2007年4月23日月曜日

人事の都合

転職支援サービスで我々がいつも気にかけていること…、それは転職者ご本人の意志を尊重することだ。それは逆に言えば、「転職者の方を誘導して、会社を決めてはならない」ということでもある。
明確な意志・希望があれば、他人が勧めるままに転職するようなことはあり得ないだろう。しかし、職種変更ができる20代前半、進路に迷っている方、あるい は一度転職に失敗するなどの理由で他人のアドバイスに依存しがちな方なら、言葉巧みに気持ちを一方に向かせることも不可能ではない。それは悪魔の誘惑なの である。

飲料メーカーA社の採用担当:Iさん(30歳)は各事業部からの突き上げを受けていた。どの事業部も人手不足、しかし、新卒・転職市場が売り手市場にな り、採用は予定通りに進まない。本来であれば人事こそスタッフを補うべきだったが、A社経営は営業を最優先にしたため、Iさんの仕事は雪だるま式に増えて いくことになった。

ある時、我々はA社の一次面接にいった人から、奇妙な感想をもらった。
「今日は面接というより、次の面接に向けてのガイダンスのような感じでした」
「というと?」
「二次面接に出てくる事業部長はこんな人で、必ずこういう質問をされるので、こういう感じで答えて欲しいとか、そういう話でした」
その転職者は笑っていた。
「選考なのに、ずいぶん親切ですよねえ」

Iさんに確認すると、悲鳴のような返事がかえってきた。
「どの事業部からも矢の催促で『なんとか人を増やせ』と言われているんですよ。毎日毎日くたくたになるまで面接しているんですけど、なかなか思うようにい かなくて…。それで、とにかく可能性がありそうな人は事業部の方で気に入ってもらえるように、アドバイスをしているんです。事業部の方で『×』になってし まうと、それはそれでどうしようもないので」

さらに話を聞くと、「相手(転職者側)がA社を選んでくれないのは、会社・事業部の力不足だが、内定になる人数が少ないのは、人事の募集方法に問題がある」と、Iさんが社内でやり玉に挙がっているという愚痴が出て来た。
「自社で面接攻略法を教える」というカンニングまがいのやり方は、Iさん苦肉の策だったわけだ

そして、Iさんはこの手法を拡大していった。A社の海外事業に応募したNさん(26歳)の一次面接で、Iさんは別部署の勧誘に走った。
「仮に、海外事業部で不採用だった場合、別事業部で働いてみる気はありませんか? 実はバイオ製品の事業部で欠員があって…」
「うーん。海外営業が希望なので、まずはそちらを受けてみてからでないと何とも言えません」
「バイオ事業は今、伸びている事業部で、社内でも注目されているんですよ。悪い話じゃないと思いますよ…」
この面接の直前、入社したばかりの若手が辞めてしまい、バイオ製品の事業部から人事にクレームが入っていた。それを補うためにIさんは、何とか早く採用者を出したかったのだ。
しかし、IさんはNさんに強い不信感を植え付けることになってしまう。

面接後、Nさんは我々に「A社はおかしいですよ」と、首を捻った。
「無理に他の事業部に押し入れようとするんです。これでは海外営業で入社しても、会社の都合ですぐに人事異動されてしまいそう」
実際には人事の力が弱いA社では、そうそう簡単に配置換えは出来ないのだが、一度生じた不信感は、短い選考のなかでは致命的である。当初A社に強い関心を持っていたNさんだったが、結局、海外事業部での二次面接もせず、辞退を決め込んでしまった。

Iさんにとって不運だったのは、この話がNさんの友人を通して、A社に伝わってしまったことだった。
「なんで、海外事業部に来たいって言うヤツに、わざわざ逃げるようなことをしてくれたんだ」
いま、Iさんは社内で、さらなる突き上げに晒されている。

「決めるのは本人」というのは転職の大原則、我々もあらてめて肝に銘じなければならない。そこを曲げてしまっては信頼もなにもなくなってしまうのだから。

SEOってなあに?

google、yahoo等の検索エンジンの順位を上位にするための技術なんですって。 なんだか難しそうですね(・ω・;)

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