初貝さんが新卒で入社したのは、エフェクターなどを専門に製作する電子楽器部品メーカー。大学で電子工学を学び、趣味のバンドでキーボードを担当してい た彼にはまさにうってつけだった。その後、2社に転職するが、仕事は常にハードウェア系。しかし、4社目の転職がその後のエンジニア人生を大きく変えるこ とになる。
「大手ソリューションプロバイダ系のアウトソーシング事業会社に転職しました。前の会社で海外の音響製品の修理に携わっていた経験を買われて、サーバの障 害対応を担当したのです。アウトソーシングだけでなく、自社でネットワークサービスも行っていましたから。実はUNIXもWindowsもネットワークも 本格的に覚えたのはここからで、いつの間にかネットワークエンジニアになっていました(笑)」
この会社に8年勤めるが、後半の6年は当時まだ新しかったセキュリティ部門に配属。顧客のシステムに擬似攻撃を仕掛けて脆弱性を洗い出し、その報告をま とめてアドバイスを行う仕事だ。結果的にセキュリティのプロへの道を歩むこととなった。
ただ、仕事を続ければ欲も出る。より情報を入手できる環境で新しい検査方法を学びたいと、セキュリティに特化したITベンダーを探すことに。「セミナー に参加したら、解説者の話しっぷりに共感した」との理由で昨年、グローバルセキュリティエキスパート(GSX)に転職した。