先日、キャリアカウンセラー養成トレーニングの同級生同士で集まる機会がありました。クラスメートだった1人が長年勤めていた会社を退職して海外に留学することになり、その壮行会を行うためです。
トレーニング終了から約3年、それぞれが近況を報告しあうと、驚いたことに実に半数以上のメンバーが何らかの「転機」を迎えていました。転機の内容は留 学、転職、結婚などさまざまですが、共通していえるのは「まったく新しい選択」をしたということです。年齢も性別も職業もバラバラなメンバーが、一定の時 期にキャリアの転機=トランジションを迎えていたのです。
キャリアカウンセラー養成トレーニングは約3カ月。理 論や法律を学び、お互いをカウンセリングしあったり、アセスメント(診断)ツールを使って自分1人では気が付かなかった志向を引き出したりする訓練を行い ました。トレーニングはキャリア構築に悩む人の支援をする力を付けるためのものですが、どうやら私たちは、そのトレーニング期間を通じて自分自身のキャリ アについても見つめ直し、トランジションを迎える準備をしていたようです。
その中の1人、それまでとは違う職種 に転職した男性がこんなことをいっていました。「ある日、自分のキャリアを振り返ってみたら、自分の人生は“できること”の範囲での選択が多かったことに 気が付いた。そして30代半ばになって将来を考えて、このまま“できること”だけ続けていいのだろうか。いまこそ“やりたいこと”を優先させてみるべきと きなのではないか、と思ったんだ」