こうしてデータベースに詳しくなり、仕事ぶりも認められてきたことから、私は主要なロジックを新システムでどう実装するかを検討するプロセスに関与できることになりました。
新しいシステムの仕様を決めるとき、旧システムのロジックを把握することは不可欠です。ところがこのプロジェクトでは、旧システムに関するドキュメントがまったくといっていいほど存在せず、仕様を知っている人も皆無でした。
しかたなく、旧システム(オフコン)のライブラリの構造やソースコードを読み解きながら、仕様を探るというアプローチを採らざるを得ませんでした。上級の SEさんがそういった解析作業を行い、私がVisual BasicとOracleという新しい環境でどう実装するか考えるというように、二人三脚で設計を進めていくことになったのです。
当然、一筋縄ではいかず、夜通し作業を進めることもしばしばでした。皆さんも経験があると思いますが、期日が迫っている中、追い詰められた状況で夜中に仕事をしていると、妙にテンションが上がってきて、おかしくもないものが妙におかしく感じられたりします。
夜中に静まりかえったオフィスで、COBOLのソースコードを解読しながら、なぜか2人してケタケタと笑っている姿は、はたから見ている人がいれば不気味 だったに違いありません。いまとなってはいい思い出ですが、「あのとき救急車を呼ばれなくてよかったな」とも考えてしまいます。