加山優子さん(仮名・26歳)は、中堅ソフトウェアハウスに勤めるITエンジニア。情報系の専門学校を卒業してすぐに入社し、それ以来一貫してビ ジネス系のシステム開発に従事しています。システムインテグレータ(SIer)がユーザーから請けたプロジェクトに派遣されるケースが多く、業務としては 主に詳細設計以降の工程が中心でした。
飲み込みが早く依頼された仕事を確実にこなす彼女は、ユーザーから高い評価を受け、常に新しいプロジェクトにアサインされていました。それにつれて社内での評価も高まり、業務での開発経験や先端技術を社内にフィードバックする教育担当に任命されるほどでした。
しかし、加山さんは入社以来ほとんど定時に帰ったことがありません。プロジェクトはいつも火を噴き、帰宅時間はますます遅くなります。次第に彼女は「もっ とプライベートを充実させたい」と考えるようになりました。そこで、人材紹介会社(つまり筆者)の元へ相談に訪れたのです。