技術流出が始まったのは5年ほど前からで、正確な数字は明確ではないが、東京のある就職斡旋会社では海外に仕事を求める中年社員からの問い合わせが増えている。パソナ・グローバルでは、アジアで働きたいという日本人の登録者数が昨年は4930人と5年前から倍増した。
退職後に自分の技術が求められる発展途上国に行き、第2の人生を始めたいと望むエンジニアも増えている。 台湾で日立の現地人社員を教育する予定という元日立のエンジニア、ナカムラ・カズミツさん(64)は「日本にいても年金をもらうだけだが、アジアでは社会 に貢献できる」と意気込みを見せている。
台湾は最初に日本人エンジニアを誘致した国の1つで、同国政府によると、近年では2500人超が転入していると話した。
電子機器業界などの台湾企業は、業界の先端を行く日本企業に遅れず中国に追い抜かれないために、日本の最 新技術を学びたいと望んでいる。台湾政府は03年以降、外国人エンジニアの雇用に2000万ドルを投じ、東京や大阪などで毎年就職説明会を開催して、日本 人に対して高い給料や引っ越し費用を提供する台湾企業を援助している。中には年収100万ドル以上を提供する企業もある。最近では、中国や、シンガポール など東南アジアの国々も日本人を多く雇用し始めている。