では、加山さんは将来の目標をどこに置くべきなのでしょうか。
藤田 加山さん、目標にしたい先輩は社内にいますか。
加山 正直なところ、思いつきません。
藤田 それでは、プロジェクトで一緒に仕事をする人の中ではいかがでしょうか。
加山 元請けのSIerのプロジェクトマネージャに山崎さん(仮名)という人がいて、非常に優秀な方だと思います。
藤田 目指す人はその人ですね。
加山 そのとおりです。しかし、山崎さんは優秀すぎて、私に同じことができるとは思えません。
藤田 いますぐは難しいかもしれませんが、山崎さんも最初は新人から下積みをしたはずですよ。
加山 ……ということは、山崎さんがいるような会社で経験を積めれば、私も山崎さんのようになれる可能性があるということですね。
藤田 そうだと思います。新しい目標が決まりましたね。
加山さんが所属するのは、2次請け~3次請けが中心の中堅ソフトウェアハウスです。加山さんは、自分が望むようなスキルアップをするためには、元請けのSIerへの転職が必要であることに気付きました。
さて、加山さんの経歴とスキルを考えてみると、ITエンジニアとして5年目、プロジェクトでは詳細設計~開発~テストのフェイズを中心に行い、J2EE開 発のノウハウ(フレームワークやライブラリの選定、アジャイル開発、モデリング)と各プロジェクトに最適な技術・手法を選択するスキルを身に付けてきまし た。
加山さんの年齢でこのようなスキルセットを持つ人材は、多くの企業に求められています。つまり加山さんは市場価値が高いのです。