東京・歌舞伎町。ネオンが妖しくともる繁華街に、ひときわ異彩を放つ店がある。魚のマンボーをキャラクター化した看板が、いやが応でも行き交う人の目を引く。「まんが喫茶MANBOO!(マンボー)」。ネットカフェの大手である。
5月中旬の夜9時ごろ。店内には、じゃれ合いながら入店の手続きをする若いカップルの姿が複数あった。「どのタイプにしますか」。20代とおぼしき店員に尋ねられ、3時間パックで900円のコースを選んだ。
客室のある2階フロアはほの暗く、細い通路を挟んだ両側には10以上の個室が並ぶ。内部は2畳ほどの広さ。リクライニングチェアとパソコンが置かれていた。フラットベッドタイプの部屋もあるそうだ。
各個室の上部は吹き抜けになっているが、扉を閉めてロックしてしまえば、密室に近い状態になる。利用客はここで、“自由空間”を手にする。隣の個室から若い男性の声がかすかに聞こえてきた。どうやら“出会い系”に電話をしているようだ。