昔のホームレスと違って、今のホームレスの多くは、何かしら稼ぐ方法を持っている。月に10数万円以上稼ぐ人も少なくない。
日雇い労働などで平日は毎日仕事に行っている人、週に何度か仕事に行っている人、金属や古紙などを回収して換金している人もいる。回収業ではアルミ缶回収がもっともよく行われており、それぞれが個人で縄張りを持っている。
アルミ缶は3~4年前まで1キログラムあたり80円ほどで引き取られていたが、現在は120円と1.5倍になった。同じアルミ缶でもモノによって値段が 違うようで、例えば、ビールのアルミ缶は1キログラムあたり120円だが、窓枠に使われるサッシやフライパンに使われるアルミは値段が1~2割増しになる という。
また、電化製品のコードなどに使われている導線も引き取り価格が比較的高いので、ホームレスの間では人気がある。
廃品を回収し、修理して売る方法もある。粗大ゴミとして出される電化製品を回収し、修理して学生などに売る人がいる。また、高級マンションのゴミ捨て場で 使えそうな物を回収、フリーマーケットの出店者に売る。とにかく、捨てられているものでも売れるものは何でも売って自分の糧にするのである。
そのほか、春は花見の席取り、夏は花火の席取り、通年では野球やサッカーの試合や芸能イベントのチケット取りで報酬を得ている。
また、もともとあった住所でつくった銀行口座に年金を受給して、悠々自適に暮らしている人もいる。