米国の弁護士を偽って債権回収の調査費名目で現金をだまし取ろうとしたとして、警視庁捜査二課と世田谷署は三十日、詐欺未遂の現行犯で、住所職業不詳、自称一条ミッシェル容疑者を逮捕した。
昨年十月から今年三月にかけて計三百万円を詐取したとされ、同課で余罪を調べている。
一条容疑者は三十五歳くらいで、「テキサス州立弁護士」などと書いた名刺を使っていたが、逮捕後はフリーターを名乗っているという。
調べでは、一条容疑者は三月中旬、都内の飲食店従業員の女性(33)=栃木県小山市=に「調べるにはもう少しお金が必要。相手に請求するので損しない」とうそを言い、三十日、JR上野駅構内の喫茶店で、三十万円をだまし取ろうとしたところを逮捕された。
三百万円の詐取を認めたうえで「今日はだまし取ろうとしていない」と供述しているという。
一条容疑者は女性が勤務する店の客。別の男性客に金を貸していた女性から依頼を受け、「相手の隠し口座が分かった」などと数回、現金を受け取ったという。
女性は、日弁連に確認して偽弁護士と気づいた。