いよいよテスト環境を構築するという段階になって、私はプロジェクトリーダーにこう提案しました。
「データベースを実 装するスクリプトを自動的に生成するツールがあります。この機会に導入しませんか。便利だし、何らかのツールがないと、膨大な設計情報を管理しきれません よ。私ならそのツールの使い方は分かるので、よろしければ全般的に作業を引き受けましょう」。前のプロジェクトで活用されていたツールを、このプロジェク トでも導入しようという提案でした。
「本当にあなたが管理できるの?」といぶかしがられましたが、「大丈夫です。どうしても困ったら、Oracleに詳しいエキスパートに相談します」と主張して押し通しました。
こうして「ツールの担当者」という立場を得た私は、それを足掛かりとして徐々にデータベース自体の設計・管理の領域へと手を広げていきました。
データベースの構築には、命名規約に始まり、サイジング、パフォーマンスチューニングなどさまざまな知識が必要です。実務と並行してそれらの学習を進め、 知識を習得していきました。机上で学習したことを実機で試行しながら最適解を探っていくプロセスはとても楽しく、やりがいのあるものでした。
時にはエキスパートの手を借りながら、最終的には大きなトラブルもなく、データベース環境を構築・提供することができました。気付いてみると、DBA (データベースアドミニストレータ)としての知識が自然と身に付いており、プロジェクトの合間に挑戦した「ORACLE MASTER Gold」(現ORACLE MASTER Silver)にもすんなりと合格することができました。