厳しい競争を続ける電機、自動車など製造業では、技術系の採用に意欲的な会社が多く、先端分野の人材確保を重視する姿勢が一段と鮮明になった。業績好調に加え、退職する団塊世代の補充を迫られていることも採用規模が膨らむ要因であり、学生優位の就職戦線になりそうだ。
各企業は採用拡大について「団塊世代の後継者を育てるため」(機械)、「将来に備えた優秀な若手層の確保」(電機)、「国際的な事業拡大への対応」(自動車)などと説明している。
は、東芝が九百五十人(〇七年春は千七十人)と高水準を維持。三菱重工業は六百三十人(四百九十二人)、ホン ダはトヨタ自動車の六百八十人を上回る七百人(六百十人)を計画。液晶テレビが好調なシャープも四百人(二百五十人)に拡大する。増産が続くトヨタ、キヤ ノンは高卒採用も増やす。事務系の採用は旭化成、シャープなどが拡大する考えを示した。
金融では、三井住友銀行が〇七年春より百七十五人多い千六百人を採用。このうち幹部行員を目指す総合職は六百人とした。日本生命保険は一般職の採用を五百六十人から七百人に増やし営業を強化する。
採用を減らすと答えたのは六社、未定や無回答は十一社だった。
アンケートは二月末から三月中旬にかけて実施。具体的な採用数が固まっていない企業にも「増やす」「減らす」などの方針を聞いた。