため混戦模様となった選挙戦。い ずれも有効投票総数の4分の1を獲得できず再選挙となる可能性が指摘されていたこともあり、市民の間には安堵(あんど)が広がった。
午後11時ごろ、テレビで当選確実が伝えられると、藤倉氏が市内の選挙事務所に姿を見せた。「おめでとう」と支持者に祝福される中、握手攻めに。藤倉氏は 「夕張の人が私を選んでくれたのは今の夕張の痛みを知っているから。痛みを知らないと本当の再建はできない。藤倉を信じてほしい」と“夕張愛”での再生に 自信をみせた。
藤倉氏は高校まで夕張市で過ごし、日大経済学部(2部)を卒業。タイヤ工場の工員を振り出しに、「十勝ヨコハマタイヤ」と「北海道ヨコハマタイヤ販売」の2社の社長を務めた。
選挙戦では地元出身や会社経営の実績をアピールし、徹底した情報公開や市民参加のまちづくりなどを訴えた。高校時代の同級生らのネットワークを生かして名前の浸透を図り、連合夕張の支持も得て混戦を制した。
市の苦境を反映するかのように、ドタバタ模様だった市長選。市選管には25件の書類請求があり、立候補の問い合わせ自体は全国から数十件寄せられた。
カナダ在住のディスクジョッキー、フリーター、年金生活者…。注目度の高さを示す一方、「小遣い稼ぎ」を公言したり、冷やかしと思われる人物もいたため、 「夕張をおもちゃにする気か」(60代の男性)との憤りの声が上がった。結局、実際に立候補したのは7人。そのうち、夕張に関係していたのは藤倉氏を含め 3人だけだった。
「再選挙にならなくて本当によかった。たとえ誰に決まろうと、早く新しい市長のもとで出直しを図らなければ。藤倉さんは地元のしがらみにとらわれず、命をかけて仕事をしてほしい」。別の候補者に投票したという50代の女性は、期待を込めて話した。
パートの厚生年金加入
受給額 長い目でみれば得
Q パートは、厚生年金に加入しないように働く方が、得なのですか。
A パート労働者の厚生年金への加入拡大を盛り込んだ被用者年金一元化法案が、13日に閣議決定されました。
現在、パートの加入基準は、労働時間・日数が「正社員の4分の3以上」です。週30時間以上働くと、一般に加入義務が生じます。法案では「週20時間以上」を基本に、対象を拡大します。
ただ、パートの多い外食・流通業の猛反対に配慮し、「月収9万8000円以上(残業代などを除く)」「勤続1年以上」「従業員300人超の企業」などの条件がつけられました。
加入拡大については、パート自身からも「手取り収入が減る」などの反対がありました。このため、「パートにとって損」と思った人も多いでしょう。
しかし、厚生年金加入は、長い目で見れば、得になる場合が多いのです。
現在、厚生年金の対象にならないパートのうち、自営業者の妻やフリーターなどは、国民年金の「第1号被保険者」として、月々定額(2007年度は1万4100円)の保険料を支払う義務があります。老後の給付は基礎年金だけです。
厚生年金に加入すれば、月収10万円の場合、現時点では保険料の自己負担が月7175円(事業主も同額負担)に減ります。しかも、老後は基礎年金に上乗せして厚生年金を受け取れます。加入拡大は、いいことずくめです。
一方、現行では、サラリーマン世帯のパートの主婦(年収130万円未満)は、「第3号被保険者」として、保険料を納めなくても老後に基礎年金を受け取れます。厚生年金に加入すれば、新たに負担が生じます。
しかし、老後は厚生年金も受け取れます。厚生労働省の試算によると、1965年生まれで月収10万円の人が1年間加入した場合、保険料の本人負担 は計約8・6万円。これに対し、年金額は年6300円程度増え、予想される平均寿命(90歳)までの総額は約16・4万円多くなります。負担との差は7・ 8万円。加入期間が長くなるほど、差は大きくなります。健康保険料の負担も生じますが、それでも現行より有利でしょう。
加入拡大にはパートの年金充実に加え、保険料負担を避けるための就労抑制をなくす狙いがあります。
ただ、法案では、あまりに拡大の対象が限られ、効果に疑問符がつきます。国会での十分な審議が望まれます。犯人と私の共通点、相違点
1999年9月、東京・池袋にて主婦2人を殺害し、6人に重軽傷を負わせた通り魔事件の被告に、先日死刑が確定しました。
この事件が起きた当時、いろいろなことを考えさせられました。この事件の犯人(被告)と私には、さまざまな共通点があったからです。
当時、私は池袋から遠くない所に住んでおり、犯行現場は何度も通ったことがあります。さらに、年齢も1歳違いとほぼ同じでした。
そして、一番の共通点は、犯人が何度も転職している点。報道では、2~3年の間に何度も転職している事実が挙げられ、議論がなされていました。一部、ワイドショーの報道では、「こういう人間だから犯罪を起こす」いう報道の仕方をしていたように思います。
当時、私は3年間で7つものアルバイトを転々としていました。これは犯人よりも多い数です。仕事場と自宅の往復という生活でしたし、毎日楽しいことがなく、暗い時代でした。
たしかに、当時の自分には、世の中に対しての不満や、八つ当たりなどの感情はありました。もしかしたら、犯人の心理状況に近かったかもしれません。
しかし、だからといってあのような犯罪を起こすことは絶対にありません。犯罪を起こそうなんて気はまったく起きませんでした。
ですから「こういう経歴だから犯罪をする」という報道の仕方は不愉快でした。むろん、はっきりとは言ってませんでしたし、私の被害妄想もあるとは思いますが、この事件にかかわらず、どの事件もマスコミはそうやって面白おかしく騒ぐのを普通としています。
私は「ある部分」において、犯人の精神状態を推測しつつも、その反面「一緒にしてほしくない」と思い、「フリーターをそういった目で見てほしくない」と願いました。
殺人、その上無差別ながらも女性を中心に狙ったこの犯行は、卑劣極まりないもので、「死刑」については議論がされるでしょうが、厳罰は必要だと強く思っています。
ただ、この事件については、犯人のこうした背景はあくまでもきっかけの一部に過ぎず、悪いのはあくまでも本人だということを理解してほしいと思います。
ネットカフェ難民実態 行政に先駆け市民団体調査
インターネットカフェ(喫茶)で寝泊まりをする「ネットカフェ難民」が急増している問題で、国が実態調査に向けた検討を始める中、東京都内の市民 団体が二十四日、行政に先駆けて調査に着手する。さらに、専門家らによる研究グループも近く、本格的な調査に乗り出す構えだ。低賃金の派遣労働などをしな がら泊まり歩く若者たちが多いため、「不可視(見えない)のホームレス」とも指摘されるネットカフェ難民への取り組みが広がり始めた。
二十四日夜、ネットカフェが集中する東京都大田区蒲田地区で調査を実施するのは労働組合「首都圏青年ユニオン」。利用者の職歴や雇用形態、所得、生活サイクル、健康状態などについて聞き取りする。
来月には、福祉問題などに取り組む民間非営利団体(NPO)や研究者らのグループが同区内で調査を計画。下村幸仁・会津大学短大教授や杉村宏法政大教授、生活困窮者支援を行うNPO「もやい」(東京・飯田橋)のメンバーも参加する。
都内各地の繁華街や駅前商店街で急速に増え続けているネットカフェは、カップめんなどの食べ物を提供するだけでなく、無料でシャワーが利用できる ところもある。このため夜間は、雇用が不安定なフリーターの若者や、失業状態にある中高年の“宿泊所”として利用されることも多い。
しかし「(届け出が)事務所扱いだったり飲食店扱いだったりとばらばらで、正確な数や規模は把握し切れていない」(東京都福祉保健局)のが実情。 専門家は「実態は宿泊所でありながら、事務所として届けている違法営業の施設もある」とする。また、もやいの湯浅誠事務局長は「生活保護の対象になるよう な人が放置されている可能性もある」と指摘する。
日本企業、大卒者採用のための競争
これは、日本の景気過熱で企業の求人数が最高となった90年代のバブル時代を上回るもの。専門家によると、企業の採用が急増したの は、今年に入り団塊世代退職がスタートしたうえ、好景気が続いているため。これによって、一部業種で需要が供給を大きく上回る現象があらわれている。とり わけ、流通業では求人競争率が7.31対1に達するなど人材確保が厳しくなっている。
来年の企業の求人競争率は平均2.1対1で、今年(1.89対1)より高くなる見込みだ。リクルートによると、流通業の人材確保が 厳しいのは休日も出勤するなど勤務条件が悪い点などのため。また、卒業予定者のうち一部は出勤・退勤の時間が決まっている職場に縛られるよりは、自分が望 む時間にパートタイムやアルバイトとして働く「フリーター(freeter)」を好んでいるのも求人難を加速化する要素と見られる。
税制改革議論スタート、諮問会議が成長力プログラム決定
政府の経済財政諮問会議(議長・安倍首相)が25日開かれ、6月にまとめる経済財政運営と構造改革に関する基本方針(骨太の方針)に向け、税制改革と歳出歳入一体改革についての議論を本格的にスタートした。
丹羽宇一郎・伊藤忠商事会長ら民間議員は、税制改革の基本哲学について、「受益と負担の双方を含めた制度全体の再設計を通じ、真に必要な人に必要な対応をすべきだ」と提言、税と社会保障を組み合わせた経済格差対策の必要性を訴えた。
税を減額する「税額控除」と、社会保障給付を組み合わせた格差対策の仕組みとして、英国などが「給付つき税額控除」制度を導入して一定の成果を上げている。
同様の仕組みは、今後の税制改革論議の焦点の一つとなる。
また、民間議員は、企業活動や個人の就労意欲を阻害しないよう、「広く薄く」の観点から法人税や所得課税を設計するよう提言し、企業や個人でそれぞれ課税対象を拡大していく方向を打ち出した。
地方分権推進の観点から、民間議員は、国と地方の税収比率(現在6対4)を5対5にするよう求めたが、尾身財務相は「もともと税源がない地方の税収が減り、格差拡大につながる」などと反論し、結論は出なかった。
歳出歳入一体改革について、安倍首相は「公共投資を含めて、08年度予算でも歳出改革を強力に推進したい」と述べた。
一方、諮問会議は25日、人口減少社会でも経済成長を続けるための政策「成長力加速プログラム」を決定した。IT(情報技術)活用や規制緩和で効 率化を進めるなどし、労働者1人あたりの国内総生産を示す「労働生産性」の伸び率を今後5年間で1・5倍に高める目標を正式に決めた。
6月にまとめる骨太の方針に、安倍政権の経済成長戦略の柱として反映させる方針だ。
プログラムは、〈1〉ITでサービス分野の生産性を高める「サービス革新戦略」〈2〉大学改革などで研究開発を推進する「成長可能性の拡大戦略」〈3〉フリーターの就労支援や中小企業対策などの「成長力底上げ戦略」――の3本柱からなる。
上海に来て5カ月。当初…
上海に来て5カ月。当初は慣れない中国語や人の多さに圧倒されつつも、おしゃれなレストランやバー、夜景に心をひかれた。市中心部には外国人も多く、何ら不自由なく生活できる空間が意外と多いのに驚いた。
日 本人コミュニティーが大きいと言われる上海だが、市内には欧米風のバーも多い。店内の共通語は英語で、欧米人だけでなく留学帰りの中国人や華僑も加わり、 国籍豊かな社交場を形成している。会社社長、学生、フリーターなど職種もさまざま。飛び交う情報も日本人の間ではなかなか耳にしないものもあり、興味深 い。
バーで杯を傾け話し込んでいると、1930年代の租界時代もこのような雰囲気だったのかと想像を巡らす。近代と現代が交錯する魔都・上海の夜の過ごし方を見つけたような気がした。みずからを救えネットカフェ難民
ある20代の男性は、母子家庭の長男だった。弟や妹の面倒を経済的にみるために、東京へ出てきて稼ぎ、故郷へ仕送りをしていたのだが、仕事がうまくいかなくなってフリーターになった。そのうち家賃を滞納するようになり、アパートを追い出された。
そこで1時間100円の24時間営業のネットカフェで、雨露をしのぎつつ夜を過ごすことにした。6時間ここで睡眠を取るとして、日額600円。月額1万 8000円というわけだから、アパートを借りるよりはずっと安く上がるわけだ。 食事はコンビニの弁当を買う。だからキッチンなどは不要だ。数日ごとに、シャワー付きのネットカフェで体を洗って清潔を保つ。生活用品は、コインロッカー をふたつ借りて収納している。 収入は、日雇いの仕事を携帯電話を使って見つける。
また、ある10代の女性は、父親による性的虐待から逃れるため、中学生のときに家を出て、ずっと一人で生活してきた。彼女も困窮してアパートを追い出され、ネットカフェ難民になった。 生活の仕方は前述の男性とほぼ似通っている。
彼女は、このような劣悪な暮らしぶりで生きる自分を励ますために、手帳に「くじけない」とか「責任感を持つ」とかといった倫理的なことばを書き綴っている という。 テレビカメラは、街頭に立って仕事のバスが来るのを待ちながら、手帳を熱心に眺めている女性の姿を映し出していた。 そのけなげさに、私は胸を打たれた。
この年齢の女性なら、高い報酬を得るためには風俗産業に走るのが、もっとも手っ取り早い方法であることを知っているだろう。けれども、 彼女はそれをしようとはしない。もともと家を出た理由に、その種の職業を拒むトラウマがあるせいかもしれないが、最低の生活形態でも、なんとか堅気の世界 で生き延びようとする彼女の姿勢に打たれるのだ。
先の男性だって怠け者のせいで定職を失ったわけではない。 弟や妹の面倒を見ようという、けなげな志をもって郷里を離れたのに、抜き差しならぬ事情でネットカフェ難民になったのだ。
「現代ニッポンの難民たちは、どこにでもいる何不自由ない若者たちのようにこぎれいななりをしているので、一見みわけがつかない」と、番組のナレーションは続く。
確かにホームレスのひとたちの、すぐそれとわかるむさくるしさとはまったく違っている。ネットカフェ難民たちは、ネットカフェとかコンビニとかコインロッ カーとか、現代ニッポンの都市生活を象徴するようなアイテムを巧みに利用しつつ、最低限の身ぎれいな暮らしを維持している。そこに彼らの知恵を見る。 いったい彼らはこのような知恵をどこで培ったのだろうか。
ネットカフェを避難所として活用するような彼らだから、インターネットを利用した情報収集の知恵には長けているのかもしれない。あるいはネットカフェ難民たちのコミュニティとでもいうものが、インターネット上に展開しているのか。そこで知恵をわけあっているのか。
ネットカフェ難民たちの実態を調査したNPO団体職員によると、彼らが一番困っている点は、来る日も来る日もカフェの椅子で眠るために、腰を伸ばして横に なることができず、熟睡ができない日が続くことだという。 熟睡ができないだけではなく、「エコノミークラス症候群」になる心配もあるのではないだろうか。
くだんのNPO団体職員は、実態調査の結果として、「やはり政治による救済が必要だ」と総括していた。けれどもホームレス対策でさえ手間取っている政治に、すみやかな救済など可能だろうか。
政治による速やかな救済が不可能なら、震災難民に対するように、私たち市民が彼らにお金を出し合うなど、救済の手を伸べるべきなのか。
私は思う。それよりもネットカフェ難民たちはとりあえず自らを救うことはできないか。 たとえばインターネットを活用して、彼ら自身の手による共助団体を形成し、金を出し合ってアパートの一室を借り上げる。そこに腰を伸ばして眠ることのでき るベッドを置き、交代でそのベッドを利用するなりしてせめて熟睡ができない日が続くという問題を解決する。そのような共助行為をとっかかりとして、彼らの 抱えている問題を洗い出し、少しづつ解決してゆく・・・。
ネットカフェなどを利用して生活をしのいでゆくという、優れた知恵を生み出した彼らなのだから、問題の根本的な解決の知恵も、彼ら自身で生み出すこともできるのではないか。
利用者の声から
東京・蒲田 男性(24) 2年くらいずっといる。テレビ局で1日中働かされ、心も体も疲れて退職。収入が減り、アパートの契約更新のお金を貯金できなかった。仕事が不安定でアパートを借りようとは思えない。
同・30―40代の女性 3年間、ネットカフェ暮らし。週5日泊まり、週末はホテル。週3日ほどのパートと夜の仕事で、月収は9万円。
埼玉・大宮 男性(24) 出張でホテルがとれず泊まった。1日12時間働き、月約100時間残業をしているが、残業代は上限40時間までしか出ない。将来が不安。
奈良 20代の男性 手取り月8万円。食事は昨日からとってない。ネットカフェのドリンクやスープですます。
埼玉・蕨 男性(24) 週3回くらい泊まる。解体作業の手伝いなどをし週1、2回で月3万円。父子家庭。父はイライラしていることが多く家にいづらい。
ネットカフェ難民増大
五月二十日に東京・明治公園で開く「全国青年大集会」実行委員会が行ったもの。東京、大阪、愛知、福岡など全国十九地域、三十四店舗前で八十四人と対話し、三十七人からアンケート回答が寄せられました。
東京都大田区の男性(24)は、アパート代が払えず二年間カフェ暮らし。午後四時にカフェを出て、翌日の午前六時に帰ってくる生活で、「仕事が不 安定でいつ収入がなくなるか分からず、アパートを借りられない。年金も健康保険もない。同じように住んでいる人が三十人くらいいる」。
東京都渋谷区の二十代の男性は飲食店の正社員ですが、仕事が忙しくて午前八時から午後十一時まで働いており、家に帰ると寝る時間がなくなるため、週に六日はネットカフェに泊まり日曜日だけ帰ります。
「以前は金もうけを追求していたけど、いまは当たり前の生活ができることが幸せなんだと思うようになった」
「月収八万円。家に帰ると親に『なにしとったんや』といわれるので、ネットカフェによく泊まる」(奈良)など、フリーターなどで家庭や社会の中に居場所がもちにくいため、カフェ暮らしをしている人もいました。
店舗からの聞き取り調査では「常連さん」(長期滞在者)が増えており、全国に拡大していることも分かりました。
東京都内で記者会見した首都圏青年ユニオンの河添誠書記長と民青同盟の清沢達也副委員長は、「青年の貧困は予想以上に広がっている」と強調。「個 人の努力だけで解決できる問題ではない。政治や行政が役割を果たすべきだ」とのべ、「五月二十日に開く集会では青年の切実な願いを集めて、解決を求めてい きたい」とのべました。
相場戦術
『待てば海路の日和あり』という諺があります。また孫子の兵法に『五道』というものがあり、もっとも難しくて高等な戦略は『進むでも、後退するでも、右に行くでも、左に行くでもなく、時期が来るまで『動かない』という戦術です。
しかし、戦争をしている時に『動かない』という決断をするのは大変な勇気が必要です。この勇気を持つための前提が『情報収集』です。何も情報を持たずに、敵の動向も知らずに待っていては命が幾つあっても足りません。
株式投資の場合には『命は取られません』ので戦争ほど過酷ではありませんが、命の次に大切と言われている(?)お金を儲け損なうという恐怖心があります。
ここで気持ちを転換出来れば勝者になれます。どういう風に転換するのかと言いますと、待っていて株価が予想通りに下がればラッキーで、下がらなけれ ば『下がるまで待てば良い』と思うことです。今回の相場に参加できなくても『株式市場は年間で1~3回は大きく下がりますので、次の大きく下がったところ を買えば良い』と思うことです。
但し、孫子の兵法ではありませんが、何もしないで『待って』いても勝利は掴めません。無駄になるか、有効に使えるかは『運』次第ですが、予想通りに 下がった時に『買いたい銘柄と買いたい価格』の準備が出来ていなければ『待っても日和はない=チャンスを掴めない』ことになります。
したがって、常に備えあれば憂いなしの戦略で、常に『ここまで下がったら買いたい』という銘柄の候補を準備しましょう。私は1日で1銘柄とか、2銘柄とかを買いたいシグナルに登録しています。
昔儲けた銘柄のなかには『大きく下がっている』があります。このように銘柄を探して登録したり、コアストックや上昇率ランキング銘柄探しソフトで探 したり、買いたいシグナルに登録している銘柄のチャートを見直したりすることで、自然に臨戦体制が出来上がります。臨戦体制が整ってから投資する時と、突 然買い場と言って慌てて銘柄を探す投資では、当然ですが結果は全く違ってきます。
塵も積もれば山となりますので、毎日少しずつでも銘柄を増やしていってみて下さい。
人生の壁を突き破ったその先にあるもの
ケンミレは2007年を『ワンエイティー・レボリューション』の年と位置付けています。最初に行ったことは『ケンミレ理論の革命』であり、次に行ったことはサイトとソフトの革命でした。
あと二つ革命が残っています。一つは『ケンミレが社会に認められる=社会にとって必要な企業になる』ということで、もう一つは『誰もがケンミレで仕事がしたいと思える企業になる』ことです。この度、後者を4月からスタートしました。
ケンミレには今スタッフの間に恐怖心が出ているとのことです。どんな恐怖心かと言いますと、2、3月のような地獄は再び味わいたくないという恐怖心 です。革命とは現実否定と血を流す(無血革命でも肉体と精神を考えれば血が流れています)ことであり、これまで経験したことがないほどの経験をすることで す。
どうして『今の若い人はすぐに疲れるのだろう』ということを知り合いと話しました。学生時代ならば半年から1年は努力出来たのに、今は1ケ月でも嫌だという怠け癖と、怠け癖を容認している社会が原因だと思います。
つまり極論しますと、いろいろな経験と知識を持ってしまったことと、日本が平和で餓死しないことが原因ではないかという事になりました。
壁にぶつかったら会社を変われば『やり直しが利く』と誤解しています。しかし、現実はどんな会社に行っても『同じ壁』が出てきます。この壁を破るこ とでしか前に進めないのですが、この事に気が付くのは50歳を過ぎてからで『時、既に遅し=後悔先に立たず』になってしまいます。
楽な方へ、楽な方へと移り続けたツケが、やり直しが出来ない50歳以上で起こるのです。
最近、30歳を過ぎたフリーター(もう遅いのですが)が、フリーターで気楽に生活したツケで、まともに仕事をしようとしても『社会人として何も経験がない』ことで入社試験を受けても落ちてしまうということをテレビで言っていました。
『他人の振り見て我が振り直す』という諺があります。他人の事は分かっても、人間は自分に甘く出来ているので自分の事は分からないという欠点を解決する方法として、昔の人が考えたことですがこれが分かるか分からないかで、老後の人生が全く変わったものになります。
何故、直ぐに疲れるのか、何故直ぐに仕事を変わるのかという理由ですが、それは『仕事が生きがい』でなくなってしまっている、言い方を買えますと 『堀江社長がヒーローになれる社会』が生まれたからだと言えます。楽してお金を稼いでいるように見える人達がテレビなどで放映されていることで、自分にも ラッキーが来るのではないかと考えているからだと思います。
この風潮を直す必要があることで安倍総理は『教育改革』を第一に訴えていると思います。しかし、法律的には問題ないとしても、人間としてよくないことをしている大臣を庇う安倍総理では、教育改革は出来ないのではないかと思います。
人間の成長に必要な経験と意義は何か
私は学校にほとんど行かなかった人間でした。そして高校2年の時(ワタミの社長が買った郁文館学園)に初めて勉強をしたのですが、その時には休みな く1日4時間前後の睡眠とお風呂とトイレと食事の時間以外は全て勉強に当てていました。期間は2年間でしたが、2年間は全く休まずに勉強していました。
またよい子供ではありませんでしたので、親からはうるさいほど文句を言われ続けました。そして、このような経験はほとんどの人が持っていると思います。
ということは、誰でも『その程度の体力』は持っていることになりますし、人から指導を受ける場合でも『自分が不遜にならなければ、親のように受け入れられれば』耐えることが出来るということです。
私はケンミレの前に2回ほど会社を経営しましたが、1回目は武家の商法で失敗しました。そのため2回目は3年間『全く休みなく、しかも眠くなったら 机の上にマットレスを敷いて寝る』というタコ部屋のような生活をして、まず専門家と言われるレベルの知識を付け、その後に事業を開始しようと思いました。
当時は1980年代の半ばでしたので、市場はバブル景気で株式市場も急騰を続けていました。当時、友人は『こんな景気の良い時に事業をしないで研究をしているお前はおかしい』と言われましたが1990年8月までは勉強だけしていました。
3回目はケンミレでしたが、2年半は朝9時から夜11時、1時まで『土日、祭日、ゴールデン・ウィーク、正月(元旦は休みましたが)』も休まずに仕事をしていました。
但し、私の場合には必死で頑張ったあとには6ケ月は仕事をしないで『遊ぶだけ』という生活をしました。具体的には、ある時は6ケ月間、平日は地方競馬に、土日祭日は中央競馬に、夏は福島競馬場まで行きました。
またある時は妻の実家(農家)の納屋の二階を借りて、毎日義理の父親の長靴と麦わら帽子を借りて、朝から晩まで『釣り堀で鯉を釣る』という生活をしていました。
この時は結婚したばかりだったので、妻の家族は大変な怠け者と子供が結婚したものだと思っていたと思います。
単純には喜べぬ昭和
国民の祝日に関する法律はその意義を「国民こぞつて祝い、感謝し、又は記念する日」と定めている。今年から始まった「昭和の日」は何を祝い誰に感謝する日なのだろう。まさか中国や朝鮮半島、東南アジアに侵略した20年間を礼賛する日ではないと思うが。
言論が弾圧され隣保班の名のもとに相互監視し、マルクスなど読んでいたら憲兵に連行されるような悪夢が終戦まで続いた。軍服を着せられ、弾薬や食料もない海外に送られ「人を殺せ」と命じられるのは62年前で終わりとしたい。
戦後は米国の軍事力に守られながら、軍国主義から経済至上主義へ転換した。朝鮮戦争や東京五輪、大阪万博などを追い風に、世界第二位の経済大国へ駆け上がった。モノにあふれた豊かさは誰しもが享受しているものの、心の豊かさを実感している人は少ない。
フリーター、ニート、引きこもり、ワーキングプア。いろんな名称で呼ばれる階層が生まれ続けているが、餓死しない時代に生きている。とりあえず。だが耳をそばだてていると、戦前を容認する発言が知識人や政治家に相次いでいる。
戦前の影と戦後の光ばかりが強調されがちだが、昭和はそう単純に解明できる時代ではない。万歳万歳と喜んでばかりいると潮目を見逃してしまう気がする。昭和を描いた書籍や映画はちまたにあふれる。自らの昭和を考える日としたい。
ニートやフリーターも含めた雇用対策についてどう考えるか
雇用・賃金などの条件について、都独自の「東京ルール」を作り、働く人の仕事、暮らしを守り、ワーキングプアをなくす。雇用対策室を作り、労政事務所を復活させるなど都の労働行政を強化。若者の雇用と生活支援の緊急対策を行う。
非正規社員を正規社員として雇用する企業、子育て支援や従業員の休暇取得に積極的な企業には減税や奨励金などの支援をする。財源は五輪招致のため、都が積み立てている年間1000億円の基金を充てる。
ニート、フリーター、パートを新しい労働形態として認め、大学での職業訓練を実施できるようにする。また、こうした人々に年金、保険が適用できるように制度を改革する。
人の能力を尊重し、定年制をなくす。高齢者の就労を奨励し、4年以内に高齢者カンパニー1000社設立を目指す。男女それぞれの特性を生かし、優秀な女性を都庁の幹部にする。
地図で見る女性の実情
女性の生活や仕事を巡る数値や統計情報を地図に表した「地図でみる日本の女性」が明石書店から出版された。統計表や文章だけではわかりにくい女性の実情が、地図にすることではっきりと見えてくる。
広島大大学院の由井義通教授(都市地理学)ら地理学の研究者7人が、専門分野ごとに地図をまとめた。国勢調査(2000年)や就業構造基本調査 (02年)、学校基本調査(04年)など各種データを活用し、未婚率、専業主婦率、フリーター・ニート比率といった28項目を地図化。犯罪や福祉など女性 にかかわりの深い社会問題についてのコラムも設け、理解を助ける。
いくつもの地図を読み比べてみると、地域の類似性や共通項が浮かび上がる。進学や結婚、出産といった個人的なライフイベントも、地域の実情に左右されていることがわかる。職安の民間開放を提言 諮問会議、市場化テストで
提案は、フリーターや女性などに対してきめ細かい職業紹介サービスの必要性が高まっているため「民間の創意工夫」を生かすべきだとしている。民間委託したハローワークは国の指揮監督下に置き、求職求人情報の適正利用や守秘義務の徹底を義務付ける。
会議には、労働市場改革専門調査会がまとめた報告書も提出された。民間議員は報告書に盛られた10年後に既婚女性の就業率を7割まで引き上げることや、 年間労働時間の1割削減などの実現のために、政府が「働き方を変える行動指針」を策定し国民運動を起こしていくことを提案した。
昨年度の県ニート支援相談546件
県ニート支援庁内ネットワーク会議は19日、福島市の県自治会館で開かれ、昨年度のニート相談ダイヤルに546件の相談があったことが報告された。
相談件数の内訳は382件がニートからで、フリーターや求職中の県民からも寄せられた。
男女別では男性が367件、女性が179件。
5件が就職に、11件が就職活動に結び付いた。
厚生労働省の「地域における若者自立支援ネットワーク整備モデル事業」で、今年度から福島市のNPO法人「ビーンズふくしま」が地域若者サポートステーションに選ばれたことも報告された。
臨床心理士とキャリアコンサルタントを配置し、対面形式の相談に応じる。
法教育教材を開発…関西の弁護士・教員ら共同で
大阪や京都の府立高校教諭が弁護士や司法書士らと共に、労働問題を中心テーマとした高校生向けの法教育教材集を作った。
◆バイト、悪質商法題材に
生徒の実情を知る教育のプロと、社会の実情を知る法律のプロが力を合わせ、わかりやすくて役に立つ法教育の実践を目指している。
教材集は「『はたらく』を学ぶ」のタイトルで、A4判76ページ。フリーターを巡る雇用問題やアルバイトのトラブルなど高校生にも無縁でない労働問題のほか、悪質商法など今日的テーマも取り上げている。
生徒の関心を高めるために授業の導入に工夫を凝らすのがポイントの一つ。フリーターをテーマにした授業案では、最初の授業でNHKの特集番組のビデオを 見せて感想を述べ合う。続く授業で、「フリーターが増えると日本社会にどのような問題が生じるか」といった抽象的な問題のほか、「アルバイトで生活できる か考えてみよう」「病気になったらどうする」などとイメージしやすい問題を設定し、議論を深める。
そのうえで、弁護士や司法書士らを交えた授業を行い、生活保護法や労働基準法の理解につなげる。教諭が生徒と弁護士らの橋渡し役を務め、好奇心をうまく引き出せれば、難解な法律用語や制度の話にも生徒は耳を傾けるという。
教材集作りは、今春の異動で大阪府立西淀川高校に転じた首藤広道教諭(45)が、前任の同府立刀根山高校で進路指導にあたっていた際、「働くこと に対する基本的な知識が足りない生徒が多い」と痛感したのがきっかけだった。知人の弁護士に相談し、一昨年4月から教諭仲間や法律家ら約20人で月1回の ペースで勉強会を開催。昨年8月に完成させ、刀根山高校など同府内の4校で授業にも取り入れられた。
国民が刑事裁判に参加する裁判員制度の実施が2年後に迫り、国や弁護士会などは法教育の学校現場への普及に乗り出している。法律家が学校に出向く “出前授業”も増えているが、一度きりのイベント的な授業も多く、「思いが十分伝わっただろうか」との疑問を法律家側が抱くこともあるという。教材作りに は、こうしたギャップを埋める狙いもあり、首藤教諭は「法律家との共同作業の意義は大きい」と話す。
今回の試みについて、法教育に詳しい筑波大の江口勇治教授(公民科教育)は「関心の高まりに比べ法教育の授業や教材の研究は今一歩だ。生徒の目線に立った授業を積み重ね、さらに洗練した授業を作り上げてほしい」と指摘している。
都市票狙い「首都圏政策」策定 民主有志、参院選に向け着手
今後具体策を詰め、執行部に参院選の公約に盛り込むよう求める考え。メンバーは小沢一郎代表が主導した消費税率据え置きにも異論を唱えており、党内に波紋を広げそうだ。
作業を進めているのは衆院議員の長島昭久氏(比例東京)や高山智司氏(同北関東)ら。先の都知事選で党が支援した前宮城県知事の浅野史郎氏が完敗したことも契機になった。
少子化対策で産科医や小児科医の待遇改善、フリーターやニート対策として平等な就業機会の提供などを打ち出す方針。
「紹介予定派遣」期間長く・経団連が規制緩和案
今国会ではパートタイム労働法など雇用ルール改革6法案を審議しているが、雇用法制の抜本見直しはまだ入り口段階。7月の参院選後には雇用ルール見直し論議が再浮上する公算が大きい。経団連が求めた労働者派遣の規制緩和はそのポイントの一つにになりそう。
終身雇用派が急増
昨年の調査で、終身雇用派が転職派を初めて上回ったが、今回は挑戦や苦労を避ける新入社員の安定志向が一段と強まった形だ。アルバイトなどのフリーターに肯定的な意見も過去最低の26・4%だった。
同本部は景気回復を受けて「このところ就職しやすい環境になっているが、かつての就職氷河期の記憶が生々しい上に、正社員と非正規社員の格差問題への意識も高まっているのではないか」と分析している。
「社内で出世するより起業して独立したい」とする回答は18・3%と4年連続で減少。「会社の運動会など親睦行事には参加したくない」は14・9%と低水準だった。
調査は今年4月入社の新入社員に3-4月に実施し、2574人から回答があった
労働組合の組織率が、じり貧になっている。集会に参加しない組合員も多い。そんな中で迎えたメーデー。労働運動の在り方を見詰め直す契機にしたい。
米国の弁護士を偽って債権回収の調査費名目で現金をだまし取ろうとしたとして、警視庁捜査二課と世田谷署は三十日、詐欺未遂の現行犯で、住所職業不詳、自称一条ミッシェル容疑者を逮捕した。
昨年十月から今年三月にかけて計三百万円を詐取したとされ、同課で余罪を調べている。
一条容疑者は三十五歳くらいで、「テキサス州立弁護士」などと書いた名刺を使っていたが、逮捕後はフリーターを名乗っているという。
調べでは、一条容疑者は三月中旬、都内の飲食店従業員の女性(33)=栃木県小山市=に「調べるにはもう少しお金が必要。相手に請求するので損しない」とうそを言い、三十日、JR上野駅構内の喫茶店で、三十万円をだまし取ろうとしたところを逮捕された。
三百万円の詐取を認めたうえで「今日はだまし取ろうとしていない」と供述しているという。
一条容疑者は女性が勤務する店の客。別の男性客に金を貸していた女性から依頼を受け、「相手の隠し口座が分かった」などと数回、現金を受け取ったという。
女性は、日弁連に確認して偽弁護士と気づいた。
メーデー 労組の存在感どう発揮
労働組合の組織率が、じり貧になっている。集会に参加しない組合員も多い。そんな中で迎えたメーデー。労働運動の在り方を見詰め直す契機にしたい。
今年のメーデーのキーワードは「格差解消」。低賃金で処遇も不安定なパート、フリーター、派遣など非正社員の増加を受けてのことだ。連合は連休初 日に東京、広島、山口など全国各地で開いたメーデー集会で、働く者が連帯し格差社会を打ち破ろうと誓った。きょう開く全労連も今年の春闘スローガン「なく そう格差と貧困」を強く意識した集会になるだろう。
各労働団体がこぞって組合員以外に目を向けた「いつもとは違うメーデー」といえる。非正社員は、バブル崩壊後の不況期に経営側が人件費削減のため にどんどん増やした。本人が積極的に選んだのなら、さまざまな働き方があってよいが、就職難でやむなく非正社員になった若者が少なくない。
サービス残業を強いられたり、不満を口にしたら「やめてくれて結構」と言われたりする。そんな不条理を見て見ぬふりをしてよいはずがない。
非正社員は全雇用者の三分の一に達している。職場構成の変化に労組側が揺さぶられ、戦略見直しを迫られた形だ。春闘では時間給アップ、組合員化、正規社員への登用などの要求が目立った。中国地方でも改善回答を引き出した労組がある。
だが、取り組みはまだ不十分だ。非正社員は業績が悪化したときに「雇用の調整弁」になる、とあからさまに語る労組幹部もいる。人権に鈍感で「既得権益」にすがりついているようでは、労組の立脚点を失うのではないか。
組織率は、昨年の調査で18・2%と三十一年連続で低下した。一九八〇年代初めまでは30%台だったのだから、労組離れは目を覆うばかりである。 しかも、企業規模によって差が大きく、百人未満の企業は1・1%にとどまっている。未組織労働者に本気で働き掛けてきたのか疑問だ。
非正社員の組織化を打ち出したのは、非正社員を取り込まなければ組織率低下に歯止めをかけられないとの危機感もあるのだろう。
労働運動は、働く者の権利を守り、人間らしい暮らしを保障するのが原点だろう。地域間格差の解消や男女差別撤廃にも積極的に取り組み、新しい運動をどう展開していくか。労組の存在感を高めるために踏ん張りどころである。
劇団ひとり「原点はネガティブシンキング」
小説家としても、デビュー作「陰日向に咲く」が60万部を超えるベストセラーになった。フリーターの女の子やオタク青年、売れない芸人などが主人公の小説で、その不器用な生き方が読者の共感を呼んでいる。
そんな売れっ子の原点は「ネガティブシンキング」だというが、どういうことなのか? 劇団ひとりの素顔に迫る。
身近な政治家区議・市議 現役学生やフリーター“普通の”若者も挑戦
若い世代の声を政治に反映させたい-。区議や市議など最も身近な政治家を選ぶ統一地方選後半戦(二十二日投票)には、直前まで学生だった人やフリーターなど“普通の”若者たちも挑戦している。 (小林由比)
区議に立候補した二十代後半の男性は、地方の大学卒業後、小説家を目指して上京。しかし現実は厳しく、コンビニのアルバイトで生計を立ててきた。「政治に関心はなかったし、投票も一度しか行ったことがなかった」
転機は二〇〇五年の衆院選。郵政民営化を争点に行われた激しい選挙戦を見ていて、「政治で何かが変えられるのかも」と刺激を受けた。
フリーターの経験から、「保障がない働き方は若くても不安」と思う。「若い人たちが安定して働ける社会にするために、自分にもできることがあるかもしれない。住民に一番身近な区議として働きたい」
同じく区議に立候補した、二十代半ばの新人女性は今春、都内の大学院修士課程を修了した。四月から広告会社に就職したが、「選挙に受かったら議員に専念したい」。
高校時代から政治哲学に関心があり、「評論家になりたいと考え、政治を大きなスローガン的に考えていた」。
しかし、大学二年の時、インターンシップ(就業体験)で三カ月間、区議の仕事を目の当たりに。「こんなに地域密着でやりがいのある仕事だとは」と、魅力を感じた。その後も選挙運動の手伝いなどに積極的に参加してきた。
「同世代は企業に入るという選択だけでなく、自分のやりたいことを実現するため、起業する人も多い。議員を目指すのもそれと同じ感じ」。女性が子育てしながら働きやすい社会を目指し、駅前の認可保育所の増設などの施策を訴える。「若い人たちの投票率も上がってほしい」
他にもインターネット上で地域住民の交流などを進めている大学院生など、現役の学生として立候補している人がいる。
フリーターの8割が不満を抱いている - 若者のマネー事情の現在
調査は関東・東海・関西圏在住の高校生・大学生・フリーター(15歳~34歳以下)、877名を対象にインターネット上(PC/モバイル)で実施された。調査期間は2006年12月~2007年1月。
同社のアンケート結果によると、高校生の7割、大学生の9割、フリーターはほぼ全員がアルバイトなどによる月々の給与収入があるという。また、それ ぞれの1カ月あたりの平均給与(小遣い、仕送りを含む)は、高校生が男女共に約5万円、大学生が男性6.5万円、女性5.5万円、フリーターが男性 14.3万円、女性13.1万円となっている。
一方、月々の希望収入額は、高校生は男女共に約8万円(+3万円)、大学生は男性10.8万円(+4.3万円)、女性9.2万円(3.7万円)、フリー ターは男性24.5万円(+9.3万円)、女性19.3万円(7.2万円)と、実際の収入額との差が大きい。同社では「現在の収入に対してかなり不満を抱 いているようだ」(同社)と分析している。
また、大学生の約7割が仕送りをもらっていると回答しているが、フリーターで月々仕送りをもらっているのは約1割。この結果から、同社では約8割の親が「仕送りは大学生まで」と考えていると分析している。
月々の収入についての満足度を聞いてみたところ、満足している人は2割~3割程度。「やや不満」と「不満」で全体の7~8割を占めている。
貯金に関しては、約半数以上が月々貯金をしているという。大学生男子では4割が、女子では5割が貯金している。また、高校生は、少額ではあるが男女共に6割が貯金しているという。フリーターも高校生と同様、半数以上が貯金をしている。
「フリーターも悪くない」過去最低に 新入社員意識調査
「若いうちならフリーターも悪くない」と考える新入社員の割合が3割を下回り、過去最低になったことが25日、社会経済生産性本部の意識調査でわかった。企業がバブル期を上回る新卒の積極採用に転じるなかで、若者の正社員志向も強まっているといえそうだ。
調査は3~4月、同本部主催の研修に参加した新入社員に実施し、2574人から回答を得た。
「フリーター生活も悪くない」との回答は26.4%で、前回06年の調査から6ポイント低下。フリーターに肯定的な意見は90年は53.7%あったが、半減した形だ。
「今の会社に一生勤めたい」と希望する人は過去最高の45.9%に達し、「チャンスがあれば転職してもよい」の34.4%を大きく上回り、終身雇用への回帰がいっそう強まった。
フリーター生活への肯定的意見が過去最低に、新入社員の意識調査
労組代表や経営者などが参画する社会経済生産性本部は4月25日、2007年度の新入社員に行った意識調査の結果をまとめた。それによると「若いうちならフリーターの生活を送るのも悪くない」という回答は26.4%で過去最低となった。
フリーター生活に関する肯定的意見は、1990年の第1回調査では53.7%あったが、最近4年間は徐々に減少し、今回初めて3割を下回った。
また2004年度までは「チャンスがあれば、転職してもよい」という回答が半数近くを占めていたが、2005年度、2006年度では「今の会社に一生勤めたい」という回答と拮抗し、2007年度は終身雇用の希望が45.9%で、転職希望34.4%を上回った。
処遇に関しては、「業績や能力が大きく影響する給与システム」を希望する回答は61.9%、「仕事の能力をもとにした評価、昇格」を希望する回答は65.6%。いずれも過半数を保ったが、過去最低の水準となった。
調査は20007年3月―4月の期間、社会経済生産性本部の主催する新入社員教育プログラムへの参加者を対象に実施した。有効回答数は2574。
[メーデー]フリーターの若者たちが「自由と生存」求めデモ
「非正規(雇用)を使い捨てにするな」「交通費を出せ」――。低賃金アルバイトで暮らすフリーターの若者たちや日雇い・派遣労働者らの集会「自由と生存のメーデー」が30日、東京都新宿区で開かれ、JR新宿、新大久保駅前など約4キロをデモ行進した。
このメーデーは04年、「フリーター全般労組」が数十人規模で開催。正社員をリストラして派遣やパートなど非正規雇用で補う企業の流れの中、参加者は年々増加。今年は野宿者や障害者らも加わって過去最多の300人が参加した。
集会に参加した社民党の福島瑞穂党首は「これだけ多くの若者が参加するのは頼もしいが、それだけ彼らの生活はぎりぎりで、切実なんです」と訴えた。有給休 暇分の未払い賃金約20万円を巡って請負会社と争っているという練馬区の契約社員の男性(28)は「声を上げて訴えなければ、この社会は悪くなる一方だ」 と切実に話した。不安定生活限界だ フリーターら「生存メーデー」叫ぶ
生きさせろ――。フリーター、日雇い派遣労働者、障害者、ホームレス、生活保護の受給者など、低収入で不安定な生き方を強いられているさまざまな立場の 人々が一緒に歩き、踊り、叫んだ。30日に東京で開かれた「自由と生存のメーデー07」。同じ日に大阪でも、その名もずばり「明るいビンボー★メーデー」 があった。格差と競争の強まる社会で最も生きづらさを抱える人々が、互いにつながり、声を上げ始めた。
低賃金や長時間労働の改善などを求めてデモ行進する人たち=東京都新宿区で |
午後3時半すぎ、東京・歌舞伎町。靖国通りが始まるJR線の「大ガード」の下から、大音量のダンス音楽とともにデモ隊が飛び出してきた。DJが乗る先頭車両に続いて、手をふり、足を踏みならしながら進む。
「生活を変えろ」「ホワイトカラーエグゼンプション ただ働き?ふざけるな」。思い思いのプラカードや横断幕が、強烈なリズムに合わせて左右に揺れた。沿道で目を丸くして眺める人たち。
「自由と生存のメーデー07」はフリーター全般労組が呼びかけ、38団体が賛同。若者を中心に、予想を大きく上回る420人が参加した。
デモの後方では、人々から集めた100を超す「デモ・コール」を作家の雨宮処凜(かりん)さんらが叫んだ。「最低賃金1500円以上よこせ」「過労死から逃げろ」「住む場所をよこせ」「生きさせろ」
病気のため今は生活保護を受けるシングルマザー(45)は「『生きさせろ』というメッセージに共感できた。時給800円台でどうやって子どもを育てるのでしょう」。
歌舞伎町では、6メートル×40メートルの巨大なブルーシートを頭上にかぶるパフォーマンスがあった。「正社員、非正社員を問わずプレカリアートが一つ の社会勢力としてまとまろうという意味を込めた」と主催者は言う。プレカリアートはイタリア語のプレカリオ(不安定な)から派生した言葉で、「不安定な雇 用を強いられた人々」の意味だ。
大阪の「明るいビンボー★メーデー」は、大阪市東住吉区の長居公園が会場。フリーターや野宿者約100人が集まった。プラカードには「時給2000円。有給休暇を」の文字が躍る。
派遣として大学図書館を転々としてきた女性(29)の手取りは月約10万円。来春で3年契約が切れる。「自分はダメ人間だと感じてきた。同じような境遇の若者がいっぱいおり、しんどいと声をあげる勇気が持てた」
別の公園で暮らす50代の男性によると、最近「泊めてほしい」と駆け込んでくる若者が後をたたない。「野宿とそうでない暮らしの距離が近くなっているのを感じる」
格差社会に『使い捨てやめろ』 フリーターらメーデー集会
音楽を流したトラックが怒りのシュプレヒコールを先導する。「職場に労組があっても入ることのない、フリーターのためのメーデーをやろう」。デモは非正社員をつなぐ地域労組「フリーター全般労組」(東京)が企画。四回目の今年は昨年の四倍の約四百二十人が参加。上野や山谷地区でホームレスを支援するグループや平和団体も加わった。
「まともに暮らせる賃金を」「派遣会社はピンハネするな」。派遣労働などで働く人たちならではの訴えが続き、大久保地区から歌舞伎町へ約二時間、練り歩いた。
昨年のデモでは逮捕者も出ており、大勢の警官に物々しく取り囲まれた「サウンドデモ」は人波あふれる沿道の目を引いた。
「最初は何だろうかとびっくりしたけど、(デモの主張には)共感できる部分もあった」と、都内在住のアルバイト男性(32)はうなずいた。「格差がこんなに広がっても自分が何も言えないのも悔しかった。デモは何もしないよりずっといいと思う」と女性(23)は友人と一緒に見守った。
この日は福島瑞穂社民党党首も駆けつけ一緒に歩いた。「厳しい状況に置かれた若い人の生の声を聞くことができた」
京都から参加した介護ヘルパーの男性(32)は「仕事はハードなのに給料は全然見合わない。生活できずに離職する人が増えており、国の無策を訴えたい」と話した。
集会に先立ち、日雇い労働の現場で派遣で働く男性が日給六千-七千円、月収十三万円程度にしかならず、家賃や食費を払うと手元にほとんど残らない生活を紹介。主催者側には労働基準法が無視され、遅刻して罰金を取られたケースなど、悪質な雇用をめぐる相談が絶えないという。