那賀町岩倉の剣山スーパー林道沿いにある町営レストハウス・山の家「奥槍戸」で、施設の管理人が不在となっており、四月以降営業休止が続いている。県内 外から多くのツーリング客らが訪れるゴールデンウイーク(GW)期間中も休業。食堂だけでなく、緊急時の連絡手段となる防災無線も備えた重要な施設だけ に、町は管理人の募集を急いでいる。
「奥槍戸」は、うどんやそば、コーヒーなどの軽食を提供する飲食施設で、旧木沢村が一九八四年に建設。宿泊はできないが、毎年四月二十日ごろから十一月中旬までの営業期間中、ツーリング客や登山客の休憩所として利用されている。
昨年までは、町から管理運営を委託された男性が管理人を務めてきた。しかし三月に男性の転職が決定。町は急きょ、ケーブルテレビなどで管理人の募集を始めたが、町役場木沢支所から車で約一時間かかるなど通勤に不便なこともあり、後任は見つかっていない。
管理人の不在で心配されるのは緊急時の連絡手段。林道は携帯電話の不感地帯がほとんどで、交通事故などの発生時には山の家に備え付けられている防災無線 から町役場に連絡が入ることもあるという。林道沿いの別の休憩施設「ファガスの森」にも防災無線はあるが、山の家とは約三十五キロも離れている。
毎年、GW期間中には三百-四百人のオフロード車愛好家らが立ち寄る人気施設でもあるだけに、町は「引き続き管理人を募集し、少しでも早く営業を始めることができれば」と話している。