日本では近年、台湾、韓国、中国など急成長するアジア企業で自分の技術を生かしたいと考えるエンジニアが増えている。
■社員の考え方に変化
ニューヨーク・タイムズによると、日本の技術職を中心とする労働者が海外に目を向け始めている背景には、 過去10年間に進行した競合の激化、企業のリストラ、終身雇用制度の崩壊という日本社会の変化がある。かつて保守的だった日本の会社員も、リスクが高くて も積極的に自分の仕事を選択するようになり、自分のキャリアは会社のためではなく自分のためにあると考え始めている。また、今や米国を抜いて中国が日本の 最大貿易相手国となる中、日本人の多くは日本や自分の将来がアジア経済と結びついていると考え、日本より高い報酬や満足感を得られるアジアで働きたいと 願って海外に移住する人が増えている。
一方、日本政府にとって頭脳流出は、アジアの競合に技術を奪われかねないという懸念につながっているほか、国内で有能な人材が見つけにくくなったとこぼす日本企業も増えている。