2007年5月1日火曜日

みずからを救えネットカフェ難民

 ネットカフェ難民という一群の困窮者が現代日本にいるという。 テレビの報道番組で紹介されていたが、その実態を見ていろんな意味で引き込まれてしまった。

 ある20代の男性は、母子家庭の長男だった。弟や妹の面倒を経済的にみるために、東京へ出てきて稼ぎ、故郷へ仕送りをしていたのだが、仕事がうまくいかなくなってフリーターになった。そのうち家賃を滞納するようになり、アパートを追い出された。

  そこで1時間100円の24時間営業のネットカフェで、雨露をしのぎつつ夜を過ごすことにした。6時間ここで睡眠を取るとして、日額600円。月額1万 8000円というわけだから、アパートを借りるよりはずっと安く上がるわけだ。 食事はコンビニの弁当を買う。だからキッチンなどは不要だ。数日ごとに、シャワー付きのネットカフェで体を洗って清潔を保つ。生活用品は、コインロッカー をふたつ借りて収納している。 収入は、日雇いの仕事を携帯電話を使って見つける。
 
 また、ある10代の女性は、父親による性的虐待から逃れるため、中学生のときに家を出て、ずっと一人で生活してきた。彼女も困窮してアパートを追い出され、ネットカフェ難民になった。  生活の仕方は前述の男性とほぼ似通っている。

  彼女は、このような劣悪な暮らしぶりで生きる自分を励ますために、手帳に「くじけない」とか「責任感を持つ」とかといった倫理的なことばを書き綴っている という。 テレビカメラは、街頭に立って仕事のバスが来るのを待ちながら、手帳を熱心に眺めている女性の姿を映し出していた。 そのけなげさに、私は胸を打たれた。

 この年齢の女性なら、高い報酬を得るためには風俗産業に走るのが、もっとも手っ取り早い方法であることを知っているだろう。けれども、 彼女はそれをしようとはしない。もともと家を出た理由に、その種の職業を拒むトラウマがあるせいかもしれないが、最低の生活形態でも、なんとか堅気の世界 で生き延びようとする彼女の姿勢に打たれるのだ。
 先の男性だって怠け者のせいで定職を失ったわけではない。 弟や妹の面倒を見ようという、けなげな志をもって郷里を離れたのに、抜き差しならぬ事情でネットカフェ難民になったのだ。

 「現代ニッポンの難民たちは、どこにでもいる何不自由ない若者たちのようにこぎれいななりをしているので、一見みわけがつかない」と、番組のナレーションは続く。

  確かにホームレスのひとたちの、すぐそれとわかるむさくるしさとはまったく違っている。ネットカフェ難民たちは、ネットカフェとかコンビニとかコインロッ カーとか、現代ニッポンの都市生活を象徴するようなアイテムを巧みに利用しつつ、最低限の身ぎれいな暮らしを維持している。そこに彼らの知恵を見る。 いったい彼らはこのような知恵をどこで培ったのだろうか。

 ネットカフェを避難所として活用するような彼らだから、インターネットを利用した情報収集の知恵には長けているのかもしれない。あるいはネットカフェ難民たちのコミュニティとでもいうものが、インターネット上に展開しているのか。そこで知恵をわけあっているのか。

  ネットカフェ難民たちの実態を調査したNPO団体職員によると、彼らが一番困っている点は、来る日も来る日もカフェの椅子で眠るために、腰を伸ばして横に なることができず、熟睡ができない日が続くことだという。 熟睡ができないだけではなく、「エコノミークラス症候群」になる心配もあるのではないだろうか。

 くだんのNPO団体職員は、実態調査の結果として、「やはり政治による救済が必要だ」と総括していた。けれどもホームレス対策でさえ手間取っている政治に、すみやかな救済など可能だろうか。

 政治による速やかな救済が不可能なら、震災難民に対するように、私たち市民が彼らにお金を出し合うなど、救済の手を伸べるべきなのか。

  私は思う。それよりもネットカフェ難民たちはとりあえず自らを救うことはできないか。 たとえばインターネットを活用して、彼ら自身の手による共助団体を形成し、金を出し合ってアパートの一室を借り上げる。そこに腰を伸ばして眠ることのでき るベッドを置き、交代でそのベッドを利用するなりしてせめて熟睡ができない日が続くという問題を解決する。そのような共助行為をとっかかりとして、彼らの 抱えている問題を洗い出し、少しづつ解決してゆく・・・。

 ネットカフェなどを利用して生活をしのいでゆくという、優れた知恵を生み出した彼らなのだから、問題の根本的な解決の知恵も、彼ら自身で生み出すこともできるのではないか。

SEOってなあに?

google、yahoo等の検索エンジンの順位を上位にするための技術なんですって。 なんだか難しそうですね(・ω・;)

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