従来の日本の年功序列や成果主義による人事制度の限界を指摘し、より理想的な成果主義として“キャリアパスの複線化”が不可欠であると主張する。年功序列 と終身雇用が崩壊した以上、従来のような年功序列組織型の画一的なキャリアプランは成立せず、キャリアパスの複線化なくして若い社員が企業に明るい未来を 見出すことはできないという。
しかし、キャリアパスの複数化とはどういうことだろう。
「彼の前には二つのレールが分かれている。一つは高い権限を含むマネジャーの道。もう一つは高い専門性を持つプレイヤーの道。もう報酬は地位や年齢には比例しない。どちらに進むにせよ、彼がどこまで進めるかは彼次第だ」
自分は将来、どんな道を歩み、どんなキャリアを積んでいきたいのか。入社早々に、こういった問いに対する答えを出すことは難しいかもしれない。し かし、20年、30年経った後にその答えを見付けても、もう手遅れの場合が多いだろう。逆に、自分の進みたい方向さえ分かっていれば、多少道順が変わった り、道に迷ったりしても、なんとかなるものだ。